2015-03-10 21:45

維新・江田代表の農政改革案が酷い


維新が独自の農協法改正案を今国会に提出するにあたり、農政改革のポイントについて江田憲司代表が夕刊フジの単独インタビューに応じた。江田と言えば、TPP推進のため農業に関するガセネタを吹聴し、TPPの抵抗勢力として農家やJAを貶めてきた男だ。

そんな江田が今回は何を言うのか。報じたzakzakを確認したところ、以前にも増して酷い内容だった。江田が農業を何も知らず、現状認識に様々な誤りがあるのは明白だった。今回はzakzakの記事を引用し、江田の主張について解説を入れていきたい。

江田流改革その1:「農協の数を増やして競争原理を働かせる」
 江田氏がまず挙げるのは、同一地域での「第2農協」や「第3農協」の設立を促して、切磋琢磨させるという構想だ。

農協の数を増やしても、競争原理など働かないことは歴史が証明している。農協は平成11年に1620あったが、経営不振等から合併を進めて現在の700にまで減った。農協はその性質上、競争より協調を重視する。数を増やしても歴史の繰り返しになるだけだ。

江田流改革その2:「規制緩和で将来バラ色」
 「競争なきところに創意工夫なし。株式会社の農地保有を認め、『田舎で農家をやりたい』というお年寄りや若者もどんどん入れる。担い手不足も解消され、一挙両得だ。そのためには、よそ者を拒む体質を持つ農業委員会の改組も必要だ」

市場原理主義者の言いそうなことだ。農地を株式会社が保有する規制緩和、農業員会の改革、その重要性は認める。しかし、それで有能な若者が集まることは無い。給料が安いからだ。

もっとも、参入企業のシルバー人材活用はありえる。ただし、それは薄給でこき使えるからで、現実に外国人労働者に頼るケースが多いのも同じ理由からだ。そうしないと経営が成り立たない。企業を誘致すれば将来バラ色とか、寝言は寝て言え。

江田流改革その3:「土地転用屋と化した農業員会をぶっ潰す」
 「実態は、土地転用を促進する『転用委員会』になっている。このため、農家は『いずれ道路ができる』『宅地になるかも』と期待し、土地を高く売ろうとして手放さない。結果、農地集積も進まない」

農業委員会が土地転用屋化している?、そりゃ江田の妄想であろう(笑)。「農業委員会が転用を許さない」といった話はいくらでもあるが、「農業委員会に転用を勧められた」なんて話は聞いたことが無い。

また、農家が土地を手放さない理由は、「売りたくても売れない」という現実と、「土地は守るべき財産」という価値観だ。開発計画などの利権情報に敏感な政治家様ならいざ知らず、今時、開発行為で一攫千金を夢見る農家などまずいないだろう。

江田流改革その4:「高止まりしたコメの価格を下げて消費を増やす」
 「転作奨励金が増額されており、コメ以外の作物に転作すれば所得が上がる仕組みになっている。この需給調整によってコメの値段を高止まりさせている」

コメの値段が高止まり!?、何を言っているのかこのアホは(笑)。そんな事実は存在しない。コメの価格は年々下がっている。零細農家は再生産価格を下回り、作れば作るほど赤字だ。コメ専業で食っていくには、最低でも農地5haが必要と言われる。

価格が下がるのは、供給が需要を上回っているからだ。減反はその痛みを農家全体で分かち合うシステムで、減反を完全廃止すれば多くの農家が廃業に追い込まれ、そうして生産量が減り需要と供給が均衡すれば、コメの価格は適正価格に上昇する。

江田流改革その5:「海外で大人気の日本産米を輸出せよ」
 「今でも日本のコメは海外で飛ぶように売れているのだから、価格が下がればさらに輸出できるようになる。農家の所得は下がることになるが、そこは税金で所得補償をしてもいい」

これもウソだ。日本産米は高価なので、「海外でとぶように売れている」といった事実は存在しない。富裕層の多い香港など、狭い市場を奪い合っているのが現状だ。また、日本米は粘りけの強い単粒種で、これを好む食文化を持つ国は限られている。

現状の価格から何割か安くしたところで他国から見れば十分高額で、しかも食文化・嗜好性も異なるのに、「今より安くすれば海外でバカ売れ!」とか、あまりに短絡的というか無責任というか、もう呆れる他無いのである。

以上、江田は信用ならぬ

正直、自民党の農業政策はお世辞にも褒められたものではない。もちろん言葉には出さないが、自民党が農業を重視していないことは、予算や農水省組織改革の中身を見れば一目瞭然だ。でも、最低限やるべきことはやっている(ホントに最低限)。

一方、江田の農政改革は事実に基づいていないから、情けないかな机上の空論にすらなっていない。「市場原理を持ち込めば良くなる」という固定観念が先にあり、市場原理導入のために理屈やウソを貼り付けて形にしているだけだ。

江田は信用ならない。元々、no-risuは江田という人間自体を信用していないが、農業改革を見ると奴の姑息な人間性がよく現れている。




zakzak:維新・江田代表が語る農業改革2つのポイント 独自改正案を今国会提出へ
http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20150305/dms1503050850004-n1.htm
 日本農業を、輸出産業・成長産業に転換するため、維新の党が、独自の農協法改正案を今国会に提出する。「農業は守るが農協は守らない」との方針を掲げて、安倍晋三首相が主導する農協改革への対案を示すというが、一体どのような改革案なのか。江田憲司代表が夕刊フジの単独インタビューに応じた。
" ■新規参入促進
 「一言でいうと、自民党案は、お家芸である『看板の掛け替え』で終わっている。どこが農政の大改革なのか! 組織いじりに過ぎない」
 江田氏は、政府・自民党が2月9日にまとめた農協改革案を、手厳しくこう批判した。
 では、維新が示す対案はどのような内容になるのか。"
 江田氏がまず挙げるのは、同一地域での「第2農協」や「第3農協」の設立を促して、切磋琢磨させるという構想だ。
 「競争なきところに創意工夫なし。株式会社の農地保有を認め、『田舎で農家をやりたい』というお年寄りや若者もどんどん入れる。担い手不足も解消され、一挙両得だ。そのためには、よそ者を拒む体質を持つ農業委員会の改組も必要だ」
 農業委員会は、農業生産力の向上や農業経営の合理化などを目的とした行政委員会であり、農地集積なども主導すべきだが、江田氏は「実態は、土地転用を促進する『転用委員会』になっている。このため、農家は『いずれ道路ができる』『宅地になるかも』と期待し、土地を高く売ろうとして手放さない。結果、農地集積も進まない」と指摘する。
" ■需給調整廃止
 江田氏が次に強調するのは減反廃止の徹底だ。政府は減反廃止を唱えてはいるが、「実質的には継続されている」という。"
 「転作奨励金が増額されており、コメ以外の作物に転作すれば所得が上がる仕組みになっている。この需給調整によってコメの値段を高止まりさせている。なぜか? 自民党の『選挙マシン』である農協の手数料収入が減るからだ。損をするのは高いコメを買わされる消費者だ」。需給調整がなくなりコメの価格が下がれば、国際競争力はさらに高まると江田氏は予測する。
" 「今でも日本のコメは海外で飛ぶように売れているのだから、価格が下がればさらに輸出できるようになる。農家の所得は下がることになるが、そこは税金で所得補償をしてもいい」
 維新は、これらの改革案を政策パッケージとしてまとめるとともに、独自の農協法改正案を今国会に提出する構えだ。"







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コメント

 マーク・トウェインの短編「私が農業新聞をどんなふうに編集したか」を思い出しました。

 マーク・トウェインは農業に知識も関心もないまま、勿体ぶって農業新聞の編集長を引き受ける人間を通じて、自称知識人を揶揄したのだけれど、江田はまんまこれを演じちゃったので無残です。
  1. 2015-03-11 10:24
  2. URL
  3. よもぎねこ #-
  4. 編集

初めての投稿です

ブログ市長のころから拝読させていただいておりまする。
今ではすっかり日常の生活に定着し、ブログを見るのが日課になっています。


さて、江田は「とんでもないヤツ」です・・・
こんな主張が表面に出てくること事態気分が悪くなります。

P.S.
当地域では先日苗床を作り田植えの準備に取りかかったところです。来月には田植えを予定しています。
そういえば、昨年の米価格は全国的に異常なほどの下落でした。
当方の農協のコメの買い取り価格は「¥6,000/俵」でした。
理由は「備蓄米が多量にあるため」だったと思います。
とてもじゃないですが、米を作っている農家はやってらんという価格です。
昨年は「農地を荒らさないための農地保全ボランティア事業」でした(笑)
今後ですが、価格がどうのとかそんなのは関係なく機械が動く限り、農地を荒らさないよう頑張っていこうと思ってます。

、が。。。機械が壊れたときは、、んー、その時は考えます。
  1. 2015-03-11 14:50
  2. URL
  3. ワルモノ #-
  4. 編集

To よもぎねこさん

こんばんは。

マークトウェイン、もう読んだのははるか昔の子供時代で覚えていませんが、個人的にハックルベリーより短編の方が面白かった記憶があります。たぶん、今読んだら全然印象が違うのだろうと思いますけど。

江田ですけど、たぶん今後も演じてくれますよ。TPPが盛り上がるのはこれからですし。

  1. 2015-03-11 20:19
  2. URL
  3. no-risu #-
  4. 編集

To ワルモノさん

こんばんは。

ご愛顧いただきありがとうございます。

昔と比べ私も忙しくなり、中身の薄いエントリーになりがちで、申し訳ないやら恥ずかしいやら。江田ですけど、こいつは今後もコンスタントに話題を提供してくると思います。野党勢力の中で最重要要注意人物です。民主党などにも重要人物はいますが、江田と違って知能レベルが低いから脅威ではありません。江田はやっかいですよ。

で、昨年は主要銘柄の産地でも仮払いが8000円とか報じられていましたけど、6000円は驚きの安さですねぇ。泣ける金額です。農機具の修理代は高いし、しかも毎年のように修理個所が出てくるので、機械の故障は離農理由として通用すると思います。

畑を荒らすと復旧が大変だし、周囲との付き合いもあるしで、難しい判断になるかもですけど。まあ、その時考えるのが一番ですね、なるようになりますから(笑)。

  1. 2015-03-11 20:48
  2. URL
  3. no-risu #-
  4. 編集

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