2014-09-22 19:32

訴状を見たらコメントするの?


「訴状を見ていないのでコメントできない」

企業や行政機関が訴訟を起こされると、マスコミは当事者にコメントを求めるが、必ずと言って良いほど「訴状を見ていないのでコメントできない」といった答えが返ってくる。そして、マスコミは律儀に「『訴状を見ていないのでコメントできない』としている」などと書く。

聞き飽きた。その情報は要らんでしょ?(笑)。

「訴状を見ていないのでコメントできない」と言うのなら、「じゃあ訴状を見たらコメントするんだな?」と思うのが自然だ。しかし、実際に訴状が届いた後で取材すれば、「弁護士と相談中なので」とか、7「訴訟中なので」とか、何だかんだでコメントしない。

どのタイミングで問いかけても無駄で、要は最初からコメントする意思が無い。微塵もコメントする気が無いくせに、「本当はコメントしたいのです!」、「でも訴状が届いてないからコメント出来ないのです!」、と言わんばかりなのである。

アホらしい。人を小馬鹿にした逃げ口上・責任逃れ・誤魔化しにはうんざりだ。何故、マスコミは回答の分かりきった質問を繰り返し、想像通りに得られた無意味な結果を記事に書くのか。何故、もう一歩踏み込んで質問しないのか。

毅然と斬り込め。「訴状が届いたら改めて取材してやる、弁護士と相談する前に連絡を寄こせ」とでも言えば済む話だ。どうせ相手はOKしないから、「最初からコメントする気は無かったんでしょ?」と睨み付けてやれ。

日頃は説明責任に過敏なマスコミ様が、どうして訴訟案件ではこうも手ぬるいのか。「『訴状を見ていないのでコメントできない』としている」ではなくて、「『訴状を見ていないのでコメントできない』とお決まりの方便で逃げた」と書けばよろしい。

なお、上記のマスコミから週刊誌は除く。週刊誌の場合は意味があって、「コメントできない」を逆手にとった追及がお約束のパターンだ。「白状しないなら本誌が暴露する!」、みたいなね。こちらは何の問題も無い。推奨したいくらいだ(笑)。




毎日:津波対応:釜石市を提訴…防災センターの犠牲者遺族
http://mainichi.jp/select/news/20140909k0000e040211000c.html
 東日本大震災の津波で、岩手県釜石市の鵜住居(うのすまい)地区防災センターに逃げ込んだ市民が犠牲になったのは、本来の避難場所でないことを市民に周知しなかったためなどとして、遺族2組が9日、市に計約1億8400万円の損害賠償を求めて盛岡地裁に提訴した。推定200人以上が犠牲になった同センターを巡る提訴は初めて。
 訴えた1組は、母親(当時71歳)を亡くした息子(45)ら計3人で請求額は約9100万円。もう1組は妻(同31歳)を亡くした40代の夫ら計3人で同約9300万円。
 訴状などによると、同センターは震災8日前に市の津波避難訓練場所になるなどたびたび使用され、市民に避難先との誤解を与えた。実際に過去の大きな地震で多数の市民が身を寄せた際も、市は正しい避難場所を知らせる義務を怠ったとしている。同センターの被災に関し、市が設けた調査検討委員会も「市の行政責任は重い」と結論づけている。
" 市は「訴状を見ていないのでコメントできない」としている。
 国家賠償法に基づく損害賠償請求の時効3年が過ぎているが、遺族らは3月、市に対して提訴の意思を通知し、6カ月時効が延びていた。【中田博維、春増翔太】"





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コメント

こんばんは。

「訴状を見ていないからコメントできない」
「担当者がいないから分からない」
何かあるといつも目にする文言ですが、取材する方も取材する気がないか、下手に探ると自分に火の粉が降りかかると思っているかと思う次第です。報道しない自由というやつでしょうか。
記者連は橋下市長や北陸の焼肉チェーン店の社長などには横暴な態度ですが。
  1. 2014-09-22 20:33
  2. URL
  3. koguma #-
  4. 編集

To kogumaさん

こんばんは。

素朴な疑問なんですけど、昔から不思議だったんですよね。
こう書かなきゃいけない業界ルールとかあるのでしょうかねぇ。

橋下市長や焼肉エビス、あの辺は「訴状が~」とは言わない気もしますが、確かに容赦はない。あの差は何なんでしょう。何となく、なんでしょうかねぇ。


  1. 2014-09-22 21:07
  2. URL
  3. no-risu #-
  4. 編集

コメントつける時期を逸しました。

なんか色々考えてしまうエントリーでして、遅くなってしまいました。
エントリーの本旨である、「訴状がないので…」については、私もシンプルに同意できるお話でして、「では訴状が届いたらコメント頂けますね?」という掟やぶりの突っ込みを見せる記者の登場を期待したいです。

引用された記事が中々重い内容でして…

釜石市鵜住居地区は、学校管理下にあった小中学生が地震直後に見事な率先避難を行い、地元の保育園や一般の人たちをも巻き込む形で自分達の命を守りきったという「釜石の奇跡」の正に地元なんですよね。
だから中学生のお姉ちゃんは高所への避難で助かったのに、自宅にいておじいちゃんと一緒にセンターに逃げた修学前の弟さんは亡くなってしまったという。悲劇が沢山あるそうで…
普段からきちんと訓練していれば、助かった筈だという事に、地元の人達は打ちのめされている気がします。
行政を責める声はあるでしょうし、責められるのは仕方ないのですが、何よりも自分達を責める気持ちが強い気がします。
津波の後、センターで発見された遺体は60人余り、流された人も合わせると200人位がここで亡くなったと推測されていますが、行政提訴に至ったのがたった2家族のみという記事から感じたことです。
いざというとき、人間は普段の訓練以上の事は出来ません。訓練のでき具合を100としたら、強大なプレッシャーにされされる災害本番では60~70出来れば御の字だと思います。
だから普段からちゃんと備えようねという結論なんですが、実際にはこれがとても難しい訳ですね。

以前私のコメントに、死ぬときは死ぬでしょうがないという旨のお返しを頂きました。
普通のお考えだと思います。私の周りの職場の上司、部下、家族とも、皆同じことを言うわけです。勿論3.11以前の私も一緒になって言ってました。
話に乗ってくるのは防災ボランティア仲間とか、企業、行政でその役目を持っている人達だけです。
当たり前の話なんです。誰が自分の貴重な時間を使って好きでもない訓練等を受けるものですか、忙しいのに。
私の場合は、3.11以降ちょこっとだけやってみようと加わった募金活動でスイッチが入ってしまった訳で、こんなに防災に前のめりになるとは思いもしていませんでした。
人生分からないものです。
  1. 2014-09-26 16:32
  2. URL
  3. もらもら #Fldqm66o
  4. 編集

To もらもらさん

こんばんは。

引用した記事はたまたま目についただけで、内容についてどうこう言う気はありません。仰られるように非常に重い問題で、外部の我々が軽々に口出しすることは難しいですよね。

本件では元々自治体側も瑕疵を認め謝罪しており、責任の所在が明らかな相手を責めたくなる遺族の気持ちは理解できるのですが、しかし同じ震災被害者なのに訴訟を起こすのはどうなのよ、たられば理論で傷をえぐりあうのはどうなのよ、等々と考える次第です。

防災に前のめりになる、決して悪いことではないと思いますよ。むしろ立派なもんです。私はやりませんけどね。それどれ思うようにすればいいと思います。ただ、自分の選択が悪い結果を招いたとき、その責任を他人に転嫁することはしたくないと思います。

実際に遺族にならなければ断言なんて出来ないですけど、私なら自治体の避難訓練を責めたりはしないと思います。元々、自治体の避難訓練なんて信用していませんし。本当に大切なことは、自分の決断が全てで、他人に委ねること自体が間違いだと思います。


  1. 2014-09-26 21:53
  2. URL
  3. no-risu #-
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