2014-06-24 21:03

ウナギの輸入は直ちに禁止するべき


うなぎ


国際自然保護連合がニホンウナギを絶滅危惧種に指定し、ようやくマスコミが騒ぎ始めた。今さらどの口が言うか(笑)。ウナギ稚魚の漁獲量は激減の一途、誰が見ても絶滅一歩手前だったのに、「土用のウナギの日」の度に消費を煽ったのはマスコミだ。

マスコミ以上にゲスいのが牛丼チェーン「すき家」で、絶滅危惧種に指定されるやいなや「ウナギ牛丼(880円)」なる新メニューを投入した。絶滅危惧種指定を商機と捉えたのだ。「もうすぐ食べられなくなるよ!」、「絶滅危惧種がたったの880円だよ!」、と。

さすがブラック企業、従業員も水産資源も使い捨て、会社が儲かれば他はどうなっても構わないのか。しかし不味そうだ。どんぶりの半分がウナ丼、もう半分が牛丼、ウナ丼と牛丼のマリアージュ、織りなす味のハーモニーは想像しただけで吐き気をもよおす(笑)。



うな牛


さて、ウナギ資源が枯渇寸前に追い込まれた原因は乱獲だ。河川の護岸による生息環境の悪化や、気象条件の変化などもあるだろうが、乱獲に比べれば微々たる問題だろう。そして、乱獲の原因が大手小売りや外食チェーンにあることは間違いない。

大手小売りや外食チェーンのウナギ販売戦略は基本的に薄利多売だ。いかに美味しく料理するかではなく、いかに安く提供するかで勝負してきた。そして割高な国内産を避け、台湾や中国の養殖物を追い求め、ニホンウナギはあっという間に激減した。

ニホンウナギが激減し、資源保護のため自主規制するかと思えばさにあらず。ヨーロッパウナギ、アメリカウナギと代替ウナギに食指を伸ばし、その資源も枯渇させ、次は東南アジアにオーストラリア、ついにはアフリカウナギにまで手を伸ばそうとしている。

焼き畑農業みたいなもんで、規制しなければ世界中のウナギ資源を焼き尽くすのも時間の問題だ。なのに、お馬鹿な消費者は資源問題なんて知らないから、かつての高級食材が安くなって大喜び、安いだけの不衛生でクソ不味い輸入ウナギは人気商品だ。



うなぎ2


かつて、鰻重は専門店で食す高級料理だった。大衆化したのは割と最近で、1983年くらいまで国内消費量は5万トンに満たなかったのが、あれよあれよと増え続け、今では25万トン以上にふくれあがった。増加理由は大手小売りや外食チェーンの薄利多売(輸入)だ。

このまま放置すれば、奴らは地球からウナギが絶滅するまで取り尽くすだろう。だから、ウナギの輸入には厳しい規制を設けるべきだ。漁獲規制も重要だが、他国の規制にまで口出しするのは難しい。それよりも、日本が輸入を規制した方が確実だ。

輸入を規制すれば、国内流通量が激減し格安ウナギも消滅する。そでれ良いだろう。ウナギはそういうもんだ。ただ、ウナギの食文化まで消滅されては困る。ここは何としても守らなければならない。昔の様に、ウナギは専門店で食べる社会に戻そう。

世界中にウナギを食す国は数有れど、日本に肩を並べられる料理は存在しない。ぶつ切りにして煮込んだり、油に漬けたり、燻製にしたりして食べている。日本は違う。裂き、蒸し、焼き、タレ。高い技術が求められる鰻料理人は、敬意を込めて「職人」と呼ばれている。

職人の「作品」は高くて当たり前、たまのご馳走でいいのだ。実際、美味い鰻重にはそれだけの価値がある。外食チェーンのウナ丼とか、スーパーの蒲焼きとか、あんな見てくれだけ似せた紛い物こそ絶滅すればいい。資源の浪費、もったいないの精神に反する。

難しい話ではない。ウナギの輸入を規制すれば必然的にそうなる。何せ、国内流通するウナギの7割が輸入物だ。でも、いつかウナギの完全養殖が実現すれば、美味しくて安いウナギが食べられる様になるから、それまで我々庶民は我慢しよう。

せっかく完全養殖が実現しても、職人や食文化が廃れていては美味い鰻重なんて食べられないのだから。



北海道:ウナギの危機 環境復元させ歯止めを
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/editorial/546965.html
" 絶滅を防ぐにはまず環境の復元から始めなければならない。こんな強い警告と受け止めるべきだ。
 ニホンウナギが国際自然保護連合(IUCN)のレッドリストで絶滅危惧種に指定された。
 漁獲激減がかねて指摘されながら、政府は何ら有効策を打ってこなかった。その怠慢をあらためて認識する必要がある。"
" 絶滅危惧種に指定されても、即座に捕獲や国際取引に規制が生じることはない。
 だが、2年後のワシントン条約締結国会議で輸出入の制限対象となる可能性は十分にある。手をこまぬいているわけにはいかない。
 政府は乱獲防止といった目先の対応にとどまらず、種の保全という立場から、生息環境の復元に積極策を講じる責務がある。"
" ニホンウナギの生態はなお、未解明な部分が多い。
 産卵場所は3千キロも離れた太平洋のマリアナ海溝付近とされる。稚魚は日本列島や中国の沿岸から川を遡上(そじょう)し、親魚になった後は、再び産卵で海に戻るという。
 海、海岸、河川。種の保存には、これらを一体化して生息環境ととらえる視点が欠かせない。"
" 河川の直線化やダムの建設が生育環境を狭めてきたことを反省し、工法の見直しも迫られる。
 コンクリート護岸の河川ほど生育数が減少しているとの調査結果がある。自然に近い工法の採用が求められているのはそのためだ。
 熊本県の球磨川では、ダムを撤去するために水門を開いたところ、天然ウナギの漁獲が増えたという。参考例として役立てたい。"
" 一方で、養殖事業とウナギの資源回復を混同してはならない。
 完全養殖はなお、実用化に至っていない。養殖を軌道に乗せるには、まず野生の稚魚の捕獲が前提条件となる。大量消費のつけの大きさを再認識するときだ。
 資源量の増減や分布状況をきちんと把握してこなかった政府の責任も重い。最近まで乱獲を放置してきた水産行政の甘さが危機的状況を招いたと言ってもいい。"
" データがなければ、許容される捕獲量や対策の重点地域を見極めることすらできない。基礎データの収集にはいまからでも資金を投じて乗り出すべきだ。
 生息域が広いウナギの生態を考えれば、中国や台湾、韓国などとの国際協力も不可欠だ。
 持続性の視点を欠いたまま欧州やアジアからウナギを集めて消費し、資源を枯渇させた行為を、繰り返してはならない。"





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コメント

以前、知り合いの某大学の農学部の非常勤講師の方が言っていました。
「93年タイ米輸入騒動の時に「金があれば食糧はいくらでも手に入る」と食糧と札束を天秤に簡単にかけてしまう思想ができてしまった」と嘆いていました。
うなぎはおいしいので食べたい欲求はありますが、食の安全も含め「安かろうが正義」という考えを改めないといけない時期かもしれませんね。
結論として食べ物は大切だなと思うところです。
  1. 2014-06-24 21:37
  2. URL
  3. azarash #-
  4. 編集

To azarashさん

こんばんは。

「金があれば食料は手に入る」とは、実は結構重要な論点なんですよね。食料安保の議論になるとかならず出てきます。「自給率が引く手も外国から買えばよい」、と。これは真実でもあり、だからと言って食料自給率の低さを正当化できるものでもなく、慎重な議論が必要です。

>食べ物は大切だなと思うところです

それが全てですよ。
いや、本当にそれが全てなんです。

だって、食べ物が私達の細胞になるんですからね。


  1. 2014-06-24 21:49
  2. URL
  3. no-risu #-
  4. 編集

おはようございます。

大賛成です。ついでに大店法も改正しましょう。
うなぎ職人の方々のみならず、鮨職人や地域の商店街も壊滅の危機に瀕しています。
  1. 2014-06-25 09:23
  2. URL
  3. toshita1967 #-
  4. 編集

To toshita1967さん

こんばんは。

鮨屋って、わりと住宅街とかにありませんか?。商店街ではあまり見かけないような。私の街が珍しいのかもしれませんが、こちらの鮨屋は結構元気にやってる印象です。

大店法は「改正」が良いですね。郊外型大型モールにも良いところもありますし、温存させる価値の無い商店街もごまんとありますし。


  1. 2014-06-25 20:18
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  3. no-risu #-
  4. 編集

日本(ウナギ)を、取り戻す。

no-risuさん、こんばんは。
オヒサシブリデス。

漁獲規制も輸入規制も賛成です。

良いものは高い。美味しいものは高い。希少なものは高い。
それは当たり前のことです。
値段が下がれば、ウナギのありがたみも下がるのです。

そして、某牛丼チェーンで、うな丼を注文しておいて食べ残す子供に対して声を大にして言いたいのです。

ウナギへの感謝が足りない。

ウナギへの敬意が足りない。

ウナギへの愛が足りない。  …と。

秋口には私もウナギを釣りますが、残暑の中ミミズを掘り、やぶをこいで蚊に刺されながら数日粘って、やっと釣れたら捌いて、汗だくになりながら焼いて(もちろん炭火で)、それでやっと口にすることができる。
ウナギとはそういうものなのです。
本来、それだけの価値があるものなのです。ウナギは。

それを、こんなに大量消費して。まったく。

そもそも、おいしいはずのウナギ様をあんな調理をして出しているのが悪いですよ。
あんなのは本当のウナギの味ではありません。
あれをウナギの味だと思ってしまっては、ウナギの地位も暴落します。
ちゃんとした調理ができないなら、客に出すな。と言いたい。

どんどん規制して、大量消費できないようにすべきです。
それなりの対価(時間でもお金でも)を費やせる人間だけが食べることができるようになるべきです。
ウナギの数と同時に、その食材としての地位を取り戻すのです。


…おお、つい熱くなってしまいました。



>いつかウナギの完全養殖が実現すれば

ちなみに、ウナギの完全養殖そのものは5年ほど前に実現していますね。
安定性とコスト面の課題が改善されれば、安定供給も夢ではありません。
人の叡智と技術によって支えられた安定供給ならば認めてもいいですね。

「規制されることによって技術が育つ。」
そのようなショック療法を期待するのも面白いかもしれませんね。
  1. 2014-06-26 01:56
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  3. mine-y #-
  4. 編集

To mine-yさん

こんばんは、ハジメマシテ。

うなぎの完全養殖は、所詮は研究室レベルの成功で、量産にはほど遠い段階なんですよね。具体的には、エサと環境が難関です。研究のかいもあり、いまでは一桁上のレベルで養殖できるようになったみたいですけど、市場に供給するにはあと二ケタ上げてほしいところです。

>うな丼を注文しておいて食べ残す子供

ファストフードに子供を連れてくる、これがもうおかしいですよね。信じられないですよ。差別的な考えかもしれないですけど、あんな人達にはウナギを提供したくはありません。

もったいない、その一言に尽きますよ。


  1. 2014-06-26 23:24
  2. URL
  3. no-risu #-
  4. 編集

平賀源内ごめんなさいm(_ _)m

no-risuさん、こんばんは。

>ハジメマシテ。
そこまで遡りましたか(笑)

>量産にはほど遠い段階なんですよね。
そうなんですよ。
しかしながら、あの少ない予算でここまで来れたなら、本気で技術の向上を目指して予算を注ぎ込めば、数年で何とかなるのではないかと思ってしまいます。


何にしましても、もったいない。もったいない。ああ、もったいない。
  1. 2014-06-27 00:09
  2. URL
  3. mine-y #-
  4. 編集

To mine-yさん

こんばんは。

昨日はメチャクチャ酔っぱらっておりまして、コメントの大部分に書いた記憶がありません。
書きかけだったはずの秋田空港のエントリーも、何故か完成してアップされているし。

お酒って怖い(笑)。

で、日本の水産予算は前々から不満だらけなんですよね。どうでもいい予算が多いくせに、ウナギやマグロ養殖の予算はケチる。ガツンと投入すりゃ良いと思うのですが、一向にその様な気配はありませんねぇ。


  1. 2014-06-27 19:10
  2. URL
  3. no-risu #-
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