2013-12-11 21:24

ツワネ原則は特定秘密保護法を否定しなかった

ツワネ原則
50項目からなる「国家安全保障と情報への権利に関する国際原則の通称。アメリカの財団による呼びかけにより「安全保障のための秘密保護」と「知る権利の確保」という対立する2つの課題の両立を図るため、国際連合、米州機構、欧州安全保障協力機構、人及び人民の権利に関するアフリカ委員会の関係者を含む、世界70か国以上から500人を超える専門家により、2年以上かけて作成された。2013年6月に南アフリカの都市・ツワネで採択されたことから「ツワネ原則」と呼ばれる。(
wikipediaより)


特定秘密保護法に反対するマスコミらは、「ツワネ原則」を反対の論拠に持ち出すようになった。彼らが言うには、特定秘密保護法ツワネ原則に反しており、国際的な潮流に逆行する暴挙であるらしい。しかし、マスコミツワネ原則や潮流(笑)の中身は説明しない。

マスコミがミスリードを狙っているのか、原則の中身も知らずに利用しているのか知らないが、ツワネ原則は特定秘密保護を否定しておらず、むしろ必要性を認めており、特定秘密保護法の存在を前提に、人権の観点からその扱いについて定められた原則である。

したがって、ツワネ原則は日本の特定秘密保護法制定を妨げるものではなく、もちろん法的拘束力も有さず、「特定秘密保護法を制定している国はツワネ原則を目指してくださいね」、という提言にすぎない。ツワネ原則があるから廃案にせよ、等の主張は成立しない。

では、我が国の特定秘密保護法案は、ツワネ原則と比較してどうなのか。マスコミ報道等によれば、原則から著しく乖離した極悪法案であるらしい。しかし、米英仏独らの特定秘密保護法がツワネ原則に反しないとされるのに、日本の法案が問題視されるとは信じ難い。

というわけで、なにはともあれツワネ原則とやらを読んでみることにした。下記のリンクから確認できるが、和訳部分だけでも40ページ相当以上。正直、すっごく面倒くさい。新聞等で頻繁に「ツワネ原則」が出てくるが、お前ら本当に読んだのか?(笑)。

参考:ツワネ原則の原文と和訳
http://www.news-pj.net/pdf/2013/tsuwanegensoku.pdf

感想。

率直に言ってよくできている。日本の特定秘密保護法案は、いわばツワネ原則の簡略版といった印象だ。ツワネ原則をそのまま特定秘密保護法にしても、内容はさして変わらない様に思える。まあ、米英仏独ら先行国の法を意識した原則なので、当然と言えば当然か。

興味深いのが、情報漏洩に関する罰則の考え方について、マスコミの説明とは全く異なっていたことだ。特定秘密保護法が報道の萎縮に繋がると批判するマスコミは、「ツワネ原則ではメディアなど非公務員は処罰の対象外」、と説明していたはずだ。

そして、政府は不当な犯罪的手法による情報入手を罰則対象に定めているのに、マスコミは「ツワネ原則を守れ!」と報道関係者らの免責を要求した。では、ツワネ原則とは知る権利を守るため、報道関係者の不当な情報入手まで容認しているのだろうか。

常識的に考えて、犯罪行為を認める原則などあり得ないことは分かるが、「原則47」には確かにそれらしきことが書かれている。

原則47:(b)公務員以外の者は、情報を求めたり入手したりしたという事実を理由に、共謀その他の容疑で訴追されるべきではない。

これだけ読めば、罰則対象は公務員のみで、報道関係者らは対象外となる。ちなみに、ツワネ原則の公務員への罰則は、刑事罰ではなく免職などの懲戒処分が適当である、と定めている。そして、原則47にはマスコミが報じない「注記」が付されていた。

"原則47注記:この原則はその他の犯罪、たとえば情報を探索又は入手する過程での不法侵入や恐喝のような犯罪の免責を目的とするものではない。"

注記の通り、不当な手段による情報入手はツワネ原則でも罰則対象であり、日本の特定秘密保護法と何ら変わることはない。唯一の違いは、特定秘密保護法には重い量刑が示されていることだが、量刑は各国で決めることだから特に問題は無い。

ただ、ツワネ原則は「不法な情報入手行為のみ」が罰則対象で、特定秘密保護法は「不法な情報入手」に「特定秘密の取得」がプラスされ罪が重く設計されている。しかし、量刑を批判するのなら、「罰則が軽ければ違法行為を犯します」と宣言する様なものだ。

もう一つマスコミが利用しそうな原則に、第三者機関らチェック機関による情報アクセス権がある。第三者機関は日本も設置するが、ツワネ原則ではさらに裁判所や市民団体など、第三者機関以外のチェック団体による情報アクセス権を求めている。

いかにも反対派が飛びつきそうな原則だが、同原則には「情報へのアクセスは許可するが、入手した情報は公開してはならぬ」と定めている。もしマスコミや似非知識人らがこの原則を悪用していたら、上記のカラクリを思い出していただきたい。

結局のところ、日本だろうと外国だろうと、ダメなものはダメで、必要なものは必要だ。ツワネ原則は特定秘密保護法の必要性を認め、報道関係者含め一般人の不法行為を許していない。法案修正の参考資料にはなるが、廃案の根拠にはならないのだ。

ツワネ原則は特定秘密保護法を否定せず、これがマスコミの報じない事実である。



毎日:社説:秘密保護法案を問う ツワネ原則、より抜粋
http://mainichi.jp/opinion/news/20131125k0000m070099000c.html
 ツワネ原則は、国家機密の必要性を認めながらも、国が持つ情報の公開原則とのバランスに配慮すべきだと勧告している。公開の規制対象は国防計画、兵器開発、情報機関の作戦や情報源などに限定し、(1)国際人権・人道法に反する情報は秘密にしてはならない(2)秘密指定の期限や公開請求手続きを定める(3)すべての情報にアクセスできる独立監視機関を置く(4)情報開示による公益が秘密保持による公益を上回る場合には内部告発者は保護される(5)メディアなど非公務員は処罰の対象外とする−−などを盛り込んだ。



関連記事
スポンサーサイト

テーマ:秘密保護法案
ジャンル:政治・経済

  1. マスコミ
  2. TB(0)
  3. CM(0)

コメント

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する