2015-05-18 20:41

浪速の ことも 夢のまた夢


橋下会見2


大阪都構想が否決された。橋下市長は市長の任期満了で政治家を引退する。以前書いた通り、橋下市長の喪失は痛恨の極みだが、今はもう慰留する気はない。あれほど清々しい敗戦後の弁を聞かされたなら、気持ちよく旅立たせるのが漢というものだ。

記者会見の橋下市長は実に良い顔をしていた。一つの仕事をやり遂げた社会人の男の面構えだ。様々な妨害活動に苦しめられていたのに一言も苦言や恨み節を垂れず、感謝の言葉を散りばめて、自分の欠点も客観的に述べたのも良かった。見事だ。

一方、都構想に反対した他党の面々は著しく醜悪な姿をさらした。今回はマスコミ報道が中立だったこともあり、反対勢力の醜さはより際立った。

まず公明党。選挙の時だけ維新と協力し、選挙が終わるや即座に手のひらを反して抵抗勢力となった。都構想を推進するための法定協で都構想潰しを画策し、何ら結論を出そうとしない会議のための会議を延々続けようとした。

自民党も酷かった。反対するにしても、民主党や共産党と肩を組むとは恥を知れ。プライドは無いのか。どんなに苦しくても、民主党や共産党と共闘するなど論外だ。さらに、言うに事欠いて「都構想の中身を知らない人は反対を!」と呼びかけるとは何事か。

市民が政策を理解していないと思うのなら、理解を深めるべく徹底的に説明するのが政治家の仕事だろう。こんな理屈がまかり通るなら、安倍自民が進める安保改正や憲法改正、「国民的議論」が求められる政策全てに反対せねばなるまい。

さらに、反対他党らの対案が失笑物で、大阪市に「総合区」を新設すると言う。大阪府の中で大阪市が強すぎる問題を解決するための都構想だが、大阪市に強い権限を持つ総合区を作り、大阪市を牽制させることで問題を解決させようという案だ。

アホかと。大阪府と大阪市の問題に大阪市と総合区の問題が新造されるわけで、二重行政が三重行政になりかねず、こんなものを対案に出してくる知性に絶望する。

醜さでは維新内部も負けてはいない。江田だ。予定通り橋下市長の引退が決定し、奴は嬉々として代表の座を退いた。「サポートが不十分だった」と理由を述べていたが、サポートする気も無かったくせに白々しいにもほどがある。

だいたい、サポートが不十分ならどうして松野幹事長に後任を任せたいなどと言えるのか。松野も同罪で、直ちに幹事長を辞めるべきだろう。没落必至の維新を捨て、傀儡松野代表を立て、裏で維新解体&野党再編を進めたい魂胆が見え見えだ。

まったく。どいつもこいつも、何てしょうもない奴らだ。都構想の是非はさておき、こんな程度の低い連中のせいで橋下市長の政治生命が絶たれるとは心底残念に思う。

7年半前、茶髪を黒髪にして政治家に転身した橋下徹。昨夜の会見を見ても分かったと思うが、彼の髪は急速に白髪が増えた。それだけ心血を注いでいたということだろう。あの白髪の一本一本が、政治家として刻んできた彼の歩みを示している。

「露と落ち 露と消えにし 我身かな 浪速の ことも 夢のまた夢」

豊臣秀吉の辞世の句だ。橋下市長の気持ちを代弁する句ではない。橋下市長が去った後、我々有権者の思いを表す句になるだろう。さらば橋下徹。もう引き止めない。でも、舌の根乾かぬうちに政治家復帰を宣言しても、no-risuは許す。




NHK:住民投票は反対多数 橋下市長は引退表明
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20150518/k10010083051000.html
 いわゆる「大阪都構想」の賛否を問う大阪市の住民投票は、17日に投票が行われ、開票の結果、「反対」が「賛成」を僅かに上回って多数となり、橋下市長が掲げた「大阪都構想」は実現せず、大阪市は存続することになりました。これを受けて、橋下市長は、ことし12月までの任期は全うするものの、次の市長選挙には立候補せず、政界を引退する意向を表明しました。
"「大阪都構想」の賛否を問う住民投票の開票結果です。
「反対」70万5585票。
「賛成」69万4844票。
「反対」が「賛成」を1万票余り、得票率にして0.8ポイント上回り、多数となりました。"
 今回の住民投票は、大阪市の有権者およそ211万人を対象に行われ、大阪市の橋下市長が代表を務める大阪維新の会が、「大阪府と大阪市の二重行政を解消すべきだ」として「賛成」を呼びかける一方で、自民・公明・共産・民主の各党は、「コストもかかり、住民サービスも今より低下する」などとして「反対」を主張し、激しい論戦が繰り広げられました。
" その結果、「都構想」は一定の賛同を得たものの、「大阪市の存続」を求める意見も根強く、「反対」が「賛成」を僅かに上回って多数となりました。これにより、大阪市はそのまま存続することになり、橋下市長が掲げた「大阪都構想」は実現せず、5年にわたる議論は決着しました。
 大阪市選挙管理委員会によりますと、今回の住民投票の投票率は66.83%で、先月、統一地方選挙で行われた大阪市議会議員選挙の投票率を18ポイント余り上回りました。"
 今回の結果を受けて、橋下市長は17日夜、大阪維新の会の幹事長を務める大阪府の松井知事と共に記者会見し、「大阪都構想は、市民に受け入れられなかったということで、間違っていたということになるのだろう。僕自身に対する批判もあるだろうし、説明しきれなかった僕自身の力不足だと思う。今の市長の任期まではやるが、それ以降は政治家はやらない。政治家は僕の人生からは終了だ」と述べ、ことし12月までの任期は全うするものの、次の市長選挙には立候補せず、政界を引退する意向を表明しました。
また、橋下市長は、記者団から、「将来、再び政治家に戻る可能性はあるのか」と質問されたのに対し、「ない。弁護士をやる」と述べました。松井知事は「知事としての残りの任期で、さまざまな問題解決に向けて働きたい」と述べました。
 一方、自民党大阪市議団の柳本顕幹事長は「大阪市を守らなければいけないという思いで活動してきたが、現状を変えたいという橋下氏を中心としたメッセージが、市民の心を揺さぶったのも事実であり、地に足の着いた大阪市政を取り戻すべく、全力を尽くしたい」と述べました。




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コメント

たらればになりますが…
府知事を辞めて市長になったのが失敗かなと思いますね。大阪府としては市が大き過ぎるので解体しその力を借りて府全体を活性化させる事が目的だったんでしょうが市長になった為、市の事としか見られなくなってしまったような気がします。
氏の思想、発言、政治方法から好きにはなれませんが氏ほどの行動力と実行力を持った政治家は間違い無く存在し無いと思います。
  1. 2015-05-18 21:32
  2. URL
  3. 大門 #-
  4. 編集

To 大門さん

こんばんは。

府知事から市長になったのは、平松率いる大阪市が都構想の抵抗勢力だったからですから、府市を手中に収めるために大阪市長のポストを手中に収めることは悪くない戦略だったと思いますよ。

橋下市長の政策について、これはよく言ってきましたが、6:4くらいで評価しています。彼は地方自治だけやらせておけばそこそこ評価できました。もちろん、行動力・決める政治もポイント高いですね。

引退は残念です。

  1. 2015-05-18 21:50
  2. URL
  3. no-risu #-
  4. 編集

政治の世界も猿芝居

予想通り松野幹事長が新代表に選ばれましたね。

都構想住民投票を行なう頃からの江田や松野達の陰謀論もあったのではないでしょうか。

本来幹事長も辞職すべきなのを新代表にとは民主党と同じく身の程知らずと思います。

選挙のときは揉み手で橋下の人生を掛けた大勝負では平気で潰しにかかるとはいかにも魑魅魍魎の政治の去る芝居というか義理も人情もな~んにもない下司な人種の集まりということをまざまざと見せ付けてくれました。

  1. 2015-05-19 18:31
  2. URL
  3. そうかせんべい #-
  4. 編集

To そうかせんべいさん

こんばんは。

松野は党の代表として表で活躍するタイプではありませんから、ますます維新の先行きは暗そうですね。

聞くところによると、今回の新代表は江田の任期残の期間だけで、1年もしないうちに新代表を再選出するそうです。案外、しれっと江田が立候補するかもしれません。まあ、よほどアホでなければ出てこないでしょうが。

  1. 2015-05-19 21:29
  2. URL
  3. no-risu #-
  4. 編集

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