2014-09-24 21:39

役人は庶民のケツまで心配しなくてよろしい

もう10年前の話だ。

職場の先輩がコイコイと手招きするのでホイホイついていくと、机に立派な白身魚のサクが置かれていた。魚は「サットウ(アブラソコムツ)」。深海魚の一種で非常に美味だが、絶対に市場流通しないレア物らしい。そいつを食わせてくれると言うのだ。

「絶対流通しない」とは大袈裟だが、そんなに珍しい魚をタダで食べさせてもらうのは気が引ける、仕入代金くらい支払いますと言ったが、先輩は「仕入れ値はタダ」と言う。理由を聞けば、サットウはその有害性から市場取引が禁止されているらしい。

有害成分とは脂質だ。サットウの油は人体が吸収できず、食べ過ぎると下痢になる可能性が高い。だから市場流通が禁止され、でも美味しいから、捕獲されると漁師らが仲間内で食べちまうそうだ。今回は、行きつけの魚屋から無料で入手したとのこと。

「美味しいが下痢になる、そのリスクを承知するなら食べて良し」。no-risuは思った。「脂質が吸収されない=それって低カロリーじゃん」。いただきま~す!。


サットウ

クセが無く濃厚で甘くてさらりとした脂質、口に広がる豊かで上品な旨味、はっきり言ってかなり美味い。同様に呼ばれた何人かとバクバク食べまくっていると、先輩から「お前ら下痢間違いなし(笑)」の太鼓判を押された。が、結局は誰もなんともなかった。

さて、名古屋市中区の名古屋コミュニケーションアート専門学校で、エコ・コミュニケーション科の海洋環境講師が生徒に「バラムツ」を試食させたそうだ。バラムツはサットウと似た魚で、とても美味しいが、同じ理由で市場取引が禁止されている。

勘違いしてはいけないが、市場取引が禁止されているだけで、自己責任で食べることまでは禁止されていない。生徒にとっては貴重な経験で、わざわざ手に入れて試食させてくれた海洋環境講師はなかなか話の分かる御仁である。

ところが、試食の話がどこからか漏れ、名古屋市の保健所が「有害な魚を食べさせたのは問題だ」と調査に入った。同校は「行き過ぎがあった」と認め、名古屋市に再発防止策を提出したらしい。まあ、学校側とすればいた仕方の無い措置だ。

しかし、講師は試食にあたりリスクについて説明し、さらに経験上問題ないと判断される量(親指の先くらい)を提供している。厳密には食品衛生法違反でも、漁師らが普通に食べている魚を僅かばかりふるまったくらいで、一々保健所が出しゃばるなと言いたい。

下痢になる恐れがある?。余計なお世話だ。役人にケツの穴の心配までされたくない。ユッケ・レバー騒動もだが、庶民がリスク承知で楽しんでいる食い物にお上が口出しするべきではない。注意するくらいなら構わないが、法規制など言語道断である。

そして、行政よりもたちが悪いのが、マスコミを筆頭とした食品問題が起きる度に行政責任を追及するアホ共だ。本件だって何故保健所にバレたのか。どうせ誰かがチクったに決まっている。チクられたら保健所も動かざるを得ない。

お前らが安易に行政批判するから、行政は批判に応えて、あるいは批判されないように、規制に乗り出すのである。そして、庶民は密やかな楽しみを奪われるだけで、結果として誰も幸せにならない。いったい、誰のため何のための規制なのか。

今回のバラムツ騒動について、「あれは美味い!」とか「ちょっとくらい良いじゃないの」といった記事は皆無だ。一様に「食品衛生法違反はケシカラン」といった論調だ。少しは疑問を持てと言いたい。だいたい、マスコミだって今までに何度も紹介してきただろうが。

no-risuの記憶では、探偵ナイトスクープや鉄腕ダッシュや旅グルメ番組などで、バラムツ・サットウが「美味い美味い」と食べられていた。テレビと芸人・芸能人はOKで、専門学校の生徒はダメなのか。そんなわけあるか。両方ともOKなのである。

食うべし食うべし、機会があれば積極的に食うべし。サットウは美味いのである。しかも販売禁止だから値段はタダ。タダより高い物は無いと言うが、「下痢になる恐れ」なんて対価なら安いもんだ。




朝日:「下痢の恐れ」バラムツ、専門学校で試食 説明し任意で
http://www.asahi.com/articles/ASG9M5ST7G9MOIPE028.html
 名古屋市中区の名古屋コミュニケーションアート専門学校で7月、下痢などを引き起こす恐れがあるとして国が食用を禁止している有害な深海魚のバラムツを、学生約50人に試食させていたことがわかった。健康被害は確認されていないが、同校は「行き過ぎがあった」と認め、今月中旬、名古屋市に再発防止に努めることを伝えた。
 厚生労働省によると、バラムツには人が消化できない脂質が含まれ、食べると、意識しても止められないほどの下痢になる恐れがある。どれだけ食べると中毒になるかは分かっていない。東京都内の煮付けによる集団食中毒を受け、1970年以降、食品衛生法で販売や多数の人に与えることなどが禁じられている。
 食べさせたのは、エコ・コミュニケーション科で海洋環境などを教える30代の男性講師。同校と講師によると、7月2日、学生約60人に深海魚について教える際、煮沸した、親指の先ほどの大きさの切り身を60個用意した。事前に下痢になる恐れなどを説明し、任意で約50人が食べたという。
 講師は「バラムツに脂の量が多いことを知ってほしかった。見たり触ったりでは判断できない。与えたのはわずかな量で、経験などから症状は出ないと考えた」という。バラムツは講師の母校である三重大学の練習船が実習で捕獲し、「不要物として扱った」(船長)もの。講師は知人の乗組員を通じて、入手したという。
 名古屋市食品衛生課は「有害な魚で、本来は排除されるべきもの。勧めて食べさせたのは問題だ」と指摘。学校側は9月16日、事実確認に訪れた中保健所の職員に、再発防止を図る考えを伝えた。
 同校は8月下旬までに、バラムツを食べた学生の健康状態を確認し、中毒症状がないことを確認した。鶏徳尚雄校長は「講師らには日頃から安全教育をするよう言ってきた。体験教材として食べさせたのは行き過ぎで、今後は避けるよう指導監督していきたい」と話した。
 バラムツは、ルアーで釣りを楽しむ人たちがいるほか、遊び半分に食べて下痢になる様子をインターネット上に載せる人もいる。(嶋田圭一郎)



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コメント

みんな人の精にして誰も自分手腹を下さない

こんばんは。

うちでは買ったものが冷蔵庫で賞味期限をかなり越してしまっても、くんくんして大丈夫そうなら平気で食べています。長期の保存でうまいかまずいは別です。
食中毒菌などが混入したのならともかく、地元民が食らっている少々怪しいものを だまされて売りつけられたのではなくどこからか仕入れた消費者が食ってもそれは自己責任でしょうに。
上記のように、うちは日々自己責任です。

保健所や消費者庁、厚労省、経産省という所は、食や製品の安全を確保する大義名分のもと、必要な時には動かずまたは蟻の如くの歩みで、どうでもいいところには速攻でうるさいと。
アンゼンガー、アンシンガーと何にでも雄叫びを上げる方々や、それを窒素リン酸カリの如く肥やしにするマスコミも荷担しているのでしょう。

皆さんもう少し知識を得て、自分の五感を信じてもいいのではないのでしょうかねえ。
  1. 2014-09-24 22:07
  2. URL
  3. koguma #-
  4. 編集

To kogumaさん

こんばんは。

賞味期限なんて、少々過ぎたところでどうってことありませんよね。ああいうのは、余裕を持たせて設定されているもんですし。

役人は責任を取らされることが大嫌いな生き物ですが、その役人の責任を追及するのが大好きなのがマスコミや消費者団体等で、それぞれのツケを払わされるのが私達庶民なんですよね。黙ってろと言いたいですね。

昔もこんな社会だったら、日本の食文化にフグ料理が生まれることも無かったでしょう。銀杏も禁止されたかもしれません。食い物くらい好きにさせてほしいもんです。


  1. 2014-09-24 22:34
  2. URL
  3. no-risu #-
  4. 編集

これは昔普通に食っていたものです。

アブラソコムツはいわゆる新資源として10年位前まで普通にほか弁に入っていたものです。
脂の処理をきちんとすれば腹を下すことはそうなかったはずです。バラムツほどは悪い脂が多くなくたいてい大丈夫なことが多いのです。あと時期や大きさなどで変わるようでその辺りはよく分かっていないはずです。

ところがこれを白身魚のフライとかという名目で出してきた所誰かがタラと偽装して売りだしたため問題になり、ついにはその脂が問題とされて禁止魚になったものです。

これもなんかの市民団体とやらが行政に取り締まりを要求したものです。
まあ馬鹿な話です。

自由ということが大好きな連中が自由をどんどん狭めてるんですから。
  1. 2014-09-25 20:26
  2. URL
  3. kazk #-
  4. 編集

To kazkさん

こんばんは。

>アブラソコムツはいわゆる新資源として10年位前まで普通にほか弁に入っていたものです

それは知りませんでした。私が食べたのは規制されて間もない頃だったんですねぇ。

刺身で食べたんですけど、確かにフライにしても美味しそうなイメージです。冷めてもいけそうで、お弁当向きかもしれませんね。規制されていなければ、今頃は回転寿司でも人気メニューになっていたかもしれません。

>自由ということが大好きな連中が自由をどんどん狭めてる

名言ですね、いつかパクらせていただきます(笑)。

  1. 2014-09-25 21:12
  2. URL
  3. no-risu #-
  4. 編集

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