2012-10-20 20:13

大計で小益を狙うは下策

週間朝日の記事を巡る一連の騒動について、橋下市長がツイッターで朝日出版ではなく「朝日新聞を攻撃した真意」を明かした。その真意とは、要するに「朝日出版には何を言っても無駄だろうから、親会社に圧力を加えさせる」と言うものだ。

 

いや、そんなのみんな分かってるから(笑)。「真意を説明します、キリ!」とか「交渉の鉄則!」とか「批判する人は交渉を知らない!」とか、何を得意げな顔して自慢しているのか(笑)。

 

以下、橋下市長のツイッターから抜粋しながら紹介する。

 

https://twitter.com/t_ishin

 何故、朝日新聞の取材拒否をしたのか。週刊朝日が一定の見解を出したので、僕も真意を説明します。多くのメディア、コメンテーターは、朝日新聞は関係ないだろうとのコメント。これは交渉の鉄則。解決能力のある者を相手にしなければならない

 

だいたい、あれのどこが「交渉」だ。即座に朝日新聞と朝日放送の取材拒否を行い、ツイッターでは朝日出版ではなく朝日新聞に対し事実に反する誹謗中傷を並べ、どう見ても市長の立場をフルに利用した恫喝ではないか。

 

 

 週刊朝日そしてその会社の朝日出版社は、今回の記事を悪いなんて全く思っていなかった。謝罪コメントを出す直前まで、自社のツイッターで2回目も期待して下さいね!なんてやっていたんだから。こういう者を相手に話しても何も解決しない。こうなれば朝日新聞社の良識に委ねるしかない。

 

朝日出版が素直に反省・謝罪しないことは容易に推察できたが、それを確認してから朝日新聞に使用者責任を求めるのが筋だ。橋下市長は朝日出版のツイッターを根拠に挙げているが、取材拒否はそれより前の決断であり、後付けの言い訳に過ぎない。

 

 

 朝日新聞は建前は週刊朝日とは無関係だと言うだろう。しかし朝日新聞グループとして影響力があるのは間違いない。朝日出版社や週刊朝日は、今回の記事の問題性など全く認識していないどうしようもない集団だが、朝日新聞社には、やっぱり違うと考える人もいるだろう。だから交渉相手は朝日新聞社だ。

 

ちゃんと手順をふんでも、やはり最終的には朝日新聞との交渉になったはずだ。取材拒否とかレッテル張りとか、クレーマーじみた大げさで見苦しいパフォーマンスは不要だった。

 

 

 週刊朝日を相手にしろとか、佐野氏を相手にしろとか、会見では正論を吐く、記者ばっかり。厳しい交渉などこれまでやったことがないんだろうね。交渉の鉄則は、解決能力のある相手を選ぶこと。これを誤れば、交渉は何も進まない。しかし最初にこれを言ったら進まなくなる。こういうことでした。

 

お前こそ交渉なんてしたことがあるのか、と問いたい。民間の商談で考えれば、そりゃ最初から決定権を持つ社長や幹部を口説き落とした方が手っ取り早い。しかし、普通はそんなこと出来ない。取引先の社員に、「社長と交渉させろ」なんて言えるものか。

 

裁判だって、地裁の判決などクソみたいなものだから、最初から最高裁で争いたい人は多いはずだ。しかし出来ない。社会にはルールがあるからだ。橋下氏は弁護士で市長のくせに、恫喝と権力を使ってルールをねじ伏せたのだ。

 

 

 法手続きによらずにどうやって事を解決するか。解決から遡って手法を考える。これが実務家。解決を考えずに正論っぽいことを言う。これがいわゆる有識者。なぜ朝日新聞社の取材拒否をしたのか、朝日新聞社グループを相手にするのか、実務家ならすぐに分かる。今回、きちんと指摘できた人は皆無だった。

 

思い上がりも甚だしい。朝日新聞をターゲットにした理由など、実務家でなくとも誰が見ても明白だった。当事者をはなから相手にせず、その上部組織や解決能力を有する別団体を使って圧力をかけるのは、ヤクザや政治家などゴロツキ共の手法だ。

 

ああ、橋下市長は政治家だったな(笑)。

 

 

 朝日新聞社グループが方針を出した。謝罪と週刊朝日での連載打ち切り。これでノーサイドだが、その前に一言、言わせてもらう。今回の件で僕の子どもにどれだけの影響があるか、じっくり想像しろ。

 

ノーサイド!?。この程度の終わり方が想定内の落とし所か。no-risuにとっては想定外で、橋下市長という人物を大きく見誤っていた。これっぽっちの成果を得るため、取材拒否したり誹謗中傷を繰り返していたとはなんつー小物(笑)。

 

 

 朝日新聞社グループよ、過ちには二つある。謝って何とか済む話と、謝っても済まない話だ。今回の件は、謝って済む話ではないことは分かるだろ。それでも最後のところで謝罪と連載打ち切りにした。これでノーサイドにしてやる。

 

何が「ノーサイドにしてやる」だ。謝罪と連載終了は朝日出版の意思であって、朝日新聞やそのグループとしての公式発表ではない。勝手に拡大解釈するな。

 

 

 政治家の失敗はもちろん本人が、そして役所の失態の場合でもトップの首長が責任追及を受けるのは当然。民間企業でも同じ。トップの説明なく、広報からの紙切れ一枚で説明終了となれば、メディアは怒り狂ったように、トップを出せ!説明責任を果たせ!と叫ぶ。

 

不祥事を起こした会社に対し、マスコミは社長を引きずり出し謝罪するまで糾弾を止めないことがある。「自分たちこそが正義」と思い上がる、マスコミの忌々しい過剰取材だ。しかし、そんなマスゴミでもいきなり親会社にまで手は出さない。

 

「メディアは怒り狂ったように、トップを出せ!説明責任を果たせ!と叫ぶ」と批判するが、橋下市長がやったことはそれより酷い。権力を背景にした恫喝でトップ(親会社)を攻撃し、説明責任(使用者責任)を強制したのだ。

 

 

本件において、橋下市長はまごうことなき被害者だ。週刊朝日の下劣な差別記事は、週刊朝日の存続を左右する特大の不祥事だった。週間朝日だけでなく、金儲けのために人を貶める週刊誌は多い。その一つに制裁を下すチャンスだった。

 

橋下市長の安易で低俗な解決方法には失望した。しかも法的には問題なくても、やっていることは加害者側のそれだ。権力をふるい、ルールを曲げ、朝日新聞の人格を全否定し、全力を尽くした結果が「謝罪に納得してノーサイド」か。

 

小益を狙い大計を謀るのは下策であり、小物や独裁者の手法だ。ネットでは「橋下市長大勝利!」なんて声を目にし、ツイッターを読むに橋下市長本人もそう思っている気配濃厚だが、どこが「大」勝利か。週刊朝日は無傷に等しい。

 

橋下市長の主張は、「2回目の掲載を止めたかった」とする部分以外全く賛同できない。手段を選ぶ余裕が無かったのならそういえば良いじゃないか。言い訳して正当化するな。

 

 

 

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