2014-11-01 20:27

メディアのカジノ反対論に説得力が無い理由


自民党が推進するカジノ。このほど自民・維新・生活が推進法案を提出した。このことについて、多くのメディアがカジノに否定的な声を上げている。ギャンブル依存症が増える、犯罪の温床になる、それら弊害の対策費が利益を圧迫する、といった理由だ。

しかし、マスコミのカジノ反対論には説得力が全く無い。何故ならば、パチンコ・パチスロには反対しないからだ。パチンコ・パチスロの依存症や各種弊害を黙殺しておきながら、カジノだけの危険性を訴えられても誰が納得するだろうか。

しかも、カジノの弊害は将来的な問題であるのに対し、パチンコ・パチスロの弊害は今そこにある。賭博の危険性を主張するのであれば、何よりもパチンコ・パチスロをやり玉に挙げねばなるまい。ところが、「何故か」パチンコ・パチスロは批判しない。

朝日新聞は20日のカジノ反対社説で、「厚生労働省によればギャンブル依存症は536万人もいる、他国と比べても高い水準だ」と書いた。「すでに536万人も依存症がいるのに、カジノのせいでさらに増加するのは問題だ」、と言いたいわけだ。

しかし、すでに存在する536万人の依存症患者については問題視していない。朝日新聞らカジノ反対メディアにとって、カジノで増加する依存症は悪い依存症で、パチンコ・パチスロ依存症は放置して構わない依存症なのだろう。ふざけた話だ。

カジノ反対派メディアは決して報じようとはしないが、パチンコ・パチスロのせいで日本はすでに世界に冠たるギャンブル大国だ。

日本の賭博産業規模は、2013年度の粗利ベースでおよそ5兆円(社団法人ギャンブル依存症を考える会)。内訳は、大きい順にパチンコ・パチスロ3兆4300億円、競馬6000億円、宝くじ5400億円、競艇2500億円、競輪200億円、となっている。

世界最大のカジノはマカオだが、こちらの粗利益が4兆6000億円だ。2番手のラスベガスは6600億円、3番手のシンガポールは6200億円だ。日本の賭博産業がいかに巨大かが分かる。そして、中でも圧倒的シェアを誇るのがパチンコ・パチスロだ。

この巨大賭博産業の存在を無視して、「日本も賭博(カジノ)を解禁すべきか否か」を論じる愚かしさ。カジノに反対するのなら、パチンコ・パチスロに反対しろと言いたい。パチンコ・パチスロ依存症患者について、本気で社会に問題提起しろと言いたい。

ところが現実は、カジノに反対するマスコミがパチンコ・パチスロ業界と癒着している。新聞を定期購読していれば分かると思うが、毎日のようにパチ屋の広告チラシが織り込まれている。依存症患者の増加に一役買っているのがマスコミだ。

薄汚れたパチンコマネーの恩恵を受けながら、偉そうにカジノの弊害を説教するとは何たる恥知らずか。そして、そんな恥知らずなマスコミに限って、自民党のパチンコ・パチスロ規制の功績については報じない。

かつて、パチスロ機は著しくギャンブル性を高めた「ストック機」が開発され、業界は我が世の春と言わんばかりにボロ儲けしていた。業界のボロ儲けとは、すなわち客のボロ負けを意味する。このストック機に規制をかけたのは自民党だった。

2004年に小泉内閣が規制を始め、2007年の安倍内閣で完全に潰した。結果、中小のパチ屋が次々と潰れ、規制以降のパチンコ・パチスロ遊戯人口は減少の一途を辿っている。だが、業界は規制をかいくぐり、新たな極悪ギャンブル台を開発した。

それが、ここ数年で一気に普及した「ART・AT機」と呼ばれるパチスロ機だ。詳しい仕様は説明を省くが、2007年以降に比較的穏やかなギャンブルとなったパチスロが、かつてのストック機時代以上に危険なギャンブルとして息を吹き返した。

しかし、そんな小細工を許す安倍自民党ではない。さっそく規制に乗り出し、「ART・AT機」は来年以降に一掃される予定だ。マスコミがパチンコマネーの蜜を吸っている間にも、自民党は着実に賭博対策・依存症減らしの手を打っているのだ。

自民党の賭博潰しについて、マスコミはエールを送るどころか、国民に伝えることすらしようとしない。逆に、「カジノ(賭博)を推進する自民党」と批判を続けている。国民の知る権利とは何なのか、どの面下げて特定秘密保護法に反対出来るのか。

カジノ議論の根本は賭博であり、日本にはパチンコ・パチスロという巨大な賭博産業が存在する。パチンコ・パチスロを無視する限り、どんな正論で取り繕ってもカジノ反対論に説得力は無いし、反対する資格も無いのである。




朝日:カジノ法案―懸念材料が多すぎる
http://www.asahi.com/paper/editorial.html
 自民、維新、生活の3党が出したIR推進(カジノ解禁)法案が成立するかが今国会の焦点となってきた。私たちは社説でカジノ解禁に反対してきた。世論調査でも反対が賛成を大きく上回る。カジノがもたらす害については、徹底した議論が不可欠だ。推進派は、20年の東京五輪に間に合わせたいとするが、拙速に成立させるべきではない。
" 最も懸念されるのは、ギャンブル依存症の問題である。
 厚生労働省の研究班は8月、依存症の疑いがある人が成人の5%弱、536万人にのぼる、との推計を公表した。他国と比べても高い水準だという。"
" 推進派の議員連盟はこれを意識し、日本人のカジノ入場に関して必要な措置を政府が考えるよう、法案の修正を決めた。
 ギャンブル依存症は世界保健機関(WHO)が精神疾患の一種と位置づける国際的な問題である。日本人だけ入場を厳しくすれば済むという話ではない。"
" カジノを解禁した各国も、依存症対策に苦心している。
 シンガポールは、地元住民には8千円程度の入場料を課し、本人や家族の申し出で立ち入りを制約する制度を設けた。それでも対象者はこの2年間で2倍以上増え、21万人を超えた。
 全国に17あるカジノのうち、国民が入れる場所を1カ所のみとしている韓国でも、依存症の増加が社会問題化している。"
 「国内で依存症が多いのはパチンコ・パチスロや、競馬、競輪などの公営競技のため。カジノが加わっても変わらない」との声も聞かれる。推進議連は、カジノの収益の一部を依存症対策にあてる考えも示している。
 賭博として禁じられていないパチンコや公営競技が引き起こす依存症には、国としての対策が急務だ。だが、それはカジノ解禁を急ぐ理由にはなるまい。
 カジノに前向きな安倍首相はその理由として「観光振興、雇用創出の効果は非常に大きい」と国会で述べた。ただ、依存症対策などに必要な社会的コストを上回るほどの経済効果は本当にあるのか。
 カジノの収益の本質は、客の負け分である。日本進出に意欲的な外国資本は、中国や東南アジアからの観光客以上に、約1600兆円といわれる日本人の個人資産に注目している。カジノで一見カネが動いても、海外に吸い上げられるだけではないか、との懸念がぬぐえない。
 目先の利益ではなく、日本にとって長期的にプラスになるかを考える。そういう姿勢を、推進派に強く求めたい。






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コメント

こんにちは。

>ジノで一見カネが動いても、海外に吸い上げられるだけではないか、との懸念がぬぐえない。

パチンコマネーが北に流れている懸念は無視なんですね。

最近マルハンなどはTVCM等でパチンコ屋であることを一切出しませんし。マスコミはパチンコ関係者を総合娯楽産業の○○さんと呼びます。バチに無縁な人は一見何屋なのかは分かりません。彼等も後ろめたいのは重々承知なのでしょう。
  1. 2014-11-02 06:39
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  3. koguma #-
  4. 編集

こんにちは。

レジャー白書によると、2013年度におけるパチンコの市場規模は約18兆8千億円だそうです。単純な比較でいうと、スーパー(約12兆円)やコンビニ業界(約9兆円)よりまだ大きいということになります。
ちなみに、日本が世界に誇るアニメ、ゲーム産業の市場規模は約1兆円、レジャー産業は約5000億円、出版は約1兆7000億円だそうです。パチンコ業界が如何に利権渦巻く「伏魔殿」かが良くわかります。

「目先の利益ではなく、日本にとって長期的にプラスになるかを考える」のなら、パチンコを規制したほうが余程効果的だと思うのですが、朝日新聞にとってはそうではない様ですね。

警察官僚みたいに天下り先でも狙っているのかしら(笑)
  1. 2014-11-02 11:13
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  3. cn2100 #-
  4. 編集

To kogumaさん

こんばんは。

マルハンなんかは毎年韓国に何億だか(数千億円だったかな)を支援しているそうですね。それについてはマルハン会長のインタビューを読んだ記憶があります。吸い上げられてますねぇ。

娯楽、またはアミューズメント、彼らはそう自称しますね。まるでゲームセンター扱いです。だったら高校生とか未成年も入店させてみろと(笑)。


  1. 2014-11-02 22:50
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  3. no-risu #-
  4. 編集

To cn2100さん

こんばんは。

少し前、「20兆円規模を切った」ことが業界で騒がれていました。ざまみろと。ちなみに、本文にかいた粗利益はレジャー白書の売り上げから推定利益率で算出した数字です。パチ屋は正確な利益率を公表していませんからね。

で、そこまで巨大な産業が政官マスコミにマネーを供給しているわけですから、これは中々粛清されませんよね。なのに、よく自民党は規制強化に乗り出せているもんだと感心してしまいます。

ただ、朝日新聞様のエリートはパチンコ業界には天下りしないと思います。大学とかテレビとか専門誌とか、そういうインテリジェンスな仕事に再就職するんじゃないでしょうか。プライド高そうですし。

朝日より、やけにパチ業界情報を大切にしている産経の方が怪しいですね。産経は金が無いですし(笑)。

  1. 2014-11-02 22:57
  2. URL
  3. no-risu #-
  4. 編集

おはようございます。

ご指摘はごもっともで全面的に賛成です。

ただし、カジノが成長戦略の目玉、とする自民の主張には全く同意できません。

価値観として受け入れがたい上に、もっと緊急的に、且つまじめに議論すべき経済政策が他にある中、「なぜカジノ」?意味が分かりません。

カジノ法案共々、パチンコ業界は葬るべきと思います。
  1. 2014-11-04 09:50
  2. URL
  3. toshita1967 #-
  4. 編集

ART/AT自体は別に極悪でも何でもありません。
それらは今後も別に無くなりませんし、網をかけたのは自民党でもありません。
パチンコ憎しも自民党愛も良いですが、放射脳と同じく「その筋の人々」が言うような情報だけ得ているとこうなります。
少し勉強して書かれた方が恥をかかないと思いますよ。
  1. 2014-11-04 15:13
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  3. うーん #-
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To toshita1967さん

こんばんは。

カジノについて、私は「やりたきゃやってみれば?」くらいの感覚です。そこそこ利益は出そうだと思いますし、基本的に赤の他人がギャンブルで負けようが破滅しようがどうでも良いです(笑)。パチ屋に儲けさせるのが許せないだけで、ギャンブルにはそこそこ寛容です。

ただ、経済政策の目玉にするのは馬鹿げた話で、経済成長に繋がるようなシステムではないだろうとは思います。アベノミクスでもおまけ的な扱いだと考えていましたが、推進派には悲願ですから目玉と言いたいのでしょうね。


  1. 2014-11-04 19:43
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  3. no-risu #-
  4. 編集

To うーんさん


こんばんは。

そこまで言うなら少しは具体的にご教授いただきたかったです。

私は4号機時代にスロッターで、5号機も途中まで打っていました。現行ART・AT機は、千円あたり回転数や出玉契機や設定推測要素など、スペックを見れば明らかに極悪です。

客もキツいと感じているから、客離れが止まらず、店は新台入れ替えの頻度を上げているのではありませんか?。極悪ではないとか、私には理解出来ません。

ストック(それとAT)機規制の発端は、賭博性を高めすぎたスペックで公安に目を付けられ、お上主導の厳しい規制を恐れた業界が、防衛策として自主規制を敷いたものです。

業界マネーに集る政治家も多い中、公安が議員を無視して業界を脅すとは思えず、少なくとも与党(=自民党)関係議員の承認を得ていたと考えるのが自然でしょう。

そして、所詮は業界主導のお手盛り規制は甘すぎて、結局は恐れていた検定基準の変更がなされました。検定は保安通信協会ですが、協会はたかが一財団法人に過ぎず、業界の死活問題となる検定基準を独断で変更するとは思えません。

そもそも、保通協は監視団体でも風紀委員でもありませんし。やはり、最低でも関係議員の承諾くらいは得ていたと考えるのが自然です。

現行ART・AT機の今後についてですが、こちらは検定方法が順押し固定に変わったので、押し順管理の現行スペックでは機械割りが低すぎて検定に通りません。本文で「来年以降」と書いた通り、検定切れとなった台から撤去され、新たに検定も通らないので、来年以降順次消えていくはずですよ。

かつてストック機がそうであった様に。

  1. 2014-11-04 19:53
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  3. no-risu #-
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