2014-12-24 21:39

安定供給の重要性


蛇口を回せば水が出る。スイッチを入れれば電灯がともる。コメ・ニンジン・タマネギ・ジャガイモ・カレールー・肉・魚、主要な食材や定番のお菓子などは、いつどこのスーパーでも陳列されている。新聞や週刊誌は、発売日に全国のコンビニや書店に並ぶ。

私達はそれが当たり前だと思っているが、これは「安定供給」を支える関係者の努力で成り立っている。生産者は生産量を確保し、物流業者が絶え間なく輸送し、販売店は多様な確保手段を模索し、安定供給のサプライチェーンを構築している。

この安定供給が崩れると、社会に多大な不都合が生じる。もし給油でスタンドに行って、「今日は売り切れました」と言われたら。もし夕飯にカレーを作ろうと買い物に行き、タマネギやニンジンが無かったら。もし風呂に入ろうとして水が出なかったら。

もし精密機械工場で突然停電したら。もし病院で薬が足りなかったら。しかし、私達はそれらの「もし」を心配せず生活してる。安定供給が、私達の生活や社会や文化や文明を支えている。日本にいると感じにくいが、安定供給は極めて重要なのだ。

ところが、こんなに重要な安定供給を蔑ろにする人々がいる。太陽光発電など、再生可能エネルギーの拡大を求める反原発派の方々だ。自然エネルギーの不安定さは誰もが認める明白な事実であるが、反原発派は不純な動機で推進活動を続けている。

動機が不純とは、反原発派の再エネ推進が、反原発という目的達成の手段に用いていることだ。環境保護でも化石燃料資源の節約でも産業育成でもなく、ただ反原発のために再エネを推進している。だから、再エネの有する課題も直視しない。

北海道新聞は21日、「原子力依存が再エネ普及を妨げている」とする社説を掲載した。

再エネ契約受付を中断した電力5社を批判し、「無制限に買い取るべきである」と主張している。電力5社は緊急時の再エネ受入れ抑制を条件に契約受付を再開したが、北海道新聞は「抑制しなくて済むように設備を増強しろ」と言う。「全量買い取れ」と。

つまり、電力会社に全ての責任を負わせて、生産者には無責任な発電を認めろと。しかも、無秩序に生産された再エネの買取単価は高額で、その費用は電力会社と国民が負担する。常識的に考えて、こんな一方的かつ歪んだ需給契約は成立しない。

そもそも、電力会社が再エネに躊躇うのは安定供給に問題があるからだ。再エネ法では、安定供給に支障が生じる場合、電力会社は買取を拒める。電力5社は再エネ法に基づいて契約受付を中断した。契約拒否と原発依存は関係無い。

だから、反原発メディアたる北海道新聞が電力5社の対応を問題視するのであれば、太陽光発電など自然エネルギーの不安定性の改善を提言するのが筋だ。なのに、不都合な再エネの弱点から目を背け、原発依存に責任転嫁する。

さらに、社説には「価格面で優遇された太陽光の急増は当初から予想されており、事態を放置してきた経産省の責任は重大」と書かれており、菅直人の独断専横と無計画な高値買取の弊害を無視し、欠陥制度の責任を経産官僚に押しつけている。

原発依存体質とか、経産官僚の怠慢とか、送電線設備の不足とか、一々外に責任を求めるなと言いたい。責任転嫁するなと。人のせいにするなと。アホかと。再エネが普及しない原因は、安定供給できない「再エネ自身の問題」にある。

再エネを普及させたければ、まずは安定供給するための技術を開発することだ。安定供給が可能になれば、再生可能エネルギーは自然と普及し、エネルギーのベストミックスにおける重要度も増し、そして原発依存度も低下していくのである。




北海道:再生エネルギー 原発依存が普及を阻む
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/editorial/581748.html
" 電力5社が太陽光発電の新たな受け入れを中断していた問題を受け、経済産業省は再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度の見直し案を発表した。
 電力会社が太陽光発電の事業者に対し、補償金を払わずに発電の抑制を無制限に要請できるようにし、抑制の対象設備を小規模な家庭用にも拡大する内容だ。 "
" 電力5社のうち、北海道、東北、九州の太陽光発電の受け入れ可能量は、国の認定を受けた設備の半分程度にすぎない。
 発電の抑制強化を受け、5社は受け入れを再開する見通しだが、事業者は買い取ってもらう量が減り、採算が悪化して計画の変更を迫られる恐れもある。"
" 価格面で優遇され、建設が容易な太陽光の急増は当初から予想されており、事態を放置してきた経産省の責任は重大だ。
 今回の見直しで、発電の抑制方式を1日単位から時間単位に改め、事業者に通信装置の設置を義務付けて遠隔制御を可能にする。"
" 天候に左右される太陽光や風力の活用にはきめ細かな制御が前提で、欧州各国では、こうした仕組みは常識だ。対応が遅く、場当たり的と言わざるを得ない。
 何より、再生エネを普及させるには、明確で高い導入目標と、将来の電源構成比率が不可欠だが、一向に示されない。これなくしては、事業者は展望を持てず、投資をためらうだろう。"
" 政府のエネルギー基本計画の再生エネ比率は、2030年に約2割を上回るという極めてあいまいな表現にとどまっている。
 2割は東日本大震災前の前回計画と同様のあまりに低い水準だ。しかも前回が原発比率を約5割としていたことを考えれば、非現実的とさえ言える。"
" 電力会社の再生エネ受け入れ可能量の妥当性にも疑問がある。
 電源構成比率の議論が先送りされているにもかかわらず、電力各社は保有する原発の稼働を前提に可能量を算定している。"
 これでは、再生エネの導入を最大限加速し、原発依存度を可能な限り低減させるとの政府方針とはあべこべに、原発依存度に合わせて再生エネの枠を絞るようなものではないか。
" 再生エネを「最大限」活用するには、送電網を拡充して受け入れに十分余裕のある大都市圏に送電する必要がある。
 送電網増強の議論を置き去りにして根本的な解決は図れない。政府の怠慢は目に余る。"







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コメント

こんにちは。
ようやくFITの綻びが出てきましたね。
国民的議論とやらを無視した孫得菅譲で決定されたので当然の結果ですが遅きに失しました。
  1. 2014-12-25 06:02
  2. URL
  3. 名無しクマー #-
  4. 編集

おはようございます。

大賛成です。
東日本大震災の際、電力だけでなく生活必需品の安定供給がいかに重要で、如何に繊細なシステムと関係者の多大な努力に支えられているか、我々は身を持って思い知ったはずなのに、「彼ら」は何を言っているのでしょうか?

もっというと、関係者が努力をしていられるのは「国家」という巨大なシステムが我々を保護してくれているからこそ、なのに「彼ら」はそれすらをも認識せず、否定しようとします。

そんな人たちは「世界市民」にでもなってこの国から出て行って欲しいと思います。
  1. 2014-12-25 09:41
  2. URL
  3. toshita1967 #-
  4. 編集

自然エネルギーの発電会社に自社の電気は自社で賄うよう義務付けたらどうでしょう。
使えもしない高い電気の料金を払いたくありません…
  1. 2014-12-25 12:27
  2. URL
  3. 大門 #-
  4. 編集

なんだこりゃ?

原発肯定
電力会社擁護のゴミブログかよ
  1. 2014-12-25 15:24
  2. URL
  3. 名無しクマー #-
  4. 編集

To 名無しさん

こんばんは。

>孫得菅譲

オリジナルですか?、これはうまい(笑)。

再エネ法の綻びはもう仕方ないので、今後は自民党がいかに綻びを繕っていくかに期待しましょう。

  1. 2014-12-25 20:07
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  3. no-risu #-
  4. 編集

To toshita1967さん

こんばんは。

つい最近だと、バターの品不足で大騒ぎしてましたよね。バターならケーキの味が変わるくらいで済みますけど、電気が不足したらどうなるのか。そのあたりのリスク評価をしたうえで、再エネの議論をしてほしいものです。

結局、バターだって国が緊急輸入して解消したわけで、これも「国家のシステム」なんですよね。彼らだってバターの話なら理解してくれると思うのですが、どうして原発になると当たり前の判断力を失うのか、ここは是非、彼ら自身に考えてもらいたいですねぇ。


  1. 2014-12-25 20:14
  2. URL
  3. no-risu #-
  4. 編集

To 大門さん

こんばんは。

たしかドイツだったかな、ちょっと記憶が曖昧ですが、あちらでは安価な既存電力と割高な自然エネルギー電力を、個々の家庭で洗濯できるシステムが導入されています。

日本も是非見習いたいですね。もちろん、私は安い方を選びます(笑)。

  1. 2014-12-25 20:20
  2. URL
  3. no-risu #-
  4. 編集

To 名無しさん

こんばんは。

せっかく原発縮小の道筋を示したのに、酷い言われ様ですねぇ・・・。

  1. 2014-12-25 20:21
  2. URL
  3. no-risu #-
  4. 編集

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