2014-06-10 22:09

「反対」もろくに出来ない民主党議員

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安倍政権の推進するホワイトカラーエグゼプションについて、その疑問点や問題点については以前このブログでも書いた。ただし、限定的な運用が厳守され、労働者の権利が保障されるのであれば肯定的に受け止めたい。時間に縛られない働き方は魅力的だ。

しかしながら、今の法案は曖昧な運用で労働者の権利を剥奪する悪法としか思えず、とてもじゃないが容認出来ない。大多数の労働者が「成果を出せない労働者」として扱われかねず、そういった負のカテゴリーが生み出されることを懸念する。

だからWCEには反対の立場なのだが、反対するからには基本的な仕組みや趣旨くらいは理解した上で論じたいと思う。「そんなこと当たり前だろう」と思われるかもしれないが、反対派野党議員の主張には「当たり前」ではない暴論も見られるのだ。

6月4日の厚生労働委員会で、民主党の柚木道義議員が「WCEがそんなに素晴らしい制度なら、公務員に導入して残業代をゼロにすればいい!」と吠えた。何から何まで馬鹿丸出しの主張だが、同様の意見は2chなどでたまに見かける。

何が馬鹿丸出しか。色々あるが、まず突っ込みたいのは「不成立を前提とした交換条件を出すな」と言うことだ。消費税増税が取り沙汰されていたとき、反対するマスコミらは「まずは公務員や政治家が身を切れ」と喚いた。それと同じだ。

「まずは公務員にWCEを導入せよ!」と迫り、もしも「分かりました」と受け入れられてしまったらどうするのか。条件を出された側が条件をのめば、条件を出した側も責任を果たさねばならない。しかし、「まずは公務員」と追及する輩にそんな覚悟はあるまい。

消費税増税の時だって、民主党は本当に国家公務員に身を切らせたが、「まずは公務員が身を切れ」と攻撃した連中は無視した。国家公務員は平均8.6%の給与削減を強行され、地方公務員にも波及したが、誰も「身を切った」とは評価しなかった。

それどころか、2年の時限措置が終了して給与回復がなされた今春、マスコミは「庶民は消費税増税なのに公務員は給与10%アップ!」などと身を切らされた公務員をバッシングした。酷い話だ。こういうのを厚顔無恥と呼ぶ。

次に指摘したいのは、「国家公務員における成果とは何か?」という根本的な疑問だ。行政サービスの何を持って成果と評価するのか。国家公務員の最大組織は、人員のおよそ5割を占める自衛隊だ。自衛隊の「成果」とは何か。

霞ヶ関の官僚にいたっては、WCEが導入されるまでもなくサービス残業地獄だが、WCEを導入して官僚の給与をがっつり上げても良いのか。しかし官僚の「成果」とは何を想定しているのか。国会答弁の台本や法案の作成本数か。説明会や講演会の回数か。

馬鹿馬鹿しい。WCEの導入対象は公務員と全く異なる職種だ。「WCEがそんなに素晴らしい制度なら、公務員に導入して残業代をゼロにすればいい!」というのは、的外れも甚だしい暴論である。

そんなお馬鹿な質問について、よせばいいのに民主党の山井議員が委員会の様子をツイッターで報告した。山井議員の報告によると、厚労省官僚は「とんでもない」と一斉に手を振って拒否したらしい。わざわざバカッターで報告した山井議員の意図は明白だ。

「官僚は自分達の残業代は守るくせに、民間労働者には残業代ゼロを導入したいのです!」「こんなこと許せますか皆さん!」と言いたいのだ。しかし、厚労省官僚が手を振って拒否したのは、自分達の労働環境を守るためではあるまい。

山井議員の発言が的外れで、「何言ってんだコイツは(笑)」と呆れられただけだ。なのに本人達は気が付かず、「してやったり」とばかりにツイッターで報告した。惨めで哀れな人間だ。民主党には大勢議員がいるのだから、誰かそっと教えてあげなさいよ。

no-risuは法案に反対する立場だが、柚木・山井議員らのごとき知性も品性も欠いた反対派は目障りでしかない。法案の基本的な仕組みや趣旨を無視したイチャモンは、一時的に相手を黙らせたり議論を妨害する効果はあっても法案そのものには影響しない。関係無いからだ。

反対派議員には「精一杯反対した実績」が残るけど、無意味なパフォーマンスによる時間の浪費にすぎない。そんなことを繰り返している内に、推進派には「議論した実績」が積み上がり、問題の本質に迫らないまま時間切れで議論を打ち切られる。

「反対」とは、意見の違う相手を説得し納得させる作業だ。知性と品性を備えた繊細かつ高度な技術が要求される。感情まかせで言いっ放しの「反対」は、プロ市民レベルの「批判」「シュプレヒコール」と大差な無い。国会議員にプロ市民レベルで議論されては困る。

民主党議員によるWCEと公務員を結びつけた反対戦略は、愚民の不満の矛先を公務員に向けさせる効果しか無い。うんざりする。頼むから、民主党はじめWCE反対派の野党議員は論理的な正論で「反対」してやくれまいか。



ibedoor:「公務員にも残業代ゼロ制度を導入すべき」という民主党議員の提案に厚労省官僚は「とんでもない」と一斉に手を振って拒否 民主党の山井和則議員がTwitterで報告
http://news.livedoor.com/article/detail/8910208/
「残業代ゼロ制度を公務員にも導入してはどうか」という国会議員の提案を、厚生労働省の官僚が一斉に「とんでもない」と手を振って拒否したと、民主党の山井和則議員がTwitterで報告した。
"6月4日の厚生労働委員会で、政府が成長戦略の一環とする新雇用制度に疑問を掲げる民主党議員から官僚に真意を問うやり取りがあった。
委員会前日の山井議員のTwitterには、厚生労働省の田村憲久大臣に残業代ゼロ制度について民主党から質問することが予告された。・・・"




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テーマ:労働問題
ジャンル:政治・経済

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コメント

本当の提案者への反抗

本当の意味での反対をするのは、大変骨が折れます。
特に身内の労働組合員から「成果主義に賛成して何が悪い!弱い奴がつぶれていくのは今日の世の中、しょうがないことだろう」と強く言われた日には、自分たち労組役員がやってることが実は間違いなんじゃないかと思ってしまいそうになります。
しかし、反論できない人間に反対するのではなく、反論できる人間を説き伏せることがまた次につながっていくと気付かされました。
しかし、ホワイトカラーエグゼンプション。本当の提案者は厚生労働省ではなく、経団連だと聞いています。自民党、民主党問わずそこに反対する議員はいないのでしょうか。
  1. 2014-06-10 22:40
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  3. azarash #-
  4. 編集

To azarashさん

こんばんは。

WCEに限らず、政策は政治家が作るもので、官僚は政策に沿った法律を作るのが仕事です。

厚生労働省は自民党の政策を受けて法案を作りましたが、労働者の権利を守るために厳しい制約を盛り込みました。つまり厚労省は労働者のために最大限努力しているわけで、それを目の敵にする民主党は愚かとしか言いようがありません。

厚労省案に不満やるかたないのが推進派の有識者会議で、経団連らの意向に沿った法案に作り変えようと厚労省と対立している構図です。

労働組合の役員の件は本当にご苦労様です。

組合員のくせに組合の存在意義を否定したり、成果至上主義と弱者切り捨てを肯定する輩は、これまでの交渉で組合が勝ち取ってきた恩恵をすべて放棄して組合から出ていけば良いのです。一人で生きていけと。

まあ、強い組合のある会社がどれほど幸せか、中にいたら有難味が分からない人も多いのでしょうねぇ。


  1. 2014-06-10 23:18
  2. URL
  3. no-risu #-
  4. 編集

おはようございます。

今朝の大本営発表・・ではなく、読売新聞一面に成長戦略の骨子の主な内容なるものが掲載されてました。

・労働時間制度の見直しなどの雇用制度改革や女性の活用促進
・外国人材の受け入れ
・混合診療の拡大
・農協などの改革
・年金資金の運用見直し

一体、瑞穂の国の資本主義はどこにいったのでしょうかね。
ウォール街の強欲資本主義そのまんまじゃん。

よみうりの記事によれば、「骨子は雇用医療農業の3分野を残された課題と明記、規制改革を通じ経済の活性化を図る方針」とのこと。

残された課題というからには、小泉以降今まで散々行ってきた規制緩和が成果を上げているとの認識なんでしょうね。

まじか?この政権。

安部首相いわく、「アベノミクスのバロメーターは何より株価」とのこと。

残念ながら日本を取り戻すのはうそだったようですね。
  1. 2014-06-11 08:05
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  3. toshita1967 #-
  4. 編集

こんにちは。

行政府が打ち出す政策骨子に問題点が在るのは当然です。

性質上、経済団体の要求に沿うものになりがちですし、不特定多数を考慮するため、マイノリティ的な手当は後回し、もしくは最初から除外されるからです。骨子からすべての要求に配慮していれば、まとまる物もまとまりません。

政策骨子はあくまでも「器」です。そこに何を入れるのかを決めるのは、国権の最高機関たる立法府の仕事なのです。政府が決定した大枠と方向性に魂を入れて実のあるものにするためには、与野党の国会議員が議論を尽くす必要があるのです。

議員諸君にお願いしたいのは、下らぬツィッターなど止めて実のある議論に専念して頂きたい、という事です。野党議員はネットで不満をぶつけるヒマがあるなら、政府与党の政策案をよく検討して、問題点を洗い出し、国民に分かりやすく提起すべきです。その上で、より良い対案を提示して欲しいのです。

国民は、不毛な政局絡みの駄弁や、つまらぬ恨み事など聞きたくはありません。官僚に馬鹿にされるような無能議員なら、直ちに辞職して頂きたいものです。
  1. 2014-06-11 14:05
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  3. cn2100 #-
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To toshita1967さん

こんばんは。

まだそこまで悲観することは無いと思いますよ。

WCEは、とりあえず年収1000万円の壁を守れそうで、そうなると自動的に適用対象労働者は極めて限定されます。1000万以上のサラリーマンは全体の4%、WCEに移行するのは4%のさらに一部ですから、経団連や競争力会議は涙目でしょう。とりあえず反対派が一歩リード、次は職種の範囲で攻防が始まりますね。

年金運用と混合診療一部解禁は一長一短なので、私は最初からあまり心配していません。

農協改革ですが、全中解体はあっけなく骨抜きにされそうですから、安倍総理の岩盤規制改革は掛け声倒れになる可能性が高いです。まあ、全中の温存が良いことなのか微妙ですけどね。

まだまだこれからですよ。今国会はまだ途中経過、長丁場になりそうです。


  1. 2014-06-11 20:15
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  3. no-risu #-
  4. 編集

To cn2100さん

こんばんは。

野党議員で政策に「魂」を込められそうな人間は少なそうですねぇ。それどころか、国民より低い理解度で議論したりツイッターでつぶやいたりしている有様で、国民に分かりやすく説明することなど到底望めそうにありません。

民主党議員ごときは一般の国民にすら馬鹿にされているのですから、官僚の目にどう映っているかは想像に難くありませんね。さっさと辞職してほしいものですけど、次の国政選挙で大量に落選する祭りも見てみたいと思います。

その時は、民主党だけでなく維新もボロ負けするでしょう。また美味い酒が飲めそうですよ(笑)。


  1. 2014-06-11 20:21
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  3. no-risu #-
  4. 編集

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