2014-06-26 23:43

国際交流の中身を考えよう


「国際交流をどう思うか?」と聞かれれば、おそらく誰もが「必要」とか「賛成」等と答える。しかし、「何故必要か?」と聞かれた場合、明確な理由を挙げられる人は少ないだろう。「時代はグローバル社会だから」、なんてのは答えにすらなっていない。

理由も分からないのに国際交流を肯定するのは、「国際」や「交流」という言葉に良いイメージを連想するからで、つまりは先入観に過ぎない。他にも、国連機関や地方分権や規制改革等は、先入観で支持されている部分が大きい様に思う。

これはよろしくない。先入観で思考停止すると、そこにつけ込み悪用する卑怯者や、説明を誤魔化す馬鹿が出てくるからだ。

「ソウル便は県の国際交流に必要不可欠」。6月25日、秋田県議会の産業観光委員会で県が示した見解だ。秋田県は秋田空港の利用率を上げるため、これまで大韓航空などへの補助金約16億円を注ぎ込み、韓国への修学旅行を推進してきた。

一時は25校が修学旅行先に韓国を選んでいたが、その後減少傾向が続き、韓国の反日活動や杜撰な安全管理も功を奏し、本年度はとうとうゼロになってしまった。元々利用率は30%と低迷していたこともあり、大韓空港はソウル便を停止した。

これに焦ったのが秋田県だ。秋田空港は全国の赤字空港の中でも指折りで、空港欲しさに有りもしない需要をでっち上げたツケがこの様なのだが、作ってしまったからには今さら罪を認めるわけにもいかない。だからソウル便を復活させたい。県のメンツもある。

秋田県は企業や旅行会社に利用を働きかけていく予定なのだが、需要も無いのに多額の税金を投入して韓国旅行をごり押すことに県議会から非難囂々だ。「ソウル便は県の国際交流に必要不可欠」は、議会の批判に対する県の釈明である。

さて、ここで問題になるのが、冒頭に書いた国際交流への先入観だ。「国際交流に必要不可欠」などと言われると、「うむ、国際交流なら仕方ないな!」と考える人が多い。本当は多くなくても、何となく釈然としなくても、それがまかり通ってしまう。

そうじゃない。国際交流とは具体的に何を意味しているのか。どこの国とどんな交流を想定しているのか。それがはっきり示されなければ、必要不可欠か否かの判断は出来ない。

秋田県の国際交流先は韓国限定だ。国際交流には違いないが、日韓交流と呼んだ方が正確だろう。それもかなり一方的な「交流」で、県の説明は「(一方的な)日韓交流は必要不可欠」と言っているのと同じだ。本当に必要不可欠か?(笑)。

全国の地方空港は赤字まるけだ。そして、そのほとんどが空港建設理由に「国際化」を挙げている。海外旅行やビジネスで、日本から何万人、海外から何万人、詐欺に等しい需要見込みを空港の必要性に盛り込み、巨額の税金を投入したあげく失敗している。

秋田空港には、3階建ての立派な国際ターミナルビルがある。韓国便を見込んで建設したものだが、韓国便が就航したのは竣工から8年後だ。いかに杜撰な計画だったかよく分かる。政治家と荷担した県職員など、推進したアホ共を引っ立てろと言いたい。

大韓航空が撤退すれば、秋田空港・国際ターミナルの失敗が本格的に知られてしまう。問題化すれば県の責任が問われかねない。だから、県は韓国便の再開に必死なのだ。

正直に言ってみろ。「国際交流」なんて本当はどうでもいいのだろう?。秋田空港の失敗を認めたくないから、県の責任を認めたくないから、保身のために税金を投入したいから、「国際交流に必要不可欠」などともっともらしい言い訳を並べただけだろう?。

この手の誤魔化しは全国に溢れている。特に政治・行政が酷いが、自覚や悪気の無いものが多いこともやっかいだ。「国際交流」とか「国際化」とか聞いたら、とりあえず眉にツバをつけて、先入観にとらわれず冷静に中身を考える癖をつけたい。



読売:ソウル便再開意向に「必要だと思う県民少ない」
http://www.yomiuri.co.jp/national/20140625-OYT1T50135.html
 秋田県議会の産業観光委員会が25日開かれ、県は7月下旬から3か月間の運休が決まっている大韓航空の秋田―ソウル便について、「10月下旬の運航再開を目指していく」と説明した。
 しかし、ソウル便の維持には多額の県費が投入されていることから、各会派の委員から「必要だと思う県民は少ないと思う」など再開を疑問視する声が相次いだ。
 ソウル便は、4月に韓国で起きた旅客船沈没事故や円安の影響で搭乗率が30%台に低迷。改善する可能性も低いため、大韓航空が今月11日、10月下旬まで3か月間の運休を決めた。委員会で、県は「ソウル便は県の国際交流に必要不可欠」と主張、企業や旅行会社に利用の促進を働きかけ、運航再開を目指す意向を示した。
 これに対し、委員からは「(赤字を抱える)秋田内陸縦貫鉄道は県民の足だが、ソウル便は違う。なくなって困る人は何人いるのか」「(県が補助を出している)修学旅行の利用に頼りすぎていたのではないか。国際交流が目的というが、修学旅行後に再び韓国を訪れている人はどれだけいるのか」など、厳しい意見が続出。「ソウル便への県民の視線は厳しい。それでも必要というのなら、しっかり必要性を説明し、理解を求めるべきだ」との声もあった。
 県観光振興課によると、2001年の運航開始から13年度末までに、県はソウル便維持のため、大韓航空などへの補助として約16億円を支出している。




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コメント

おはようございます。

あり得ないくらい杜撰な計画ですね(笑)
まあ、せめて地元建設業にお金が回っていたのであれば、全く無意味のプロジェクト、でもないんでしょうが。

しかし、私は特に行政だけが杜撰な投資をしているとは思いません。
金融機関で働いていると、あり得ないくらい杜撰な民間投資も山の様にありますよ(笑)

政府・行政=非効率
民間=効率的

といった単純化した見方は危険だと思います。
  1. 2014-06-27 07:08
  2. URL
  3. toshita1967 #-
  4. 編集

To toshita1967さん

こんばんは。

> 政府・行政=非効率
> 民間=効率的
> といった単純化した見方は危険だと思います。

私もそういった見方はしていないつもりです。

ただ、政治や行政の場合は原資が税金で、一件一件の額が大きく、業者との癒着構造が見え隠れする上に、日本中で似た様な問題が発生していることが問題なんですよね。

私も企業の経営計画を見て失笑することが多いですけど、それは企業の自業自得・自己責任ですから。


  1. 2014-06-27 19:16
  2. URL
  3. no-risu #-
  4. 編集

高校のときも国際交流という事で、姉妹都市のアメリカ人の宣教師のひととあって、アメリカの高校生のあいさつとか遊びを教えてもらいました。知らないことを知るというのは面白いことではあるのですが、よくよく考えれば国際交流の必要性って何なんでしょうね?
他民族や他国の人に会って、人間性を深めるとかなんでしょうか?
  1. 2014-06-29 13:21
  2. URL
  3. azarash #-
  4. 編集

To azarashさん

こんばんは。

国際交流の必要性ですが、私は誰にでも必要なものとは考えていません。

価値観の異なる文化や人間に触れて、自分を豊かにするとか他国の人々と仲良くなるとか、それは確かに生産的な活動ではありますけど、やりたい人だけでいいんじゃないでしょうかね。

少なくとも、誰かに強制するものではないと思いますし、あるいは自慢するものでもないと思います。私は、国際交流より国内交流したいと思います。

韓国に行くくらいなら、四国や九州や北海道や沖縄と交流したいですねぇ。


  1. 2014-06-29 20:41
  2. URL
  3. no-risu #-
  4. 編集

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