2015-07-21 20:36

言葉の刃


7月21日の朝日新聞朝刊で、原発再稼働を求めている新潟の村長の親族会社が、3年間で約5千万円の原発関連工事を受注していたと報じられた。読者は思うだろう。けしからん村長だ、原発利権で金儲けか、そりゃ再稼働を求めるわけだな(嘲)、と。

しかし、親族会社が原発関連事業を受注しても、それは法的にも道義的にも問題は無い。むしろ、原発容認派村長の親族会社が、積極的に原発事業に関与・貢献するのは自然なことだ。実際、朝日新聞の記事にも「規制は無い」と書かれている。

記事のどこを読んでも、直接的に村長や親族会社を批判する文言は無かった。それでも、読者の多くは、村長及び親族会社に対して、冒頭に書いた様なネガティブな印象を受けたはずだ。これが、ペンは剣より強い「言葉の刃(やいば)」である。

暴力は人の肉体を痛めつけるが、言葉の刃は人の心を斬る。同日の朝日新聞は、耕論でヘイトスピーチを特集していた。サヨクメディアの大好物だ。しかし、マスコミの言葉の刃に比べれば、ヘイトスピーチなんぞ可愛いものだろう。

例えば、あなたが若禿に悩む若者だったとする。恋人はおらず、他人の目が気になる毎日を送っている。ある日、街で前方から子連れの母親が歩いてきた。近くまで来たとき、子供があなたの頭を指さして、「あの人ハゲてる!、変なの!(笑)」と笑った。

慌てた母親は、子供を制しながら言った。「ダメでしょ、『カワイソウな人』の悪口を言ってはいけません」。あなたはどう感じるか。

もちろん、子供の悪口にも気分を害しただろう。しかし、より心が傷ついたのは、母親の「カワイソウな人」ではないか。子供の悪口が小石をぶつけられた痛みとすれば、母親の憐憫の言葉は鋭い日本刀でなで切られた痛みだ。その傷は治らない。

言葉の刃とは、常に善意や正義の綿にくるまれている。直接的な言葉でないから、一瞬、斬られた側も何が起きたか分からない。分からないが、やがて心の痛みで理解する。そして苦しむ。

一般人の発する言葉の刃には、相手を傷つける意図が無い場合もある。親子の例でも、母親に悪気は無い。ただ、他人への思いやりが欠如しているだけだ。相手がどう思うか、自分が言われたらどう思うか、といった想像力が不足していた。

だが、マスコミは意図的にこれをやる。正義や善意を纏い、社会の木鐸ぶって、一般市民と大差ない私見を美しく装飾し、整然とした主張に見せかけて、研ぎ澄ました言葉の刃で獲物を斬る。一社だけでなく、サヨクメディアは一斉に斬りかかる。

滅多切りにされたことで、本当に命を落とすことになった人間もいる。言葉の刃は竹光にあらず。深すぎる心の傷は、時として人を自殺に追い込むのである。当然、自殺までいかなくとも、精神を病んだり、家族が離散したり、被害は様々ある。

新潟の村長と親族会社においても、彼らは何ら非難される謂われは無いのに、原発容認派を狙った朝日新聞の言葉の刃により、社会から白い目で見られることになった。少なくとも、村長や親族会社関係者らはそう感じているだろう。

あまりにも卑劣ではないか。朝日新聞らメディアは何の責任も負わない。相手がどれだけ苦しもうと、彼らは斬ったことすら認めようとしないだろう。被害者は、一方的に汚名を着せられ、名誉を挽回する手段も無く、ただ泣き寝入りするしかない。

メディアを裁けない以上、私達国民がしっかりするしかない。ヘイトにまみれた言葉の刃から、国民の名誉と人権を守らねばならない。そうして力を蓄え、いつの日か連中の穢れた刃をたたき折り、腐りきったメディアを懲らしめるのだ。




朝日:新潟・刈羽村長親族の会社、原発工事 3年で5千万円
http://www.asahi.com/articles/ASH7N5DG9H7NUUPI004.html
 東京電力柏崎刈羽原発が立地する新潟県刈羽村で、品田宏夫村長(58)の父(84)が取締役を務める村内の原子力関連会社が、東電福島第一原発事故後に柏崎刈羽原発関連工事を少なくとも計約5千万円分受注していたことがわかった。村長の妻が経営する村内のガソリンスタンドも、東電や原発関連業者を主な顧客としてきた。
 村長は原発の安全性について村民を代表して判断する立場。品田村長は柏崎刈羽原発の早期の再稼働を求めている。首長関連会社の原発事業受注に関する規制はなく、取材に「家業と村長の仕事とのけじめはつけている」と話している。
 この原子力関連会社が新潟県に提出した工事経歴書によると、同社は2011年10月からの3年間に、柏崎刈羽原発の設備点検工事などを少なくとも計50件受注。大半が下請けで、一部は東電から直接受けた。工事経歴書にはその会社が実施した工事が金額の大きい順に記されるが、同社が記した工事はすべて柏崎刈羽原発のものだった。







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コメント

『カワイソウな人』

母親は何と答えればよかったのでしょうか?
例えば、
「アラホント、すごい禿ね。でも格好いいでしょう!
 君も剃りを入れてみようか。」
とでも?

原発利権も、原発がいけないのか?利権がいけないのか?
両方ともなんとなく否定的なイメージが作り上げられており、あわせると一気に、ケシカランとなります。言葉の剣術の達人ですね。

お母さんとしては、
「原発は大切よ!なくては君達の時代困るでしょう。これからつくろうとする国が世界中にいっぱいあるんだから。日本だけ特落ちすることなどできないの。今のところ、廃棄物の処理が出来なくて、便所のないマンションなどと言う人もいるけれども、エクサスケールのスーパーコンピューターが解決してくれるわ。今までも難問を克服してきたんだから、この問題だってきっと解決する。きみがやってみない?有益な仕事よ!」
と言い続けてほしいと思います。
  1. 2015-07-23 15:17
  2. URL
  3. かわた #qFCkdryo
  4. 編集

To かわたさん

こんばんは。

母親の正しい対応。

自分の頭もツルツルに丸めて土下座する。より誠意を見せるなら、バリカンより永久脱毛がベター。

というのは冗談ですが、一言「すいません」と頭を下げて、ガキにゲンコツ食らわせれば十分です。余計な言葉は不要ですよ。

本エントリの朝日記事だって、そもそも記事になんてしなければよかったのです。報じるべき内容ではありませんからね。

  1. 2015-07-23 19:34
  2. URL
  3. no-risu #-
  4. 編集

母親の正しい対応。

なるほど。それで事足りますね。

しかし、それでも「言葉の刃」としては、解決されていない根本問題があると思います。お母さんは、禿はみっともないもので、劣ったもので、憐憫の対象だ!」という先入主を持っており、子どもに伝承されそうです。本当に禿はいけないのか? 結構カッコいいのもあります。

「言葉の刃」の力の源泉は、土俵作り、予見イメージの造成にあるように思われましたので…。
因みに、私は禿ではないですよ。

原発も、「原発怖い、原発悪!」を払拭しなければ如何にもいけません。
  1. 2015-07-24 09:20
  2. URL
  3. かわた #qFCkdryo
  4. 編集

To かわたさん

こんばんは。

あまり禿の話にこだわるのも、聞く人によっては言葉の刃ですよ(笑)。
私としては、言葉の刃の根幹はエントリにも書いた通り思いやりの欠如にあると思います。

ただ、ここで問題にしたいのは、あくまで意図的に刃をふるうマスコミであって、一般人の話は本筋ではありません。

なお、私は今のところフサフサですが、年々確実に、ジワジワと、しかし粛々と進行している感じですね。
なので、薄毛の人の気持ちは多少は分かるつもりです。

  1. 2015-07-24 18:59
  2. URL
  3. no-risu #-
  4. 編集

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