2014-07-07 22:10

生産的反原発派にエール

かわさき

川崎市の反原発派市民が、再生可能エネルギー普及による脱原発を実現すべく「NPO法人原発ゼロ市民共同かわさき発電所」を発足させたそうだ。反原発を叫ぶだけでは実現性が薄く、市民自ら再生可能エネルギーの生産に乗り出した。いいね。

no-risuは原発容認派だが、原子力だから賛成しているわけではない。資源小国日本には、原子力以上に適した電源が思い浮かばないからだ。原子力に代わる安全で安定した経済的に成り立つ電源があるのなら、原子力がゼロになっても構わない。

反原発派の大半は、代替電源も提案せず反原発を連呼するだけの無責任な連中だ。そういう反原発プロ市民や放射脳共をno-risuは軽蔑する。一方で、「かわさき発電所」は自ら代替電力の生産に乗り出した。有言実行、好感の持てる市民団体だ。

朝日新聞によると、「発電所」第1号はマンションの屋上で、屋上を借りて164センチ×99センチのソーラーパネル100枚を設置する。生産した電気は販売し、導入経費の返済に当てる計画だ。100%失敗するだろうが、本心から頑張ってほしいと思う。

失敗すると思うのは、やはり費用の問題が大きい。かわさき発電所第1号は、164センチ×99センチのソーラーパネル100枚を設置する。そこそこの規模に思えるが、発電量はたったの25キロワット、7~8世帯分の供給量にしかならない。

それでもソーラーパネル設置費用は1千万円で、導入後もメンテナンス費用や屋上敷地の賃借料金等がかかる。再エネ法に定められた売電単価は年々下落し、小規模の「発電所」を乱立させる方式は費用対効果的に間違いなくマイナスだ。

費用は市民の出資・寄付、金融機関からの借り入れ、補助金等で賄う計画らしいが、資産も無く赤字濃厚な事業に金融機関が融資するとは思えないし、同じ理由で行政が反原発団体に補助金を出すとも思えないし、市民の寄付なんて雀の涙だろう。

売電で不足する経費を賛同者の出資(自腹)で穴埋めし続ける。先の見えない赤字経営にどれだけの市民が耐えられるか。多くの市民は数年で挫折するのではないか。そして、もし経営が軌道に乗ったとしても、それは脱原発に向けたスタート地点に過ぎない。

自然エネルギーは安定性も弱点だ。何年もかけて安定した発電実績を示せなければ、自然エネルギーをいくら増やしてもバックアップ電源が必要になり、火力や原子力といった既存発電施設の削減には結びつかない。気の遠くなる忍耐が要求される。

まあ、何はともあれまずは経済的問題のクリアだ。かわさき発電所が一時的な自己満足で終わるか、数年後に自然崩壊するか、現実を受け入れられずに破産するまで続けるか、現実の厳しさを理解し断念するか、まさかの大成功を収めるか。

朝日新聞は、参加メンバーの声を次の様に伝えている。

看護師の田中哲男さん(38)は子どもを抱いた美樹さん(34)と夫婦で参加した。「ふつうの人が楽しく参加できるといいですね」。ホームページの製作を手がける松野篤さん(32)は「わくわくする。将来が楽しみ」と期待を込めていた。

悪い人達では無いのだろう。期待に目を輝かせる様子が目に浮かぶ。しかし、彼らを待ち受けているのは失望や挫折で、十中八九不幸になることが予想されるだけに、何とも心が痛くなる記事だ。彼らを応援することは、逆に罪なのではないかとすら思える。

本当の優しさは、彼らを思いとどまらせることなのかもしれない。まあ、彼らが不幸になろうが破滅しようが知ったことではないか。彼らはno-risuの家族でも友人でもないし、大人が自らの意思でチャレンジするのなら、ネガティブな口出しは余計なお世話だろう。

NPO法人原発ゼロ市民共同かわさき発電所は、文字通り生産的な活動をする希有な反原発市民団体だ。彼らのことを反原発プロ市民団体とか放射脳とは呼ぶまい。成功すると良いねぇ。



朝日:「脱原発」川崎に市民発電所
http://www.asahi.com/area/kanagawa/articles/MTW20140617150330001.html
 原発ゼロを実現するため、地域に再生可能エネルギーを広めたい――。そんな思いで活動する市民団体が川崎市に発足した。「原発ゼロ市民共同かわさき発電所」。中原区のマンション屋上に第1号の太陽光発電所を開設。メンバーたちは持続可能な社会へ向けた取り組みを誓い合った。
 東急東横線の元住吉駅から徒歩約10分、武蔵小杉駅からも約15分。3階建てのマンション屋上に5月下旬、10人ほどが集まった。「日当たりがいいなあ」「広い場所が確保できた」。メンバーのマンションオーナーから借り受けた。
 ここに、164センチ×99センチのソーラーパネル100枚を設置し、年内の稼働をめざす。発電力は25キロワット。一般家庭7~8世帯分の電力だという。
 設置費用は約1千万円。市民から出資を募るほか、借り入れや寄付でまかなう。地域の商店街で「地域債」を発行することも検討中。電力を売ることで得られる収入は出資者へ還元するなど、地域に貢献できる仕組みを考えたいという。
 メンバーは約30人で3月末に発足した。弁護士や環境問題に取り組むNPO、経営アドバイザーや建築関係者、看護師、子育て中の主婦など職業はいろいろ。30~40代が主力だ。昨年の夏から勉強会を開き、各地の取り組み例を学んできた。
 発起人の川岸卓哉さん(29)は弁護士になって3年目。福島第一原発事故で被災した住民の集団訴訟にかかわっており、月に2、3回は福島に通う。「福島を応援するためにも、それぞれの地域で再生可能エネルギーを普及させたい。それが脱原発へつながる道だと思います」
 川岸さんは2011年3月の東日本大震災後、仲間と「原発ゼロ」を訴える集会を毎年3月に川崎市内で開いてきた。翌12年は1600人が集まったが、13年は1400人、今年は1200人。「風化を感じざるを得ない。原発反対を訴えるだけではだめだ」と実感したという。
 昨年たまたま訪れたドイツで、チェルノブイリ原発事故後に市民が送電網を買い取り、再生可能エネルギーを供給する電力会社をつくった町があることを知った。太陽光や風力、バイオマス発電などできちんと地域に利益が還元できる仕組みをつくっていた。日本でもこうした取り組みが必要だと思った。
 「市民の力で、市民のために電力の使い方を決める。市民の意識を変えていく可能性を秘めている」と川岸さん。市民が先例をつくり、行政にも働きかけていくつもりだ。
 メンバーたちはマンション屋上から中原市民館に移動し、初学者向けのセミナーを開催。太陽光発電の現状と可能性などを学んだ。看護師の田中哲男さん(38)は子どもを抱いた美樹さん(34)と夫婦で参加した。「ふつうの人が楽しく参加できるといいですね」。ホームページの製作を手がける松野篤さん(32)は「わくわくする。将来が楽しみ」と期待を込めていた。





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コメント

 一般家庭7~8軒分で、設備投資が1000万、メンテナンスは別。
 しかも夜間など発電不能だから別途の電源が必要。

 なるほど太陽光発電って、到底一般の電力源としては使えませんね。
 
 ドイツも再生可能エネルギーによる発電は、実用不能であることが明確になってきているのですが、しかしそれでもやってみようと言うから立派です。

 それにしても「市民の寄付」が必要な発電なんか、無意味だってことに気が付かないのが凄いです。
  1. 2014-07-08 08:21
  2. URL
  3. よもぎねこ #-
  4. 編集

おはようございます。

私の自宅周辺の空き地にも、何処かの事業体による太陽光発電パネルが設置されています。1年ほど前から工事が始まり施設は完成したのですが、未だ稼働する様子がありません。
太陽光発電に関連する不祥事が散見される中、まさか自治体を手玉に取った詐欺事件ではないかと危惧しております。

ご指摘のとおり、善意のみで行っている場合であれば良いのですが、補助金が絡むとなると、甘い汁を吸おうと企む輩が集まってくるのが世の常です。多額の寄付金を募りそれを素人が管理するとなると、伴うトラブルも必然的に増えてきます。

「市民」による手探りの取り組みを頭ごなしに否定する積もりはありませんが、事業として軌道に乗せるのなら、相応のリスクは覚悟しておいて欲しいものです。

それと朝日新聞の、「あなたたちの未来はバラ色」と賛美する記事はいただけません。勘違いするおバカさんを煽るのは、投資詐欺を奨励しているようなものですから。
  1. 2014-07-08 09:43
  2. URL
  3. cn2100 #-
  4. 編集

To よもぎねこさん

こんばんは。

市民の寄付とか出資とか、それは売電により徐々にペイされていくのですけど、売電支払の原資は消費者の電気料金上乗せなんですよね。つまり、太陽光発電が増えれば増えるほど、何の関係も無い一般市民が強制的に寄付させられるわけですね。

日本の一般家庭で現在月に200円ちょっと、ドイツでは2500円くらいだったでしょうか。日本は買い取り単価が高いので、このままドイツ並みに再エネ比率が高まればいくら負担させられることやら。このあたりの「国民の痛み」について、マスコミはもっと報じるべきです。


  1. 2014-07-08 20:00
  2. URL
  3. no-risu #-
  4. 編集

To cn2100さん

こんばんは。

施設が完成したのに稼働していないと聞いて、私が思うのは「施設の転売計画が上手くいっていない可能性」ですね。

御存じのとおり、売電単価は年々引き下げられますが、発電計画の申請時点の単価が適用されるため、ブローカー等のとりあえず申請だけした「枠取り」が問題になっています。

経産省は悪質と判断した申請を次々取り消していますので、取り消されては困ると焦って、転売先計画が固まっていないのに見切り発車したのかもしれませんね。

>投資詐欺

確かにそうですねぇ。投資にはリスクがつきものであることを、再エネはリスク山積みであることを、再エネ推進派はしっかり説明するべきですね。


  1. 2014-07-08 20:13
  2. URL
  3. no-risu #-
  4. 編集

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