2012-07-14 18:06

関係者の処分は過程

大津市皇子山中学の自殺問題について、11日に滋賀県警が動いたことで事態は大きく動き始めた。もちろん良い方向に動き始めたわけで、no-risuも喜んだのだけど、先々のことを考えると気分が沈む。県警の捜査は手段であって、目的では無いからだ。

 

マスコミ報道やネットを見る限り、最大の関心事は真相の究明だ。学校や市教委が何を隠していたか、どうして生徒が自殺したのか、イジメと自殺の因果関係をはっきりさせることに期待が集まっている。もっと言えば、関係者の断罪を望んでいる。

 

このまま順調に進めば、滋賀県警は市教委らが隠蔽してきた多くの事実を明らかにする。すでに判明しているアンケート結果についても裏付けを取り、市教委らは「事実だったか分からない」なんて人を馬鹿にした言い訳も出来なくなるだろう。

 

うまくいけば、市教委や教師にそれなりの処分を下せるかもしれない。ひょっとしたら、調査を妨害した加害者の親やその背景まで表沙汰に出来るかもしれない。関係者に天誅を下し、遺族は墓前に報告できる日が来るかもしれない。

 

 

で?。

 

それでどうなるのか。その先は何が変わるのか。上記過程の中で、いずれどこかでマスコミや世間の関心は薄れる。教委や学校が非を認め、関係者の処分を決めれば、それで本件は終了めでたしめでたしと幕切れするのではないか。

 

それでは困るのだ。本件における問題の根幹は、学校や市教委がイジメ問題に対処出来なかったことにある。イジメに苦しむ生徒を救うこと、学校や市教委に実効性有る対策を打ち出させること、それがイジメ問題解決のゴールだ。

 

新聞の社説やテレビのコメンテーターは、「イジメは止められなかったのか」「何故イジメが起きてしまったのか」等と一応の問題提起はしている。しかし、「どうやって止めるのか」「どうすれば防止できるのか」といった解決策には踏み込まない。

 

踏み込まないというか、事件の真相究明が解決策かのように論じている。別にそれが悪意的な情報誘導とは思っていないが、目的と問題の本質をよく理解しないまま、ある種のブーム・お祭り騒ぎの感覚で事件を報じているように見える。

 

本件の関係者を締め上げれば、他の教委や学校も「ああはなりたくない」と対応を改めるかもしれない。しかし、そんなネガティブな動機ではろくな対策を取らないだろうし、訓練も受けずにイジメの防止や是正など出来るわけが無い。

 

目的を見失ってはいけない。いくら真相を究明し関係者を処罰しても、イジメは無くならないし死んだ生徒は生き返らない。真相の究明や関係者の処罰はもちろん重要だけれど、それは過程だ。最終的な目的は、イジメに苦しむ子供達を救うことにある。

 

 

産経:大津いじめ自殺 何が起きたか徹底捜査を

http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/120713/crm12071303170002-n1.htm

 

 

 

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コメント

No title

教育委員会や教育現場の隠蔽体質とか事勿れ主義のようなものは、批判されるべきだし、それがイジメを無くせない原因のひとつであることは間違いないが、そっちの方の批判ばかりが目立ち、イジメていた、いわば加害者側を責める意見はあまりなく思える。
得てして、日本という国は、被害者の人権は守られず、加害者・犯罪者の人権ばかりを守ろうとするマスコミやら人権団体やらの風潮が強い。
いくら子供と言えど、悪いものは悪いと教えなければいけないし、ワルノリすれば立派な犯罪になることを教えなければいけない。ましてや、加害者が、殴ったり、金をまきあげたりする行為は、暴行罪、傷害罪、脅迫罪、強盗罪にあたる。
しっかり犯罪を立件して、加害者に償わせなければいけない。
日本は、法治国家だから放置国家であってはいけない。
  1. 2012-07-15 01:17
  2. URL
  3. wann #79D/WHSg
  4. 編集

No title

To wannさん
こんにちは。

仰るとおり、イジメとは犯罪です。イジメ問題を解決しようとすれば、それはすなわち犯罪に対峙することだと理解するべきですね。

本来なら、子供の躾は親や教師が教えるもので、必要ならびんたや拳骨でわからせれば良いのですが、それらが「暴力」として制限される現状では、法で裁いて分からせることも必要になろうかと思います。

  1. 2012-07-15 12:24
  2. URL
  3. no-risu #79D/WHSg
  4. 編集

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