2013-06-04 20:10

豆腐業界の苦境に同情の余地無し

中小約2000の豆腐事業者で作る全国豆腐連合会は31日、豆腐業界の厳しい現状について訴えたそうだ。誰に?(笑)。全豆連によると、豆腐業界は大手スーパーの低価格豆腐乱売、原材料高止まり、円安の三重苦に陥っているらしい。だからなんだ。

 

何年か前から、イオンなどの大手スーパーらは1丁50円以下の低価格豆腐を販売するようになった。まるでモヤシのごとき超低価格で、普通の豆腐業者らが価格で太刀打ちすることは不可能だ。中小の豆腐事業者にとっては、肺腑をえぐられる思いだろう。

 

しかし、no-risuは同情しない。何故ならば、中小の豆腐事業者らは努力らしき努力を怠り続けてきたからだ。経営を維持するための企業努力は色々してきただろうが、そういうことを言っているのではない。

 

業界が訴える三重苦、原材料高止まりと円安は原材料を輸入品に頼っているから影響を受ける。大豆は日本国内でも生産できるのに、より安い北米等の外国産に飛びつき、国内産地の育成努力を怠った。言い方を変えれば、国内農家を切り捨てた。

 

一方で、一部の豆腐屋は国内産地を大切にし、品質と安全・安心を売りに豆腐屋の矜持を守ってきた。1丁200円とか300円とか割高だけれども、支持層がいるから商売は成立している。原材料高や為替の影響を受けず、廉価乱売の豆腐とも競合しない。

 

三重苦に陥っている豆腐事業者は、これまで自分達が行ってきた価格競争に負けたのだ。しかも味だって大差ない。イオンの30円の豆腐も、中小メーカーの100円の豆腐も、冷や奴にして食べ比べでもしない限り、違いなんて誰も気がつかない。

 

そりゃそうだろう。普通の豆腐業者は、原材料を質ではなく規格で選ぶ。機械に適した大きさの大豆しか求めない。原材料は外国産、味は普通、これで原因の全てを外部に押しつけ経営難を訴えたところで、同情するのは家族や友人くらいなものだ。

 

近畿豆腐油揚販売協議会の八陣会長は、「本当に安い値段で売られていて悲しくてたまらない」と訴えるが、良質な大豆を生産しても買い叩かれる生産者だって同じ気持ちだろう。生産者を切り捨てておきながら、自分達の苦境だけ訴える根性が気に入らない。

 

外国産に頼り国内産地を育成しないのであれば、中小豆腐業者もイオン等の大手小売りも大差ない。しかも、大手小売りは格安豆腐だけでなく、国産大豆を使った豆腐なども幅広く取扱い味も価格も様々だ。自分達の土俵なのに、あらゆる面で負けている。

 

no-risuは豆腐業者に同情はしない。でも応援はしたいと思う。豆腐は好きだし、豆腐屋のある町の風景も好きだ。原材料高騰だとか円安だとか、くだらない理由で泣き言ぬかして失望させるな。豆腐屋なら豆腐で勝負しろ。三重苦から脱却する戦略に知恵を絞れ。

 

 

TV朝日:円安で輸入大豆価格が高騰 全国豆腐連合会が訴え

http://news.tv-asahi.co.jp/news_economy/articles/000006371.html
 円安などで大豆の価格が高騰するなか、全国豆腐連合会は31日に集会を開き、苦しい状況について訴えました。
 会場には、全国から豆腐事業関係者240人が集まりました。近畿豆腐油揚販売協議会の八陣康夫会長は、「本当に安い値段で売られていると思うと悲しくてたまりません。私たちは本当に大変な危機に面しています。限界を通り越しています」と参加者を代表して厳しい状況を訴えました。
 豆腐の原料となる大豆は、ほとんどを輸入に頼っています。円安による輸入大豆の価格高騰に加え、豆腐の価格が安いことで苦しい経営環境に追い込まれていると言います。全国豆腐連合会は、会員である中小約2000の豆腐事業者が一致団結することで、豆腐の価格を適正に戻していきたいとしています。

 

 

 

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コメント

No title

おはようございます。

豆腐屋ならば豆腐で勝負しろ・・おっしゃる通りですね。

しかし、豆腐屋のある町の風景を破壊した原因にも目を向ける必要があるのではないでしょうか。

大店立地法による地元商店街の消滅、販路を大手スーパーに頼らざるを得ない現実。確かに販路拡大の努力が足りない、というのもその通りと思いますが、過度な競争・品のない競争を助長する諸制度の改善が必要不可欠に思います。

ちょっと甘いでしょうかね・・・
  1. 2013-06-05 08:42
  2. URL
  3. toshita1967 #79D/WHSg
  4. 編集

No title

To toshitahttp://www.iza.ne.jp/izaword/word/1967/" class="keyword">1967さん
こんばんは。

甘くないですよ、私もそのあたりの理由で実は同情したい気持ちがあることを否定できません。豆腐業界も、決して何か悪いことをして苦境に陥ったわけじゃありませんし。

しかし、ここまで来ると同情は何も意味をなさず、「かわいそに」と同情しても、ただ滅びていくだけなんですよね。大手小売りの規制は非現実的で、消費者の理解も得られないと思います。

ですから、厳しいようでも応援の意味を込めて、「同情の余地なし」と突き放したいですね。

  1. 2013-06-05 19:29
  2. URL
  3. no-risu #79D/WHSg
  4. 編集

No title

no-risuさん おはようございます。

これは難しい問題だと思いますが、業界を問わず多くの日本企業が直面する問題ではないかと考えます。

>一方で、一部の豆腐屋は国内産地を大切にし、品質と安全・安心を売りに豆腐屋の矜持を守ってきた。1丁200円とか300円とか割高だけれども、支持層がいるから商売は成立している。原材料高や為替の影響を受けず、廉価乱売の豆腐とも競合しない。

このビジネスモデルは大々的に商売を拡げるには向いていないものの、中小企業が商売を維持していく上では一つの成功パターンだと思います。
自動車業界で言うとスバル(富士重工)あたりでしょうか?

競争相手も日本国内のみであれば、まだ生き残る余地はあったのでしょうが、世界規模での商品生産・調達が可能となると、安い価格のみが訴求点では到底生き残れないですよね。

ここで多くの人の発想をしばりつけている①http://www.iza.ne.jp/izaword/word/%25E6%259D%25BE%25E4%25B8%258B%25E5%25B9%25B8%25E4%25B9%258B%25E5%258A%25A9/" class="keyword">松下幸之助以来の水道哲学②横並び志向③誰にでもいい顔をする八方美人 といった概念を捨て去る必要があると思います。

先に挙げたスバルを例にとりますと、「万人受けする自動車を販売しよう」なんてこれっぽっちも考えてなく、キャラがハッキリした「好きな人はとことん好きになる」というクルマ作りをポリシーにしており、その結果自動車業界では大手とは言えないものの独自のポジションを確立しております。

水道哲学の否定:誰にでも良い製品を提供する必要はなく、顧客を選別する。
横並び思想の否定:他人(他社)と同じで安心、ではなくそれは無価値と考える。
八方美人の否定:万人受け路線では規模に勝る大手に勝てない。

かなりハードルは高そうですが、こういった事が出来なければ行き残りは難しいと思います。
  1. 2013-06-06 09:46
  2. URL
  3. nyankomadara #79D/WHSg
  4. 編集

No title

To nyankomadaraさん
こんばんは。

自動車業界の例え、それも一つの手段だと思いますが、自動車メーカーを真似るのはさすがにハードルが高そうですねぇ。でも、基本的にはそういうことですよね。

私なら、組合のようなhttp://www.iza.ne.jp/izaword/word/%25E9%2580%25A3%25E5%2590%2588/" class="keyword">連合会ではなく、もっとちゃんと中小の豊富業者が連携・合併するとか、価格とか有機などと全く別の価値を持つ商品開発をするとか、BtoBにシフトするとか、そんなことを考えますね。やりようはいくらでもあると思います。

現実的に、相談されればそこそこ力になれると自負しています。金とりますけどね(笑)。もちろん、それでは全てを救うことなどできませんが、私には全員を救済できる案はありません。全員救済は、出来る人に任せるしかありませんねぇ。

  1. 2013-06-06 19:52
  2. URL
  3. no-risu #79D/WHSg
  4. 編集

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