2015-06-26 21:19

一般市民は護憲派プロ市民を理解できるか


昨年6月、埼玉県さいたま市大宮区の公民館が、9条を詠んだ女性(75)の俳句について、公民館便り俳句コーナーへの掲載を拒否した。「議論の分かれる特定の政治的主張が含まれていたから」、というのが掲載拒否に係る公民館及び市教委の説明だ。

拒否された女性は、説明に納得せず繰り返し抗議を行っており、その様子は東京新聞などが逐一報道していた。「どうでもいい報道だな」と思っていたが、6月25日になって女性が国家賠償請求訴訟を起こしたと聞き、少しばかり興味が湧いてきた。

たかがの俳句を掲載拒否した公民館もケツの穴の小さい連中だとも思うし、本エントリでは護憲派女性の側にいかなる理があるのか、なるべく客観的に考察してみたい。ひょっとしたら、護憲派を理解する何かしらのヒントが見つかるかも知れない。

さて、報道によると、女性は「俳句の中身に公民館が立ち入ったことが許せない」と訴訟理由を述べている。要するに、「公権力の介入」が許せないらしい。それをふまえて、女性は以下の主張と要求を並べている。

1.憲法26条違反(教育を受ける権利)
2.憲法21条違反(表現の自由)
3.社会法違反(公民館の活動)
4.教育基本法違反(自治体等の教育義務)
5.慰謝料200万円


つまり、「各種法律に反した公権力の介入により、女性の表現の自由と市民の教育を受ける権利が侵害された」、と主張するわけだ。一見して無理筋に思えるが、順を追って考察してみたい。

まず、根幹となる「公権力の介入」について。

女性の言う「公権力」とは「公民館(及び管理する市教委)」で、「介入」とは「公民館便りの俳句掲載拒否」だ。しかし、「介入」は「当事者以外の者が入り込むこと」であって、公民館便りの当事者である公民館が公民館便りに「介入」することは不可能だ。

女性は「俳句に介入された」とも主張しているが、公民館は文言修正等を求めていない。単に掲載拒否しただけだ。「検閲」の意味で「介入された」と述べているのかもしれないが、掲載物の確認は公民館の責務だろう。確認しない方が責任問題だ。

次は「1.憲法26条」と「4.教育基本法」、つまり教育に関する項目について。

ここで議論すべきは、女性の俳句を公民館便りに掲載することが、はたして「教育」に該当するか否かだ。女性の俳句に教育的価値があるのかが問われる。もちろん、女性は価値があると考えている。だから訴訟を起こした。では、その俳句を拝見してみよう。

「梅雨空に『九条守れ』の女性デモ」

むむむ・・・。

教育的価値、ねえ。女性は深遠な教育的メッセージを込めたのかもしれないけれど、申し訳ないがno-risuには理解出来ない。これを義務教育など同列に扱うのは無理がある。憲法や教育基本法を持ち出してまで、違法を訴えるべき問題ではないだろう。

続いて「3.社会法違反」について。

社会法第23条に、公民館の活動制限が定められている。禁止事項は「1.営利活動」と「2.特定政党及び特定宗教への支援活動」だ。公民館側は、俳句が後者に該当すると判断して掲載を拒否した。厳密には正しい判断に思えるが、正直微妙だ。

改憲は政党間で論争中だから、「9条守れ」は間接的に特定政党の支援に繋がる。また、デモは共産党や社会党らが密接に関わってもいる。だから、厳格に判断すれば公民館側が正しい。でもねえ。たかが俳句に厳格すぎるのもねえ。

過剰反応というか大袈裟というか、公民館もこの程度のことで目くじら立てるのは大人げない。どうせ公民館便りを熟読する市民の人数はしれているから、政治的影響力なんて無視できるレベルだろう。いいじゃないか、実名入りで晒しあげれば。

最後に「2.憲法21条違反」と「5.慰謝料200万円」について。

公民館も過敏だが、それより遙かに過激なのは女性の対応だ。確かに、表現の場を奪った意味で「表現の自由が侵害された」とも考えられる。しかし、公民館側にも正当な理由と責任があった。それに、表現の場は公民館便り以外にも色々ある。

憲法を持ち出す程の話とは思えないし、200万円に相当する精神的苦痛を被るとも思えない。良いこともあったろう。マスコミが熱心に報じたおかげで、女性の俳句は一躍全国に知れ渡った。公民館便りの数百万倍の周知効果があったはずだ。

精神的苦痛というのなら、マスコミ報道で護憲派市民のヒステリー騒動が全国に知られたわけだから、それによる恥のダメージの方が大きいのではないか。まあ、この女性に羞恥心というものがあればの話で、無いから訴訟を起こしたのだろうけど。

騒動全体を考察した結果、やはりくだらない騒動と判断せざるを得ない。女性の言い分にも僅かばかりの理はあるが、それを考慮しても護憲派のエゴが強すぎる。考察すればするほど、女性の醜い人間性が浮き彫りとなり不快な気持ちになった。

今回は残念な結果になってしまったが、今後も折に触れて護憲派市民などサヨク人種を理解するための努力と考察は続けていきたい。寛容の精神で。




埼玉:9条俳句拒否 「公権力介入、許せぬ」作者、さいたま市に賠償請求
http://www.saitama-np.co.jp/news/2015/06/26/01.html
 さいたま市大宮区の三橋公民館が昨年6月、同公民館で活動する句会会員が詠んだ俳句「梅雨空に『九条守れ』の女性デモ」の公民館だより掲載を拒否した問題で、同区に住む作者女性(74)が25日、市を相手取り、作品の公民館だよりへの掲載と、慰謝料200万円余りの支払いを求める国家賠償請求訴訟をさいたま地裁に起こした。作者女性は同日、埼玉弁護士会に人権救済の申し立てをした。記者会見した女性は「句会が選んだ俳句の中身に公民館が立ち入ったことが許せない。伸び伸びと俳句が作れるようになるのを願っている」と話した。
 訴状によると、作者女性が詠んだ俳句について、三橋公民館が公民館だよりに掲載するのを拒否したのは、表現の自由を保障した憲法21条に抵触するほか、憲法26条の教育を受ける権利や社会教育法、教育基本法などにも違反すると指摘。俳句の公民館だより掲載とともに、女性が被った苦痛への慰謝料200万円余りを市に求めている。
 女性が詠んだ句は、昨年6月24日にあった句会の例会で特選に選出。公民館だより7月号の俳句コーナーに発表する作品として三橋公民館に提出したが、同25日に掲載拒否が句会側に伝えられた。
 公民館は当初示した判断根拠を昨年12月10日に撤回した上で、「内容が世論を二分する題材を扱っている」として、現在も掲載を拒み続けている。会見に臨んだ原告側弁護団長の佐々木新一弁護士は「普通の市民の日常の活動に、突然公権力が踏み込んだ。今の時代が反映された事件で、あり得ない事態が始まっている」と危機感を表明。「世論調査の結果を見ると、表現の自由が憲法上の権利だと考えている人は2割ぐらいしかおらず、少しずつ減っている。大変重要な基本的人権だということを訴えたい」と訴訟の意義を強調する。
" 俳句コーナーは昨年7月号以降、現在も休載が続いている。問題発覚当時、句会の代表代行を務めていた同市大宮区の女性(85)も会見に同席。「その後も優秀作を選んで公民館に提出してきたが、掲載を拒否された俳句も一緒に入れてもらえない限りお断りしている」と、妥協しない決意をあらためて示した。
 稲葉康久さいたま市教育長は「訴状の内容を見てから対応したい」とコメントした。"








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テーマ:サヨク・在日・プロ市民
ジャンル:政治・経済

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コメント

 サヨクって今までこういう難癖をつけて執拗に騒ぐ事で、自分達の主張を通してきたのでしょうね。

 役所にせよ企業にせよ、こうした連中に騒がれるのが面倒だから「大した問題でないからと」簡単に連中の言うことを聞いてしまう。

 在日特権ができた理由などもこれと全く同じでしょう。

 しかし最近はサヨクの言うことを聞くと、ネトウヨから抗議がくるようになった。 だから役所もサヨクの言うことは簡単に聞けなくなった。

 役所や企業にすれば、面倒に巻き込まれたくないだけなので、厄介な方の言うことを聞くのです。 
  1. 2015-06-27 09:46
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  3. よもぎねこ #-
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To よもぎねこさん

こんばんは。

そうですね、行動する保守やネット世論などが、役所の対応を変化させた部分は大きいだろうと思います。あるいは、役所も以前から苦々しく思っていて、保守系世論の高まりを追い風に念願を果たしたのかもしれません。

いずれにしろ、これまで無理を通して道理を蹴飛ばしてきたサヨク共ですが、連中の思い通りにならない時代が来たわけで、それは日本社会にとってとても良いことだと思います。

また、本文で「俳句くらいで」と書いてはいますが、こういう対処は徹底しておかないと、またサヨクらが増長したり既得権益を構築する可能性もあるので、芽の内に厳しく叩き潰すべき、といった考え方も理解できるところです。

 
  1. 2015-06-27 19:23
  2. URL
  3. no-risu #-
  4. 編集

no-risuさん!お疲れ様でした! それにしてもアノ作品・・・入選されただけ、ありがたく思えば? 私も一句「梅雨空に 良く映えて俺の 前腕筋」
  1. 2015-06-27 19:41
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  3. 三助 #-
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はじめまして

初めてコメントさせていただきます。
提訴そのものがとんちんかんであると思いますが、この女性が憲法26条を引っ張り出してきている理由がわからないのです。
私の乏しい知識では、以下のようにしか考えられないのです。
そもそも教育を受ける権利とは、教育を受ける側の権利であって、教育を授ける、実施する側の権利ではありません。
つまり女性の俳句を読むことができなかった地域住民が、自分たちの教育を受ける権利が侵害されたと主張するならともかく、
原告女性が自作の俳句を発表する機会を奪われたとしても、彼女の「地域住民を教育する権利」が侵害されたと主張することは可能ですが(もちろんこんな俳句ごときに、法的保護に値する教育としての性質はないと私も思います)、それは憲法26条の問題ではないと思います。
裁判所も、この主張に関する限り、原告には訴えの利益ないし当事者適格がなく、訴え却下(いわゆる門前払い)判決を下すことになるんじゃないでしょうか。
ということで新聞記事にはありませんが、この女性の背後には、左翼系地域住民団体が相当絡んでおり、共同訴訟なのかもしれない(85歳の元代表代行など)、と推測する次第です。

追記:一般に教育を実施する権利が侵害されたと提訴する場合には、憲法23条の学問の自由(に含まれると解釈されている「教授の自由」)を根拠にするようです。
  1. 2015-06-27 22:20
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  3. ポッぺリアン #-
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To 三助さん

こんにちは。

俳句の良しあしはよく分かりませんが、女性の俳句から心に響く何かは感じられませんでした。9条仲間なら何か感じたのかもしれませんね。雨の中デモを行った同士ですからね。

  1. 2015-06-28 10:02
  2. URL
  3. no-risu #-
  4. 編集

To ポッペリアンさん

こんにちは、初めまして。

憲法26条は、教育を受ける権利だけでなく、保護者などが子供に教育を受けさせる「義務」も定めています。他の法律も同様で、教育を受ける権利と受けさせる義務が規定されています。

エントリでは女性の俳句に教育性が無いと判断したので、権利と義務について分けてまで書きませんでしたが、女性は自分の俳句に教育性があると考えているので、「公民館は私の俳句を掲載する義務があった」とも主張しているわけです。権利と義務の二本立てです。

女性の立場で考えれば憲法その他教育法に違反しますが、その主張を成立させるには、例の俳句に教育的価値が認められねばなりませんが。どう見てもそんな価値はありませんよね。

このあたりのこと、もう少し詳しく書くべきだったかもしれません。でも面倒くさくて(笑)。

  1. 2015-06-28 10:23
  2. URL
  3. no-risu #-
  4. 編集

はじめてコメントいたします。多分。
この程度の理由で裁判しようなんて,印紙代の無駄遣いだと思うのですが,誰かに唆されたんでしょうね。
家族いないんだろうな~。自分の親なら間違いなくとめますね。恥ずかし過ぎますよ。
ただ,言われるように俳句は全国区になりました。どうせなら名前も出せば,今後,活動家から一目置かれるかもしれませんね。
  1. 2015-06-29 17:13
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  3. とろ #-
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To とろさん

こんばんは、初めまして。

件の女性はかなり高齢ですからね、家族が止めても聞く耳持たないのかもしれません。私ならとっとと諦めて絶縁します(笑)。つくづく、こういう惨めで恥ずかしい老後は送りたくないものですね。

で、女性は裁判も起こしたことですし、すでに一目置かれた存在にクラスアップしているだろうと思います。どうせ敗訴&控訴で延々裁判を続けるでしょうし、お迎えが来るころまでには二階級特進しているでしょう(笑)。

  1. 2015-06-29 19:28
  2. URL
  3. no-risu #-
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こんばんは。
少々調べてみましたが、見事にサヨクの喰い物にされている感じですねえ…
色々な人が色々喚いてるようですが、どうなれば満足なのか、さっぱりわかりません。
いつものごとく、騒げれば良いのでしょうね。

とはいえ、そもそも公民館の判断もおかしいような。
そりゃ俳句で「九条を守れ」と訴えたなら問題もあるでしょうが、件の俳句が詠んでいるのは「女性たちがデモをしていた」という情景に過ぎません。
作者の女性も、東京でみかけたデモを詠んだだけだと発言しています。
もちろん真意はわかりませんが、俳句だけを見ても、やはり情景を描いた作品だと思います。
したがってこの俳句自体に政治的主張は含まれておらず、掲載を拒否するのは無理筋ではないでしょうか。

ですがこんな騒ぎになってしまっては、もうそういう反論もできなくなりましたね。
いつの間にか女性の俳句は九条を守れと平和を訴えた作品ということになっていて、女性本人も、元からなのかサヨクに唆されたのか知りませんが、でっかい人権問題を闘っている気になっているようですし。
そういうことを言えば言うほど、公民館の方が正しいと証明されていくわけですが…

ところで、公民館だよりの俳句コーナーはずっと止まったままなんですね。
もはや落としどころの無いこの騒ぎ、一番の被害者は句会の他のメンバーではないかと思います。
  1. 2015-07-01 02:31
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  3. ciel #-
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To cielさん

こんばんは。

食い物にされていましたか。まあ、それも彼女の本望かもしれませんよ。利用されていることを承知の上で、それに乗ることで快感や満足感を得ているのかもしれません。

女性の句ですが、確かに言われてみればその通りですね。ただ情景を詠んだだけに見えます。女性がサヨク的な言動をしたのか、東京新聞らがその様に記事を仕立てたのか分かりませんが、私も「女性=サヨクプロ市民の一味」の先入観には気を付けるべきでした。まあ、仰るとおりここまできたら当初の動機はあまり関係ないですけどね(笑)。

公民館便りの俳句コーナーは、もともと句会が俳句を提供して成り立っていたらしく、掲載拒否以降は句会が提供を拒否しているそうです。なんて話をきくと、やはり偏った思想を持った句会だったかと疑いたくなりますね。

まともなメンバーにはいい迷惑ですが、本当に俳句が好きならば、公民館便りなんて無くても楽しんでますから大丈夫ですよ。

  1. 2015-07-01 20:06
  2. URL
  3. no-risu #-
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