2015-10-19 20:44

落選運動の成否は参加者のモラル次第


安保法案成立後、シールズは直ちに「落選運動」を提唱した。ネガティブな発想にゲンナリするが、反安保連中には歓迎する声も多く、マスコミの中では特に毎日新聞が熱心に報じている。編集委員の与良も、コラムで「次期参院選のキーワード」とはしゃいでいた。

賛成意見の多くには、「公職選挙法違反にはあたらない」「安心して落選運動しようね!」などと書かれている。法律で禁止されなくても倫理的にどうなのよ?、と疑問に思う。推進派も気にしているからこそ、わざわざ「法的に問題無し」を強調しているのだろう。

だから、no-risuは落選運動などという暗い情熱について、ケチョンケチョンに批判してやろうと思った。ところがだ。いざエントリを書こうとすると、どういうわけか批判の言葉が全く湧いてこない。考えれば考えるほど、批判する理由が無いのである。

結局、「あれ?、べつに落選運動したって良いじゃない?」という考えに至った。暗い情熱とか、ゲンナリとか、反射的に嫌悪して正直申し訳なかった。それに、よくよく考えれば、ブログの政治家批判だって落選運動みたいなものだし(笑)。

さて、これまでに聞いた落選運動の具体的な中身は、概ね次の様なものだった。

1.落選させたい候補の主張や不祥事についてまとめ、リスト化する。
2.落選させたい候補に公開質問状を出し、結果について公表する。
3.賛同者による票交換

票交換以外は問題無い。というか、票交換以外は従前から実施されてきたものだ。ただし票交換は限りなくグレーだ。票交換とは対立候補に票を集中させる目的なので、これを「落選させるための活動」と解釈することは難しい。対立候補の当選運動と考えるのが妥当だ。

とはいえ、絶対数の変わらない内輪の票交換に大した意味も無いだろう。積極的に容認はしかねるが、目くじら立てるほどのことでは無さそうだ。むしろ、効果の程を知るためにも、試しにやってみてもらいたいくらいだ。実現のハードルは高そうだけど。

上記のとおり、落選運動に問題は無いと考えるが、一つだけ懸念するところはある。それは、落選運動が社会常識や倫理観を守って行われるかどうか、という点だ。落選運動の成否について、全てはこれ次第ではなかろうか。

落選運動は、「他人の足を引っ張る活動」という性質上、どうしても候補に対する批判が多くなる。真っ当な批判なら問題無いが、エスカレートすれば誹謗中傷になりかねない。もちろん、誹謗中傷は落選運動でも認められない。犯罪である。

また、選挙区の候補者の数によっては、落選運動が実質的に当選運動になりかねない。例えば、候補者が二人しか居なければ、一方を落選させる運動は、イコール、もう一方にとっての当選運動になる。

ただし、これらの問題はいずれも線引きが曖昧なグレーゾーンだ。しかし、だからこそ、活動の内容が問われてくる。グレーゾーンをいいことに好き放題するか、グレーゾーンだからこそあらぬ誤解を受けぬよう社会常識や倫理観で活動を律していくか。

落選運動が社会に認められるか否かは、まさにこの一点にかかっている。残念ながら、国会前の反安保法案集会では、目を覆いたくなる違法行為や、耳をふさぎたくなる罵詈雑言が溢れていた。落選運動は、是非とも従前の活動と一線を画して欲しい。




毎日:熱血!与良政談:「落選運動」に注目しよう=与良正男
http://mainichi.jp/shimen/news/20150930dde012070011000c.html
 予想通り、安倍晋三首相は安全保障関連法が成立した直後から「次は経済、経済」と強調し始めた。来夏の参院選まで時間はある。それまでに多くの国民が安保関連法を忘れてくれると考えているに違いない。
 「忘れない」ための次の一手だと思う。最近、「落選運動」という言葉を聞くようになった。例えば今回、国会周辺を中心に反対デモをリードした学生団体「SEALDs(シールズ)」だ。成立で終わりではない。次は選挙……。中心メンバーの奥田愛基さんらは「賛成議員を落選させよう」と訴え始めている。
 具体化はこれからだが、「落選運動」は公職選挙法で「当選を得させないための活動」と定義されて認められているように、有権者の意思表示の一つの方法である。
 2000年の韓国総選挙を思い出す人もいるはずだ。市民団体が「不正腐敗に関係した政治家」などをリストアップして公表。当選させない運動を繰り広げ、対象者86人のうち59人が落選した選挙だ。だが日本でもこれに刺激されていくつかの団体が試みたものの浸透はしなかった。
" 今回はどうか。こうした運動の大きな武器となるネット選挙運動も解禁された。展開次第では選挙に影響を与え、日本の政治風土そのものを大きく変える可能性があると思う。
 ただし、選挙戦に際し、「○○を当選させよう」ではなく、「××を落とそう」としか言えないのは、「○○」に当たる政党、つまり受け皿が見つからないからでもある。"
" 政党や組織を超えた運動で共感を得た「SEALDs」のメンバーの間には、政党側が「一緒に戦おう」とすり寄ってくることを迷惑がっている空気もある。それがジレンマでもある。
 彼らだけではない。安保関連法に反対する有権者の思いをどう集約し、選挙結果に反映させるのか。本来受け皿となるべき野党も大きな課題を突きつけられているのだと思う。"
" そんな中、来夏の参院選に向けて共産党が「安保関連法廃止」を旗印にした野党間の選挙協力などを民主党に提案したのは、彼らの動きを受けたものだと私は見ている。若者たちの行動は既に現実の政治を動かし始めているということだ。
 気の早い話だが、参院選のキーワードは「18歳投票」と「落選運動」だと思っている。(専門編集委員)"







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テーマ:サヨク・在日・プロ市民
ジャンル:政治・経済

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コメント

>若者たちの行動は既に現実の政治を動かし始めているということだ。

 関係ないけど、こうした老サヨクの言動を見ていると、まるで秀頼誕生で理性を失った秀吉を見るようですね。

 シールズの事で大はしゃぎだけれど、あのショボイデモで「若者が政治を動かす」なんて言えるんですかねえ?

 60年安保の成れの果てサヨクが、諦めていた後継者を得たと思って、ひたすら自分達が持ち上げて喜んでいるだけじないですか?
 
 

 
  1. 2015-10-19 20:58
  2. URL
  3. よもぎねこ #-
  4. 編集

To よもぎねこさん

こんばんは。

そうかもしれません。だとすれば、可愛くて可愛くてしかたないでしょうねぇ。

あのショボイデモは、お世辞にも「若者が政治を動かした」とは言えないからこそ、余計に支援したくなるに違いありません。

ただ、シールズのアキ氏は次期参院選でのシールズ解散を宣言しているので、老害の期待には応えられないかもしれませんけど(笑)。

  1. 2015-10-19 21:09
  2. URL
  3. no-risu #-
  4. 編集

落選運動も前向きに捉えれば、議員の監視とみなすこともできます。
主張・仕事を精査し、不適切な議員には国民による審判を下すということであれば、これは政治を改善へと導く素晴らしい運動です。
(ちょっと良く言いすぎかもしれません。)

デモと同じく、運動をすること自体は良いけれども、主張の中身と、随伴する行為が問題ですね。
主張と行為が正しいものならば、自ずと支持されていくでしょう。
此度の落選運動にそこまでのポテンシャルがあるかというと、私はほとんど期待していませんが。
  1. 2015-10-19 23:52
  2. URL
  3. ciel #-
  4. 編集

To cielさん

こんばんは。

落選運動という言葉の響きはネガティブですが、やり方によっては「前向きにとらえる」ことも十分可能な活動になりますよね。問題は、目的に目がくらんで手段を選ばない、なんて無法無秩序に陥らないかどうかです。デモだってそうです。たいがいのことは、実際に行う人間次第なんですよね。

落選運動のポテンシャル、実は私もかなり疑問です。でも、彼らの行動力は大したもんです。なので、ひょっとしたら私達の想像を超えた明暗をひねり出すかもしれない、なんてことを期待しています。

  1. 2015-10-20 00:05
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  3. no-risu #-
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赤松広隆落選運動

落選運動自体は私も否定しません。
私の地元に近いところで、2012年総選挙の時、民主党赤松候補に対する落選運動としてビラ等が配られてました。
2010年の宮崎口蹄疫に対して、農林水産大臣として陣頭指揮をとらねばならぬ立場でありながら外遊したり、帰国後も足を引っ張るような言動で行政を混乱させた事を指摘するビラでした。
記録にとっていないので不正確ですが、頑張れ日本愛知県支部とかその辺りの保守系団体がリードしていたように記憶しています。
この運動が、法令の範囲内で行われたかどうか確認はしてませんが、報道になるような違反は無かったようです。
また、運動の方針みたいなメモも配っていたのですが、法令違反を避けるための注意書もあり、それなりに気を付けているのだと感じました。
結果赤松が選挙区で落選し、ザマアミロと喝采したのです。
しかし、比例で復活して副議長等になりおおせたのは、とても残念でした。
  1. 2015-10-20 11:50
  2. URL
  3. もらもら #Fldqm66o
  4. 編集

To もらもらさん

こんばんは。

宮崎口蹄疫、ずいぶん昔のことの様に感じますが、僅か5年前の事件だったんですよねぇ。赤松農水相の言動も酷かったですが、本格的な報道規制に戦慄した記憶がありますよ。

落選運動は、落選運動という言葉の認知度が低いだけで、これまでも各所で行われていたのかもしれませんね。落選運動のつもりはなくても、結果落選運動に相当する活動になっているケースも含めて。

>法令違反を避けるための注意書

感心ですね。シールズら反安保の人々も、こういった配慮が出来れば何も問題ないのですけどね。

  1. 2015-10-20 21:07
  2. URL
  3. no-risu #-
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