2013-11-21 21:41

防衛秘密廃棄の謎を報道せよ

防衛省は29日、2007年~2011年の5年間に3万4千件の防衛機密を破棄したことを明らかにした。このことについて、マスコミ各社は渦中の特定秘密保護法案に絡め、政府により情報が秘密にされることの危険性を指摘している。しかし、本件に係る問題点は全く別にある。

産経新聞によると、破棄された防衛機密3万4千件のうち、3万件は民主党政権下にて行われていたそうだ。小野寺防衛大臣が説明したのだが、googleニュースで確認すると産経新聞しか報じていない。読売や朝日も紙面ではありそうな気もするが、地方紙は全滅だろう。

防衛機密3万4千件のうち、3万件は民主党政権下の3年間で破棄された。これは非常に重要な事実だろう。それまでは年間2千件の破棄だったのが、民主党政権に変わった途端に1万件と5倍に急増したのだ。何故・何が急増したのか、それこそ国民に知らせるべき情報である。

破棄件数の急増には、二つの理由が考えられる。「保存期間の満了」と「民主党の指示」だ。

防衛秘密は、2002年施行の改正自衛隊法で規定された歴史の浅い制度で、保存期間は最長30年だが、おそらく多くは5年7年10年などの保存期間が設定されている。したがって、民主党政権時に保存期間満了の機密情報が激増した可能性は十分に考えられる。

保存期間満了なら特に問題無いわけだが、懸念されるのは民主党による廃棄指示があった場合だ。保存期間満了なら単なる事務処理だが、民主党の指示ならば何らかの意図が働いている。つまり、「誰が」「何を」「何の目的で」大量破棄させたかが問題となる。

東京新聞は、破棄された情報の検証は不可能と書いている。しかし、破棄された文書は検証できなくとも、破棄を指示した人物や破棄させた理由などは検証出来るはずだ。それこそ権力を監視するマスコミの使命であり、国民の知る権利を守ると言うことだろう。

ところが、東京新聞らは最初から検証不可能と決めつけ、内容について掘り下げて取材する意思はなさそうだ。特定秘密保護法の反対に利用できれば、それで満足の様子である。何だそりゃ、マスコミにとって、機密情報とはその程度の価値なのか(笑)。

防衛秘密指定は、特に重要な情報にのみ行える。保存期間の問題に過ぎない可能性があろうと、それにしたって不自然であり、民主党政権時代の急増すら報じないなんて、マスコミは国に対し「ご理解とご協力」のし過ぎで、こちらも不自然極まりない。

おそらく、民主党の名を伏せる産経以外のマスコミは、この問題を政府の体質として追及したいのだ。民主党の失政がバレると、国民の批判は政府でなく民主党に向かってしまう。特定秘密保護法を廃案にしたいマスコミにとって、それは美味しくないからだ。

国民の知る権利を阻害するのは誰なのか、はっきりと分かる事例だろう。国でも特定秘密保護法でもなく、我々の知る権利を歪めるのはいつだってマスコミである。違うというのなら、マスコミは防衛秘密廃棄の謎を明らかにし、国民に事実を伝えるべし。



産経:民主政権、3万件の防衛秘密廃棄
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/131120/plc13112020180017-n1.htm
 小野寺五典防衛相は20日の参院国家安全保障特別委員会で、防衛秘密に指定された文書が5年間で約3万4000件廃棄されていた問題に関し、このうち約3万件が民主党政権時代に廃棄されていたことを明らかにした。
時事:防衛秘密、3万4300件廃棄=07~11年の5年間-防衛省
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201310/2013102900865
 防衛省の辰己昌良報道官は29日の記者会見で、同省が2007~11年の5年間で約3万4300件に上る「防衛秘密」の文書を廃棄していたことを明らかにした。外交・安全保障などに関する機密を漏らした公務員らへの罰則を強化する特定秘密保護法案の国会審議入りを控え、情報公開に消極的な同省の姿勢に野党などから批判が出そうだ。
 防衛秘密は02年施行の改正自衛隊法で規定された。防衛相が、自衛隊の運用や収集した情報の中で特に秘匿が必要なものを指定。保存期間は最長30年で、期間を過ぎた文書は延長して保存することもできるが、防衛秘密管理者である省幹部の承認で廃棄も可能だ。

東京:防衛秘密3万件廃棄 指定解除わずか1件 07年から5年
http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2013102802000121.html
 特定秘密保護法案を先取りする「防衛秘密」を管理する防衛省が、二〇一一年までの五年間に廃棄した秘密指定文書は計約三万四千件に上ることが、同省への取材で分かった。一方、〇二年に防衛秘密の指定制度を導入して以来、指定が解除されたのは一件だけにとどまる。文書が廃棄されてしまえば何が指定されたか、指定は妥当だったかの検証は不可能。指定解除の少なさも併せ、政府の情報公開の姿勢が問われている。



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コメント

機密情報には、痕跡が残る

機密情報 は、痕跡が残る

no-risu さん こんにちは

またまた、no-risu さんの説得力ある記事に感服いたします。

>ところが、東京新聞らは最初から検証不可能と決めつけ


機密情報 は、如何に官僚が権力を行使しようとも、

確実に残るのは、

件名と廃棄に至った事由、
廃棄の年月日、
更に、廃棄したなら、廃棄方法の記載、
並びに実行者の氏名、
立会い確認した者の氏名、


最低でもこれ等を残さなければ、違法な廃棄行為だと追及されるのは
必至です。
追及しないのは、メデイアの恣意的行為だと感じます。
廃棄処分をしなければ、情報の痕跡は残りません。
野党が、廃棄年月に固執する大きな理由です。


  1. 2013-11-22 04:07
  2. URL
  3. soukikaisann #hVFTBmM6
  4. 編集

Re: 機密情報には、痕跡が残る

こんばんは。

廃棄した年月日、担当者、廃棄方法などは、正直大した問題ではないと思います。廃棄方法は普通に焼却かシュレッダーでしょうし、そもそも職員を追及してもあまり意味は無いと思いますよ。職員は命令やルールに従うだけですからね。

したがって、どんなジャンルの書類を破棄したのか、そこに政務三役あたりから指示は無かったのか、それが重要になると思います。

>野党が、廃棄年月に固執する大きな理由です。

固執してましたっけ?。固執しているのは開示までの年数で、廃棄までの保存年数ではないような。私も情報を網羅しているわけではないので、それほど自信があるわけでもありませんが・・・。

  1. 2013-11-22 21:08
  2. URL
  3. no-risu #-
  4. 編集

情報漏えいの予感と、新防衛構想に転換

>廃棄年月に固執する

と言うのは、間違いでした。官僚は手続き上の保身をしますが、
廃棄の発令権限者は出てこない、かもしれません。


機密の指定期間と、開示の期間で記憶違いが有るかも知れません。
政府案は30年の情報開示が野党との折衝で60年に化けた。

情報開示よりも、重要なのは、第三者機関の設置だが、
これも無効化になった。(首相が責任者では意味が無い。)


それでも、三年間に3万件の機密廃棄は想定外です。
中共、朝鮮に渡った予想を感じます。日本国の防衛構想が
特亜三国に駄々もれの予感がします。

小野寺防衛大臣の答弁に、新防衛構想、つまり、
いわゆる、親防衛大綱の編成を急ぐ理由が含まれて?
(流石にそこまでは、開陳しませんが)

情報漏えいが出てくると、民主党は壊滅します。
大スキャンダル、大ブーメランです。

「ツワネ原則」に一矢 浴びせたいですね。
  1. 2013-11-23 02:09
  2. URL
  3. soukikaisann #hVFTBmM6
  4. 編集

Re: 情報漏えいの予感と、新防衛構想に転換

こんばんは。

私も海事機関30年だ60年だには反対です。

開示の意義は、情報公開の意味合いも当然重要になりますが、その情報に関わったものの責任や、開示される情報を「私が」知ることが出来るのかが重要です。

30年でもあやしいのに、60年も待てば関係者は全員あの世でしょうし、私もたぶん生きてはいないでしょう。いいとこ20年ですよ。

第三者機関について、こちらは疑問です。政府政策に反対するとき、第三者機関はよく持ち出される仕組みです。でも、第三者機関ってそんなに信用できますか?。そもそも、誰が第三者機関のメンバーを招集するのか。与党?、省庁?、国民的議論で選びますか?。

結局のところ、第三者機関が公平公正なんてありえないわけで、あえて言えば独立性の高い国家公務員組織の新設ですけど、反対派は納得しないでしょうね。

重要なことは、第三者機関の設置ではなくて、その議事録含めた情報公開で、その仕組みづくりが大切なのだと思いますよ。

  1. 2013-11-23 19:44
  2. URL
  3. no-risu #-
  4. 編集

マスコミのどうしょうもなさ

no-risu さん こんにちは

秘密保護法案をめぐって、メデイアは煽っている感じです。
野党のアリバイに付き合う義理は無い。
強行採決など、牽強付会でしょう。


防空識別圏設定は、世界中のメデイアが報道しています。
日本のメデイアは地方に限定された感じです。
主題によってはこの傾向が続き、消滅に至るのでしょうが、
時間が掛る。

民主党政権で、3万件の防衛機密を破棄については、
新しいニュースは出ていません。

安重根の碑、集団的自衛権 で3大原則の件など、
朝鮮半島の地盤低下を思わせます。


  1. 2013-11-27 06:08
  2. URL
  3. soukikaisann #hVFTBmM6
  4. 編集

Re: マスコミのどうしょうもなさ

こんばんは。

「強行採決」しましたね。

まあいつまで議論したって野党はずっと反対するでしょうし、メディアの世論誘導やプロ市民活動が激しくなるだけなので、自民党の決断は評価できます。マスコミは「参院で廃案を!」などと最後の足掻きに必死ですけど、残念、ねじれは解消済みなんですよね。ザマミロです。

防空識別圏、朝日新聞には結構紙面が割かれていました。まあ、伝えないところはとことん伝えないでしょうねぇ。低能記者には重要性も理解できなさそうですし。防衛機密破棄は、もう完全に報道終了モードですね。猪瀬の裏金も簡単に終了しそうな感じです。

ああ、もう本当にマスコミはしょうもないですねぇ。

  1. 2013-11-27 20:50
  2. URL
  3. no-risu #-
  4. 編集

地方自治体は、国防に目覚めよ!

アメリカ軍の最新鋭戦闘機・空母・イージス艦・ミサイル・レーダーシステムに相似したものが、開発力のない中国に実在している。
それは何故か。
中国はアメリカの軍事情報を盗み続け、中国軍の増強・近代化を進めているからだ。 
同様に日本も防衛情報が狙われ続け、中国に流出している。 放っておいたら、最新鋭のそうりゅう型潜水艦や超高速ミサイル・開発中の技術も全てそっくり盗まれてしまう。
中国サーバー軍は24時間体制でハッキングと攻撃をしている。 ※ 既にコンピュータを駆使した戦争が始まっていることを知るべきなのだ。
スパイ天国と言われ、外国のスパイが常に暗躍している日本。
(佐賀県が防衛局に情報公開を求める)ということは、(中国が・・・)と置き換えて考えれば、いかに日本を危うくする行為か分かることだ。 中国に直接教えているのと同じこと。 こんなことで、どうやって中国から日本を守れるというのだ。
情報公開制度から(防衛に関する情報)を対象外にすべきだ。
防衛情報を公開するな! 請求もするな!(請求は国を売る行為)
スパイ防止法はどの国にもあり、常識だ。
日本はスパイ防止法案が棄却された経緯があるが、なんとしても急いで成立・施行すべきなのだ。
  1. 2016-02-19 19:41
  2. URL
  3. 国防女子サークル #qbIq4rIg
  4. 編集

To 国防女子サークルさん

こんばんは。

国際情勢などはその通りだと思いますけど、自治体が国防に張り切りすぎるのはどうかと。

国防は国の専権事項なので、良い意味で目覚めてくれれば問題無いですけど、沖縄みたくおかしな方向に目覚められると困っちゃいますからね。

スパイ防止法も、国がまず制定しないと自治体も条例を作れませんし。

  1. 2016-02-19 21:28
  2. URL
  3. no-risu #-
  4. 編集

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