2014-12-01 20:13

議員らが身を切っても国民の暮らしは楽にならぬ


先月の話だが、維新の党の江田共同代表が公演先の富山で「国会議員定数の大幅な削減や、公務員の給与カットをはじめとした、身を切る改革を徹底して行う」と述べたそうな。「身を切る改革」。マスコミもよく必要性を主張する改革だ。

「まずは政官が率先して身を切れ!」、江田やマスコミは言う。議員定数を削減せよ、議員歳費や国家公務員給与を減額せよと要求する。つまり「誠意を見せよ」と主張している。しかし、これは本当に国民のためになることなのか。

断言するが、議員や国家公務員が身を切っても国民の生活は楽にならない。楽になるどころか苦しくなる。何故ならば、「身を切る改革」とは「痛みの共有」であり、政官が誠意を示したあかつきには、いよいよ国民負担が待ち受けているからだ。

民主党の野田政権は実際にコレを実行した。公約を反故にして消費税増税を宣言したとき、議員の歳費と期末手当を1人当たり270万円/年を2年間、国家公務員給与の平均8%カットを2年間を実施し、政官共に身を切らせた。

表向きは復興財源だが、あんなものは内側の人間を黙らせる方便で、明らかに消費税増税から批判の矛先を逸らす措置だった。実際、復興予算は使い切れないほど潤沢に用意され、政官が身を切らなくても何も問題は無かった。

マスコミの追及も止まった。消費税増税は既定路線となり、安倍政権で5%から8%にあっさり増税された。マスコミは、かつてほど「まずは政官が身を切れ!」といった批判はしなかった。すでに身を切る誠意が示されていたからだろう。

しかし、我々国民が何時その様な約束をしただろうか。政官が身を切るなら我々も国民も痛みを受容する、そんな考えの国民がどれほどいるのか。

今回の衆議院選挙で、民主党は消費税増税の延期を掲げている。マニフェストによると、延期理由の一つに「議員定数削減が未実施だから」とある。要は、「まだ身を切っていないから反対」、「議員が身を切ったら増税するぞ」、と言うわけだ。

プロレスである。国会議員が国民負担となる政策を立案し、国民の代表者面したマスコミが「まずは身を切れ」と勝手な交換条件を示し、政官が誠意を見せれば国民負担が実現する。この過程に国民は不在で、出来レースを見せられている様だ。

身を切る改革なんて、大衆の溜飲を下げるためのパフォーマンスに過ぎない。まさに衆愚政治であり、議論されるべき本質とはかけ離れている。議論の本質とは、政官の誠意などではなく、国民負担を求める政策の妥当性だ。

政官が身を切って、その代わりに国民にどの様な負担を求めているのか、国民の暮らしはどう変化するのか、それが何故必要なのか。目くらましの切腹パフォーマンスで誤魔化さず、政治家もマスコミも正面から説明しろと言いたい。

少なくとも、「身を切る改革」なんぞで国民の生活は楽にならないことは明言すべきで、それに固執する政治家の胡散臭さを国民に知らしめるべきだろう。国民が知りたいのは、国民生活を良くするための政策であり政治家なのだから。




NHK:江田共同代表「身を切る改革など推進を」
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20141122/k10013416151000.html
 維新の党の江田共同代表は富山県砺波市で講演し、衆議院選挙では国会議員定数の大幅な削減などの身を切る改革や、規制改革の推進を訴えていく考えを強調しました。
 この中で維新の党の江田共同代表は「安倍総理大臣は、消費増税に向けて国会議員の定数を削減すると言ったのに巨大与党を擁しているにもかかわらず、何もやらなかったし、やる気もなかった。約束破りであり、今回の衆議院の解散は国民そっちのけの自己都合解散だ」と批判しました。
 そのうえで、江田氏は「維新の党は、国会議員定数の大幅な削減や公務員の給与カットをはじめとした身を切る改革を徹底して行う。安倍政権は、アベノミクスの第3の矢である規制改革を全くできておらず、しがらみのある自民党にはできない。維新の党にしかできない本当の改革を行っていくことを訴えたい」と述べ、衆議院選挙では国会議員定数の大幅な削減などの身を切る改革や、規制改革の推進を訴えていく考えを強調しました。






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コメント

おはようございます。

ご指摘、全くその通りだと思います。
国民負担とのバーターとのご指摘に加えて、このデフレの環境下、唯一積極的に投資・消費ができる主体である政府が歳費を削ることそれ自体が名目GDPの減少、ひいては税収の減収に直接つながる愚策です(議員歳費削減自体の金額は無視するほど小さいものの方向性としては名目GDP減であることは間違いありません)

この延長線上に公共事業の削減もあります。
企業経営や家計と国の運営は違う、とどうして誰も気づかないのでしょうか?

この点、このクルーグマン教授の指摘は大変参考になります。

http://gendai.ismedia.jp/articles/-/41017

  1. 2014-12-02 08:39
  2. URL
  3. toshita1967 #-
  4. 編集

To toshita1967さん

こんばんは。

今日のニュースで、維新の江田が「公務員人件費2割削減して5兆円生み出します!」と述べていたことが報じられてました。まるで化石の様な公約ですが、これを支持する人も大勢いるんでしょうねぇ。

国の会計について、私も詳しくしったのはブログを始めてからなので、あまり他人のことをとやかく言えません。しかも、知れば知るほど複雑怪奇で、BS読むのも一苦労です。

こういうことこそ、メディアに分かりやすく説明してほしいですよね。

クルーグマンのリンク、ありがとうございます。後で読もうと思うのですが、アドレスにある「gendai」の文字がすごく気になります(笑)。

  1. 2014-12-02 20:08
  2. URL
  3. no-risu #-
  4. 編集

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