2013-07-25 22:22

上辺だけの和解、魏延を斬れない孔明

橋下代表と中山成彬議員が和解した。内ゲバ露呈から僅か1日のスピード決着である。橋下代表と中山議員の対立は、ひびだらけの維新に崩壊の一撃を加えると期待していたのに残念だ。しかし、この和解は明らかに上辺だけ、問題は解決しておらず、再燃は必至だ。

 

ことの発端は、中山議員がネット番組で「橋下市長は代表と認めない」と発言したことで、これに橋下代表が「維新から出て行け」と激怒し、27日の執行役員会で中山議員の除名を求める考えを示した。みっともない話で、維新のガバナンス崩壊を如実に示している。

 

さて、橋下代表の激怒を受けて、中山議員は「国政政党の代表として国会に参画してもらいたいという思いだった。誤解を招く発言で申し訳なかった」と釈明し、橋下代表は「(真意は)違うというのであれば、それでいい。全て解決済みだ」と寛大なる恩赦を与えた。

 

事実関係は以上だが、ここから浮かび上がる維新の実情が実に興味深い。かつては八策をしたためた維新船も、いまではツギハギ補修まみれのボロ船だ。今回の和解劇は、中山議員が欠けることによる浸水・沈没を回避するため、強引に補修して体裁を整えたに過ぎない。

 

・問題の本質、歴史認識の相違は棚上げ

今回の騒動は、中山議員の橋下代表に対する不信任が原因だ。不信任に至った理由について、いわゆる従軍慰安婦問題に代表される歴史認識の相違が大きな要因であることは間違いない。自虐史観に真っ向から立ち向かう山中議員と、自虐史観に染まった橋下代表。

 

問題の原因となった歴史認識の相違を放置して、丸く収まるわけがないのだ。よく橋下代表は、「意見の違いはあって当然、議論して結論を導くのが維新」と強弁するが、歴史認識については議論しないのだろうか。するわけないか。「議論の維新」なんて嘘っぱちだ。

 

・中山議員の釈明は釈明に非ず

時事通信によると、中山議員は「国政政党の代表として国会に参画してもらいたいという思いだった」と釈明している。つまり、地方自治と国政を曖昧にする、橋下代表や松井幹事長への兼職批判だ。首長を辞めて国会議員にならなきゃ代表とは認めない、そういう意味だろう。

 

・回りくどい釈明経路

中山議員の釈明は、まず東京陣営の平沼議員に伝えられ、平沼議員が大阪陣営の松井幹事長に伝え、松井幹事長が橋下代表に伝えた。実にまどろっこしいやり方だ。組織論としては正しいのかもしれないが、まるでお役所の決裁ルートである。

 

しかも釈明内容は曖昧で、橋下代表が「全て解決」とあっさり矛を引いたのは不自然極まりない。とりあえずその場を収めようと、「とりあえず釈明しとけ」と中山議員を説得し、「誤解を与えたならサーセン、ペッ」と吐き捨てた様が目に浮かぶようだ(笑)。

 

・中山議員を斬れない橋下代表

おそらく、上記の問題点など橋下代表は全て理解している。それでも、橋下代表は中山議員を斬ることが出来なかったに違いない。維新の会は、人材も議席も不足している。まして、中山議員は橋下代表が偽装保守で掻き集めた保守票を繋ぎ止める要の人材だ。

 

東京陣営の反発も想定されるし、公然と批判されても斬るに斬れない橋下代表。それはまるで、三国志で将軍・魏延を斬れない蜀の宰相・諸葛亮孔明だ。魏延は目に余る孔明批判をしていたが、人材不足の蜀にあって一際勇猛な将軍を孔明は斬れなかった。

 

魏延と孔明のエピソード以外にも、橋下維新の会は末期の蜀によく似ている。蜀は孔明の死後ほどなくして滅んだ。党と心中する気など毛頭無いと公言する男が大黒柱では、維新の会の命運も知れている。上辺だけの和解など、僅かな時間を稼ぐ延命策にしかなるまい。

 

 

時事:中山成彬議員は不問に=維新・橋下氏

http://news.livedoor.com/article/detail/7889361/
 日本維新の会の橋下徹共同代表は24日の記者会見で、同党の中山成彬衆院議員が橋下氏のことを「代表とは呼ばない」とインターネット番組で述べた問題に関し、中山氏から松井一郎幹事長らを通じて釈明があったことを明らかにした。その上で「(真意は)違うというのであれば、それでいい。全て解決済みだ」と、不問に付す考えを示した。
 松井氏によると、平沼赳夫国会議員団代表から同日昼、中山氏が「国政政党の代表として国会に参画してもらいたいという思いだった。誤解を招く発言で申し訳なかった」と釈明したとの連絡があり、橋下氏に伝えたという。
 橋下氏は23日、「組織の一員としてあるまじき発言だ。維新から出ていってもらう」と中山氏に強い不快感を示していた。

 

 

 

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コメント

No title

うーむ、面白すぎますなあ。昨日仕事上関わりのある大阪市役所の職員と話しましたが、選挙が終わって橋下も職場に出社するようになったので、とまっていた決裁の処理がようやく進み出したとのことです。といってもここまで国政に関わった彼には大阪府市の改革への情熱もかなり薄れてるでしょうし、これからどうやって存在感を示していくのやら。でもバトルは好きでしょうから、堺市長選挙で自分を裏切った元子分と戦う姿は見ものですね。みんなの党の渡辺-江田といい、菅一人のすら除名できないhttp://www.iza.ne.jp/izaword/word/%25E6%25B0%2591%25E4%25B8%25BB%25E5%2585%259A/" class="keyword">民主党も情けないし、http://www.iza.ne.jp/izaword/word/%25E3%2583%259F%25E3%2582%25BA/" class="keyword">ミズポはようやく代表辞任、まあ野党再編を口にしたくもなるのでしょうが、これだけ思想がちがうと再編といっても難しそうですね
  1. 2013-07-26 08:25
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  3. ibohatago #79D/WHSg
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No title

おはようございます。

橋下って保守を偽装してたんでしたね(笑)
グレートリセットとか叫びつつ。
中山議員がいようがいまいが、本当の保守は騙されんでしょうね(笑)
  1. 2013-07-26 09:15
  2. URL
  3. toshita1967 #79D/WHSg
  4. 編集

No title

To ibohatagoさん
こんばんは。

決済、やっぱり止まっていたのですね。何が「メールがあるから仕事に支障はない」だ、実害はしっかり出ていたわけですね。

野党の動きについて、これはさっそく目まぐるしく動いてますね。ただ、そのいずれも自滅的な動きと言うか、http://www.iza.ne.jp/izaword/word/%25E8%2587%25AA%25E6%25B0%2591%25E5%2585%259A/" class="keyword">自民党の対抗勢力になるような動きはまったく見えません。

見えるのは、俺が俺がのあさましい政局の主導権争いで、これが日本の政治レベルかと思うと泣けてきますね。もう、当分はhttp://www.iza.ne.jp/izaword/word/%25E8%2587%25AA%25E6%25B0%2591%25E5%2585%259A/" class="keyword">自民党の1強で良いです。健全な野党とか、無いものねだりしてもしかたありませんからね。

  1. 2013-07-27 00:22
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  3. no-risu #79D/WHSg
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No title

To toshitahttp://www.iza.ne.jp/izaword/word/1967/" class="keyword">1967さん
こんばんは。

保守層は保守政治家に飢えていたので、橋下市長の偽装保守にコロリと騙されました。一時期、私も騙されていました。もっとも、私は「愛国サヨク」だとにらんでいましたが、それも外れていた様です。

政治もマスコミも、日本は売国サヨクに偏りすぎています。安倍総理がいるうちに、少しでも健全な政治・メディアに是正したいですね。

  1. 2013-07-27 00:31
  2. URL
  3. no-risu #79D/WHSg
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No title

決裁という用語をすぐに理解していただけるとは、ノリスさんは役所の仕事にもお詳しいんですね。市役所の中で市長まであげなければならないような決裁は、重要度の高いものばかりで、メールで済むようなものではありません。膨大な関連法令や通知が絡み、担当部門の部課長級の職員が額を寄せて市長に直接説明をしなければならないようなレベルのものばかりです。定例の内容であれば、メールするまでもなく、局長以下の専決扱いになっているか、市長室の室長に預けられた市長印で処理されるでしょうし。いずれにしても橋下が慰安婦発言なんかで消えていくのはちょっと面白くないです。「橋下の政策はやっぱりイヤだ、ついていけない」と市民の支持が離れるところをみたかった。橋下の発言には共感できる部分もありますが、彼の政策でオールハッピーになるということは絶対にないと思うのです。政策には二面性があって、「こういうふうにすれば、この部分は改善されるけど、他方でこういう問題が新たに発生する」というものばかりです。例えば彼の肝いりの政策だった民間公募校長が3ヶ月で辞めた問題がありますが、隠蔽体質が強く世間一般の価値観からずれている教員の世界に民間公募校長を入れて民間の競争原理を導入すれば、給料あげるためにガツガツと頭働かせて、教員のケツたたいて児童の学力向上に励むはず、と思ったのかもしれませんが、そのような校長に「児童のため」などという公教育の視点を求めること自体が無理なのです。民間の競争原理を導入したいのであれば、そこに集まるのは公に奉仕したい人間ではなく、勝ち抜いて高給にありつきたい人間です。ここで一つ矛盾が生じるのは、大阪府市は給料水準が全国最低http://www.iza.ne.jp/izaword/word/%25E3%2582%25AF%25E3%2583%25A9%25E3%2582%25B9/" class="keyword">クラス、どんなによい成績をあげたところで、彼らの満足のいく高給が得られるわけではないということ、さらに校長だからといって自分の裁量で好きなようにできるわけではなく、教育行政の仕組みに中でガチガチに縛られていてできることは限られている、そのような世界に外資を渡り歩いてきたような人間がきても、さっさと見切りを付けて立ち去るのは至極当然だと思います。
  1. 2013-07-27 22:51
  2. URL
  3. ibohatago #79D/WHSg
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橋下は教員に対し「厳しく評価されるが頑張ってみよう」という姿勢を求めますが、そのような世界に飛び込んでくる人がいるとすれば、厳しい評価を勝ち抜いた先に人がうらやむ高給が待っているときだけでしょう。さらに、教育基本条例で保護者が教員を厳しく評価するのであれば、逆に教員側も、その職場そのものについてこれ以上続けることが自分にとって利益となるかを考えて行動する、つまり保護者が教員を評価すると同時に、逆に保護者や学校そのものも教員から見切りを付けられることになると思うのです。さらに橋下はこれまで公務員に対し「イヤならいつでもやめてくれて結構、代わりはいくらでもいる」という思想であったはずです。どうしてさっさと見切りを付けてやめた民間校長を批判するのか理解できません。結局政策というものは、オールハッピーではなく、最もデメリットの少ない方法はどれか、という視点で考えるのが最も現実的で、その意味では大嫌いな菅直人が提唱した「最小不幸社会」には共感しています。長くなりましたが、市民が「橋下にはもうついていけない」となる日をはやくみたいところです。
  1. 2013-07-27 22:52
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  3. ibohatago #79D/WHSg
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No title

To ibohatagoさん
こんばんは。

あるていど「組織」が機能している会社なら、「決裁」はありふれた用語ではないでしょうか。我が社にもあります。ただ、私は役所との仕事もしていて、役所の決壊についても多少は知っているつもりです。

何しろ、役所の手続きは決済にやたらと時間がかかり、2,3日で終わるだろうと思っていた手続きに、2,3週間待たされることも普通で、何度もいらつかされました(笑)。

で、仰るように、私も橋下市長の評価が慰安婦発言なんぞで大きく左右されてしまったことは、なんともつまらない結果になったと思います。橋下市長は市政にこそ見るべき点があり、その中身・結果に対する評価が重要だと思います。

橋下市長は斬新な市政改革を行っているので、それについては是是非非で評価し、学べる点は素直に学び、失敗した政策はそこからまた何かを学ぶべきでした。

教育問題でも、ibohatagoさんの見方は一理あると言いますか、かなり同意するのですが、こういう失敗例を社会が認知しなければ、橋下市長などは平気で国政も大阪方式を導入し、前例通り失敗するに違いありません。

身から出た錆ではありますが、橋下市長は実にくだらない口から出た災いで自滅しました。

  1. 2013-07-27 23:12
  2. URL
  3. no-risu #79D/WHSg
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