2015-06-30 21:20

沖縄基地の地権者利権はもっと報じられるべき


作家の百田尚樹氏が「基地の地主はみんな年収何千万円」と発言したことを受け、この沖縄基地に関する不都合な話題を風化させるべく、沖縄タイムズが地権者と地代収入に関する検証記事を掲載した。「羨まれるほど貰ってないよ!」と言いたいわけだ。

そうはいくか(笑)。

地権者収入の闇は徹底的に暴かれるべきである。

沖縄タイムズは、2011年度の軍用地料の支払額別所有者数(米軍・自衛隊基地)を用いて、地権者の人数と地代について説明している。もう少し詳しい情報が欲しいところだが、沖縄タイムズが引用した防衛局の資料が見つからなかった。

記事をまとめると以下の通り。


地代総額 : 918億円
地権者総世帯数 :4 万3025戸
受取地代100万円未満 : 2万3339戸(54%)
〃 100万円以上200万円未満 : 8969戸(21%)
〃 200万円以上500万円未満 : 7339戸(17%)
〃 500万円以上 : 3378戸(8%)



さて、沖縄タイムズは「地主の75%は200万円未満の軍用地料しか得ておらず、実態は百田氏の発言した内容と大きくかけ離れている」と説明している。ウソではないが、偏った見方ではなかろうか。庶民にとって、100万200万の金は羨むべき大金だ。

庶民感覚で見れば、「年間100万円以上受け取る地権者が46%、約2万人もいる!」と評価するのが自然だろう。また、200万円~500万円は一般世帯の年収に見劣りしないが、ここに17%7339世帯が存在することを沖縄タイムズは書かなかった。

「500万円以上の3378世帯」は、おそらく大地主の連中だろう。本土と異なり、沖縄県では農地改革による地主解体が行われなかった。大地主の地代は跳ね上がるはずで、小作の延長線上で「500万円以上」とするのは納得しがたい。

嘉手納基地最大の地権者は、10億円を超える地代を得ているとも聞く。百田氏の「みんな」は大袈裟だったとしても、多額の地代を得ている地権者がゴロゴロしているのは事実だ。no-risuの金銭感覚では、100万を超えれば十分に多額である。

常識的に考えて、大地主に限らず多くの地権者はこの既得権益を手放そうとしないだろう。基地利権を守るため、結構な人数と金額が裏で動いているに違いない。例えば、辺野古移設の反対活動にも影響しているのではないのか。

表面的には「新基地反対」を言いながら、本音では普天間基地の固定化により基地利権の温存を願う地権者が必ずいるはずだ。プロ市民団体の活動原資は昔から謎であるが、地権者らの寄付が支えている側面もあるのではないか。

ついでに指摘しておくが、地代の単価も異常に高い。

AERA6月号によると、沖縄基地の地代単価は2000円/1㎡/年だ。AERAに登場した地権者は「しょぼい金額」と述べており、朝日グループAERAの狙いも地権者利権の風評払拭にあると推察される。

とんでもない偏向報道だ。

2000円/1㎡/年。これは農地借地料としてはべらぼうに高い。通常、農地借地料は良いとこ5万/1反(10a)/年で、全国農業会議所が調査した全国平均(H18)は1万5千円/年だ。2000円/1㎡/年を反に換算すれば、何と200万円/反/年である。

農地借地料平均の実に133倍もの高水準、地権者利権の闇と呼ばずして何と呼ぶ。「2000円/1㎡だから安い」などと言うのは、事実を矮小化する印象操作だ。会員権のセールスが、「1日あたり、たったのコーヒー1杯ですよ!」と誘うのと同じだ。

沖縄基地問題には、こういう闇が存在することも知られるべきだ。マスコミはそこにある事実を報じよ。国民には知る権利があり、マスコミには報じる義務がある。百田氏の発言が不正確でも、彼が提起した基地利権問題は本物だ。




沖縄:百田氏発言「普天間飛行場、元は田んぼ」「地主年収、何千万円」を検証する
http://www.okinawatimes.co.jp/article.php?id=121681
"■普天間飛行場、もとは田んぼ→戦前は9千人超生活
 百田尚樹氏が「田んぼで、何もなかった」とする米軍普天間飛行場が建設された場所は沖縄戦の前、宜野湾村の集落があった。宜野湾市史によると、1925年は現在の飛行場に10の字があり、9077人が住んでいた。宜野湾や神山、新城は住居が集まった集落がほぼ飛行場内にあり、大山などは飛行場敷地に隣接する形で住宅があった。"
 最も大きかった宜野湾は村役場や宜野湾国民学校、南北には宜野湾並松と呼ばれた街道が走り、生活の中心地だった。
 飛行場は、まだ沖縄戦が終結していない45年6月、住民が収容所に入っているうちに、米軍が土地を占領して建設を始めた。住民は10月以降に順次、帰村が許されたが、多くの地域は元の集落に戻れず、米軍に割り当てられた飛行場周辺の土地で、集落の再編を余儀なくされた。
 市立博物館の担当者は百田氏の発言に「人々が戦争で追い出され、何もなくなるまでの過程が抜け落ちている」として認識不足を指摘した。
"■地主の年収 何千万円→100万円未満が半数超
 百田尚樹氏は「基地の地主はみんな年収何千万円」と発言した。しかし、地主の75%は200万円未満の軍用地料しか得ておらず、実態は百田氏の発言した内容と大きくかけ離れている。"
 沖縄防衛局が発表した2011年度の軍用地料の支払額別所有者数(米軍・自衛隊基地)によると、地主4万3025人のうち100万円未満の地主が全体の54・2%に当たる2万3339人で最も多い。
 次いで100万円以上~200万円未満が8969人で20・8%を占め、200万円未満の割合が75%にのぼった。500万円以上は3378人で7・9%だった。
 軍用地料は国が市町村含む地主と賃貸借契約を結び、米軍と自衛隊に土地を提供する。地主に支払われる賃貸料は自衛隊基地を含み11年度は918億円だった。






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コメント

こんにちは。

本土ではあまり知られていませんが、この「軍用地」は一般の土地と同じように売買取引が可能で、それを仲介する業者さんや専用の銀行ローンもあります。もちろん「軍用地」を担保に銀行から融資を受けることもできます。
沖縄では個人はもちろん、会社や団体・組合などのお金の投資先として重宝されています。

メリットとしては、

① 管理は国に丸投げできる
② 確実な収入が確保できる(毎年8月に払込まれます)
③ 値上がりが期待できる
④ 担保価値が高い(特に返還される見込みのない土地や返還係争地が高い)
⑤ 換金性が高い(先祖代々の土地を大事にする沖縄では売り手市場の傾向が強い)
⑥ 固定資産税が安い(国の借地権が付いている為に土地の評価額が低い)

ちなみに、普天間基地は銀行の評価ランキングで「C地域」、年間借地料の25~30倍の担保評価ということです。

借地料が100万円ならば、土地を担保にすれば単純計算でも3000万円の利益が得られる、しかも軍用地主会の共済借入れなら金利も銀行よりはるかに安い。沖縄の軍用地主が裕福だと言われる所以です。

参考のために、沖縄軍用地を扱う某不動産サイトによる販売価格をご紹介します。

売地:普天間飛行場全4区画 面積:184.38㎡
年間借地料:36万円
販売価格:1,156万円

もちろんこうした行為は違法ではありません。軍用地主が暴利を貪っていると糾弾する訳でもありません。
しかし国の税金が回りまわってこうしたことに使われている事実はもっと知られるべきでしょう。

沖縄のメディアは百田発言について抗議声明を出す前に、もっともっと報道人としてやるべきことがあるはずです。
  1. 2015-07-01 12:13
  2. URL
  3. cn2100 #-
  4. 編集

To cn2100さん

こんばんは。

これは素晴らしい情報をありがとうございます。前々から気になっていた部分でもあり、目を輝かせながら何度も読み返しました。保存します(笑)。

さて、私も地権者が地代を受け取ること自体は問題ないと思います。なんらやましい金ではないし、歴史的経緯を考えれば相場より高単価になることも許容できます(現行単価は高すぎる気もしますが)。

ただ、やましくないはずなのに情報が隠されていることは問題なんですよね。単価が決められた根拠や協議内容は不透明で、土地の所有者は沖縄でも地権者会の上層部しか知らないトップシークレット、地権者の生活実態は誰も知らない。マスコミは報じようともしない。

だから、百田氏の様な主張が飛び交うわけですが、それが世間の注目を集めてもなお、マスコミは実態を隠そうとする。正々堂々と報じればいいのに。まあ、マスコミも高すぎる単価により地権者への風当たりが強くなることを恐れているのでしょうが、だったら得意の「歴史的経緯」で正当性を説明すればいいわけで。

それが出来ないのは、マスコミも地権者利権に大きな問題があると認めているか、あるいは読者ら国民をとことん見下し、信用していないからなのだろうと思います。

  1. 2015-07-01 20:27
  2. URL
  3. no-risu #-
  4. 編集

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