2015-02-18 22:06

所沢市エアコン住民投票の結果をミスリードするマスゴミ


2月15日、航空自衛隊入間基地に近い小中学校へのエアコン設置を求め、埼玉県所沢市で住民投票が投開票された。エアコン賛成5万7千票、反対3万票、投票率は32%だった。よって、住民投票は「エアコン賛成派の惨敗」という結果になった。

あれ?、賛成票の方が多いのに負けはおかしいでしょ?、と思われる方もいるだろう。実は、所沢市の住民投票条例においては、投票で多数派になるだけでは勝利条件を満たさない。所沢市における住民投票の勝利条件は次の2点だ。

1.投票で多数派になること
2.多数派の票数が有権者数の1/3以上であること


エアコン賛成派は、条件1をクリアしたが条件2はクリア出来なかった。所沢市の有権者はおよそ27万人だ。賛成派が勝利するには、9万票以上集めて多数派になる必要があった。そもそも、投票率32%の時点で敗北は確定していたわけだ。

「エアコン推進派の敗北」、これが住民投票の結果であり現実であり事実である。賛成票が反対票を上回っても、それは所沢市における住民投票の本質とは関係無い。

この住民投票では大きな教訓が示されたと思う。教訓とは、「市民あっての住民投票」ということだ。エアコン推進派には悪いが、この問題は多くの市民にとってはどうでもよくて、つまり元々住民投票には馴染まない問題だったわけだ。

馴染まない問題なのに強行した結果、有権者の7割が投票せず、住民投票は事実上の不成立となり、エアコン推進派の敗北という結果だけが残った。推進派の努力、かかった費用(税金)などは全て無駄になった。やらない方がマシだった。

さて、このことについて不可解な報道が目につく。どういうわけか、負けたはずのエアコン推進派が勝者かの様に扱われ、「市長は推進派の勝利を重く受け止めよ」などと報じられているのだ。

共同通信は推進派市民(共同代表の一人)の声を伝え、彼は「市長は誠意を見せよ(=エアコンを設置せよ)」と述べていた。また、東京新聞は社説で「エアコンが必要だ。埼玉県所沢市で実施された住民投票はそう結論を下した」とはっきり書いている。

明らかにミスリードだ。所沢市民は「エアコン設置に賛成しない」と判断した。「誠意を見せろ」とか「エアコンは必要」とか、負けたくせに何を言っているのかと。

他にも、賛成派の得票数が藤本市長の市長選での得票数より多かったことを挙げて、「そらみろ、エアコン推進派の大勝利だ!」といった報道が多数見られた。アホかと。無関係の数字を比較したところで、それは如何なる結論も生み出さない。

本件はさして難しい話ではない。しごく単純明快だ。それなのに、どうして多くのマスコミが事実に反する報道を垂れ流すのか。推進派の気持ちを汲むのは自由だが、住民投票の結果をねじ曲げては偏向報道・捏造報道の誹りを免れまい。

問題の発端が原発絡みだけに、他にも色々と言いたいことはあるが、せめて住民投票の結果くらいは正確に報道してくれないものか。




東京:エアコン問題 残念だった低投票率
http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2015021702000143.html
 自衛隊基地周辺の小中学校にはエアコンが必要だ。埼玉県所沢市で実施された住民投票はそう結論を下した。市長は重く受け止めねばならない。残念だったのは低投票率に表れた関心の薄さだった。
 対象となったのは、航空自衛隊入間基地に近い市立の二十八校だ。自衛隊機の騒音を防ぐため、教室に密閉性の高い二重窓を取りつけた防音校舎になっている。
 夏場に窓を開けるとごう音が飛び込み、閉めると猛暑に見舞われる。冷房設備がないと授業に支障が出るという子どもや保護者の言い分は、ぜいたくではあるまい。穏やかに学ぶ権利の保障を求めているにすぎない。
 同様の騒音公害に悩まされている近隣の入間市や狭山市では、エアコンの整備が進んでいる。義務教育現場の不平等はできる限り正したい。本来は国が前面に立って解決を図るべき問題だろう。
 所沢市は九年前、防音校舎二十九校にエアコンをつける計画を決め、一校には設置済みだ。行政サービスの継続性や教育環境の公平性を踏まえれば、計画の中止という藤本正人市長の決定はやはり強引すぎたのではないか。
" 元教員としての経験を通して培った教育理念や、東日本大震災や福島原発事故から学んだ教訓を地域住民と共有したい。市長にはそうした思いが強くあったようだ。
 福島を犠牲にし、自然に負荷を与えてまで、快適さや便利さを優先する生き方を見直すべきだと主張する。その考え方はうなずけないものではないし、苦しい財政事情も分からなくはない。"
 しかし、市議会は従来の計画通りエアコンをつけるよう求める決議案を可決したり、保護者の請願を採択したりした経緯がある。市長にはさまざまな異論に耳を傾ける謙虚さがあったのか。
" 地方自治の営みは、首長と議会という両輪に支えられて機能する。もっとも、民主主義の実現にとって公選の二元代表制がいつも万能とは限らないからこそ、住民投票の仕組みが担保されている。法的拘束力はなくても、エアコン設置に賛成する声が多数を占めた事実は重い。市長には説得力のある対応を期待したい。

"
 落胆させられたのは、31%余りと低迷した投票率だ。市町村合併や原発建設とは違い、個別具体の争点だったとはいえ、教育や基地は地域全体に関わる重要な問題だ。住民は税金の使われ方にもっと関心を払い、社会参加の意識を高めねばならないのではないか。








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コメント

まさにおっしゃる通りです。

エアコン推進派の多くは、ご子息が学生又はいずれ学生になる方々でしょう。

7割の市民が感心が無いのに、恐ろしいことに、マスコミは投票と同じ比率で賛同者がいると言わんばかりです。

住民投票は、ほぼ全ての市民に関係することに限定しないと時間と経費の無駄ですよね…(^-^;。

  1. 2015-02-18 22:41
  2. URL
  3. 福岡人★ #-
  4. 編集

To 福岡県人★さん

こんばんは。

今回はあえて抑制的に書きましたが、実は、最初からマスコミの報道姿勢については予想がついていました。もっと言えば、票数で推進派が負けても、それでも東京新聞らはエアコン推進を求めただろうと思います。そんなマスコミの体質を追及しようとも思いましたが、それもワンパターンだな、と(笑)。

で、仰る通り、住民投票は個別事例でなく、市民全体の問題に限定するべきですよね。住民投票は万能でもなんでもないわけで、社会は所沢の失敗事例から学ぶ必要があります。失敗と認めなければ学ぶこともできないわけで、つくづく正確な報道の重要性を感じますねぇ。

  1. 2015-02-18 23:49
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  3. no-risu #-
  4. 編集

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