2013-12-26 22:25

朝日新聞の不可解な誤報重ねを考察する

12月25日、朝日新聞が「安倍政権が自衛隊PKO撤退の検討を開始」と報じ、菅官房長官が「一部のメディアによる撤退報道は事実無根」と即座に否定した。これを受けて、朝日新聞以外のメディアは一斉に「政府はPKOの継続を確認した」と報じている。

25日の朝日新聞によると、安倍政権内では「即時撤退」を主張する声があり、「PKO参加5原則のうち『紛争当事者間で停戦合意が成立』の条件を満たしていない」との分析結果まで出されているらしい。ただ、情報源については全く触れられていない。

一連の流れを見て、朝日新聞の飛ばし記事、世界に恥をさらす誤報だと思った。おりしも、国連は悪化する南スーダン情勢により増派を決定、撤退するなど国際社会に受け入れられるわけがないし、その様な検討を安倍内閣が進めるか疑問だ。

だから、no-risuは26日の朝日新聞朝刊が楽しみだった。朝日新聞が、どの様に謝罪・訂正するのか興味深かったからだ。知らんぷりして完全黙秘を貫くか、隅っこに小さく訂正記事を載せるか、誠意ある訂正と謝罪を載せて報道機関の矜持を見せるか。

ところが、朝日新聞の対応は予想を全て裏切った。驚くべきことに、朝日新聞は24日と同様の記事を掲載していた。つまり、「安倍政権が自衛隊PKO撤退の検討を開始」との内容で、しかも結構デカデカと掲載されていた。何これ?、意味が分からない(笑)。

26日の記事は25日の記事と似た内容だったが、一点、「撤退させたい安倍政権の思惑」について追加情報が書かれていた。「撤退させたい安倍政権の思惑」とは、概ね以下の様な内容だ。

南スーダンの治安が悪化している→自衛隊にも死者が発生する可能性がある→死者が出ればPKO派遣に否定的な世論が高まる→NSC・集団的自衛権などにも飛び火する→それは困る→だったら万一が起きる前に撤退させてしまえばOK

とまあ、その様なことが書かれていた。25日の分析情報といい、朝日新聞は随分と突っ込んだ情報を掴んでいるらしい。だが、いずれの記事も情報源には触れられていない。よくある「政府関係者」とか「安倍総理に近い人物」とか、それすらも書かれていない。

実に不可解だ。朝日新聞だって、菅官房長官に全否定されたことは当然知っている。それでも翌日に続報を掲載するとか、朝日新聞にはよっぽどの自信があるらしい。その朝日新聞の自信は、如何なる証言・証拠に基づいているのだろうか。

あれこれ考えて、no-risuは一つの結論にたどり着いた。

「これは朝日新聞による極めて悪質な偏向報道である」、と。

ヒントは25日の記事で、「現地の情勢が悪化しており、自衛隊のPKO参加条件が満たされなくなる可能性があると判断した」と書かれている部分だ。自衛隊は医療支援や給水支援を行っているが、活動地域まで戦闘地域になれば、自衛隊は撤退せざるを得ない。

その場合、戦闘地域からの軍事的撤退となるわけで、PKO継続非継続を問わず、自衛隊を安全に撤退させるためにあらかじめ作戦を検討しておく必要がある。南スーダン情勢が悪化すれば、当然の対応として最新情報をふまえた撤退作戦が検討されるわけだ。

つまりこういうことだ。

朝日記者 「南スーダン情勢が悪化してますけど、自衛隊は安全に帰れるのですか?。」
政府関係者 「もちろん。自衛隊が安全に撤退するための検討はすでに行われています。」
朝日記者 「ほう、『自衛隊PKOの撤退を検討している』と。(ニヤリ)」

この仮説を考慮して朝日記事を読み返すと、確かに書かれていることはあながち嘘とも誤報とも言い難い内容だ。しかし、嘘でも誤報でもないが、悪意はひしひしと感じる。要所要所で都合良く脚色し、それを指摘されても弁解できる書きぶりになっている。

タイトルに「治安悪化でPKO撤退を検討」、記事に「本来の目的を達成するのは困難」「撤退時期を慎重に検討」などと書かれており、撤退が既定路線かの様だが、よく読めば「可能性がある」「状況を踏まえつつ」など、仮定を重ねた推論に過ぎないことが分かる。

しかし、大多数の国民はそこまで注意深く読まないだろう。十中八九、朝日の目論み通りコロリと騙されたに違いない。現に、菅官房長官は即座に否定したし、産経らその他メディアも「朝日の誤報に菅官房長官が反論」、といったスタンスで報じていた。

さすがクオリティーペーパーを自負する朝日新聞。今回の偏向クオリティーの高さには脱帽する。政権叩き、世論誘導はかくあるべし。お手本とすべき見事な偏向報道だ。かなわんよ。



朝日:南スーダン撤退を検討 自衛隊PKO、治安悪化受け
http://www.asahi.com/articles/ASF0TKY201312240479.html
 南スーダンの国連平和維持活動(PKO)をめぐり、安倍政権は24日、国連南スーダン派遣団(UNMISS)に参加している自衛隊を撤退させる検討に入った。現地の情勢が悪化しており、自衛隊のPKO参加条件が満たされなくなる可能性があると判断した。南スーダンから撤退すれば、自衛隊によるPKO活動は休止することになる。
 南スーダンでは、首都ジュバで15日に前副大統領によるとされるクーデター未遂が発生。各地で蜂起した反乱軍が大統領派と武力衝突している。自衛隊の派遣部隊は直後からジュバの宿営地内で避難民への医療支援や給水支援を行う一方、宿営地以外での活動を自粛している。
 国連安全保障理事会は24日、UNMISSに増派する決議を採択した。反政府勢力の動きは活発化しており、道路整備など自衛隊を派遣した本来の目的を達成するのは難しくなっている。
 こうした状況から、政権内では「一日も早く撤退すべきだ」との声も出ていた。政権は、今の南スーダン情勢は、PKO参加5原則のうち「紛争当事者間で停戦合意が成立」の条件を満たしていない可能性があると分析。今後、UNMISSの活動状況を踏まえつつ、撤退時期などを慎重に検討する方針だ。



関連記事
スポンサーサイト

テーマ:軍事・平和
ジャンル:政治・経済

  1. マスコミ
  2. TB(0)
  3. CM(0)

コメント

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する