2012-06-04 20:07

お茶を買いに島田市へ

5月半ば、静岡県は島田市へお茶を買いに行ってきた。静岡のお茶はどれも美味しいが、中でも島田茶はno-risuのお気に入りで、お茶農家に伺って直接買い付けている。昔偶然懇意になったお茶農家で、初めて出されたお茶には衝撃を受けた。

 

島田茶の特徴は、水色(すいしょく)が薄いことだ。色は入れ方によって変化するが、世間がイメージする緑色とはかなり違うと思う。初めて見たときは出がらしと勘違いし、「ああ、no-risuの価値はこの程度か」と落胆したのは良い思い出だ。

 

色が薄いのは、60℃~70℃のお湯で丁寧にゆっくり入れるからで、こうすると色が薄くうま味の濃いお茶が入る。この入れ方は島田茶に独特というわけではなく、お茶所静岡では割と誰でも知っていることだけど、島田は特にそれを好む地域と言われる。

 

 

快晴のもと大井川を眺めながら気持ちよく車を走らせ、お目当てのお茶農家に到着した。

 

鍵の掛かっていない玄関をガラリと開けて「こんにちわー」と挨拶すると、台所から奥さんが現れて「あらあら、お久しぶり~!」「お父さんお父さん、no-risuさんだよ」と旦那を呼んだ。奥から「あがってもらえ~」と旦那の声。

 

昼飯時にお邪魔してしまった様だ。奥さんから「食べてきな」とありがたいお誘い。しかし、no-risuは飯を食った直後だったので、正直に満腹であることを伝えた。すると、奥さんは笑顔で、「そう、じゃああがって飯食っていきな」と言う。

 

no-risuはお邪魔することになった。

 

台所には旦那の他、数名のお茶農家仲間が集まっていた。テーブルにはビールの缶が並んでおり、皆気持ちよさそうだ。「昼間から酒か、これだから農家は・・・」などと思ってはいけない。5月のお茶農家は多忙を極め、時間の感覚はサラリーマンと異なる。

 

日頃の愛想笑で心が荒むno-risuには、彼らの裏表無い和やかなもてなしが心に染みて泣きたくなった。また、満腹なのに次々取り分けられ目の前に並んだ料理を見て、別の意味でも泣きたくなった。揚げ物が多く、油が体に染みそうだ。

 

 

普段通りの営業スマイルで料理をつつきながら、前々から一度聞いてみたいと思っていた疑問をぶつけてみた。島田市のお茶農家に聞いてみたいこと、そう、がれき受入れに対する思いだ。慎重に言葉を選んで問いかけてみた。

 

すると、皆口々に言った。

 

「困ったときはお互い様」

「島田市長は良いことをした」

 

素晴らしい。多少の反対意見は覚悟していたが、杞憂に過ぎなかった様だ。しかし、お茶の価格は年々下落している。風評被害がさらに経営を圧迫すれば死活問題と思うが、その点はどうなのか。この疑問に対し、意外な答えが返ってきた。

 

「心配が無いわけじゃない」

「そんなことよりも、最近は東北からの引き合いが増えたよ」
「そうそう、岩手とかから注文が入るんだよ」
「助けるつもりが逆に心配されてる(笑)」

 

おお・・・。no-risuは感動した。

 

「絆ーきずなー」。最近ではやもすれば寒々しさすら漂う言葉だ。しかし、目の前には本物の「きずな」があった。放射能の危険性をヒステリックに喚くキチガイ連中には、一生涯縁の無い心の繋がりである。放射能が汚染したのは、農作物ではなく人の心だ。

 

その後お茶に関する四方山話を交わし、お茶をどっさり買い込み帰路についた。相変わらず空は快晴、車窓から眺めた緑したたる島田市の茶園風景は、来るときよりもさらに優しく美しく見えた。

 

 

 

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コメント

No title

こんにちは。

このエントリーを、昨晩、携帯で読み涙が滲みました。
放射脳なババアには一生理解できないでしょうね。
この繋がりや絆こそが日本人だと思います。島田市でも瓦礫受け入れ反対運動がありましたが、やはり一部の放射脳市民やプロ市民の行動であり、一般市民の心情は彼等とは違うのですね。

>放射能が汚染したのは、農作物ではなく人の心だ。

今の世相を観ると、納得するしかない言葉です。
放射脳な人間が被災者を差別する事もお構いなしの姿を見ていると、正に汚染されていると表現するしかありません。それに、彼等のような極端な人間でない、冷静な人達の心にも不安を投げかけたのは事実でしょうね。

>静岡のお茶はどれも美味しいが、中でも島田茶はno-risuのお気に入りで、お茶農家に伺って直接買い付けている。

私の地元、静岡県のお茶を有難うございます。
良い絆をお持ちですね。これからも大事にして下さい。
  1. 2012-06-05 09:43
  2. URL
  3. rikipep #79D/WHSg
  4. 編集

No title

To rikipepさん
こんばんは。

静岡県のお茶は本当に美味しいですよね。永谷園のお茶漬けがどうしてあのような味付けをしているのか、静岡茶を飲んで初めて理解することが出来ました。

今回は思い切ってセンシティブな問題をぶつけてみましたが、聞いてみて本当に良かったと思います。

もちろん、私の接した茶農家が島田市全ての意見を反映しているわけではないでしょうけど、こういう人達がいると分かっただけでも十分です。

お茶は来年も買いますよ、次はお腹を空かして訪れようと思います(笑)。

  1. 2012-06-05 22:10
  2. URL
  3. no-risu #79D/WHSg
  4. 編集

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