2015-10-24 19:44

朝日新聞社説に感じた違和感を掘り下げる


朝日新聞は23日、南シナ海を侵略する中国に対して強く批判する社説、「南シナ海問題 中国は航行の自由守れ」を掲載した。大変結構な社説だが、読んでみると文章のあちこちに妙な違和感を感じた。この違和感の原因は何か。

本エントリにおいては、朝日新聞の痛烈な中国批判社説の全文を紹介しつつ、違和感の内容と原因について説明・考察していきたい。今回は久しぶりのメディア・リテラシー回だ。


朝日:南シナ海問題 中国は航行の自由守れ
http://www.asahi.com/paper/editorial.html
" さまざまな国の領有権の主張が絡みあう南シナ海で、米国と中国の緊張が高まっている。
 中国が埋め立てて造った人工島の近くに、米軍の艦船か、航空機を派遣する。オバマ政権がその方針を固めた。"
 国際法では領土から12カイリ(約22キロ)が領海とされるが、米軍はあえて通航し、中国の一方的な主張を認めない姿勢を示そうとしている。


問題無い。ここまでは簡単な経緯の説明だ。


 これに中国が反発するのは、筋違いである。人工島の領有権も領海の主張も、説明のつくものではない。仮に領海内だとしても、軍艦の航行が、いわゆる「無害通航」ならば、認めるのが国際ルールだからだ。
 どの国であれ、国際規範に沿った「航行の自由」という海洋の原則を曲げてはならない。とりわけ世界有数の重要海路である南シナ海で、独断によるルール変更は許されない。


問題無い。国際ルールの説明と、ルールを守らない中国への批判だ。


 懸念されるのは、米軍のそうした行動に対する中国の反応である。米中の軍同士が直接対峙(たいじ)すれば、西太平洋地域は一気に緊迫しかねない。
 万が一にも軍事衝突に発展させてはならない。米側は航行に踏み切っても無用な挑発は避けるべきなのは言うまでもない。


問題無い。当然の懸念だ。


 この緊張を招いた大きな責任は、中国の側にある。国際規範を守り、不測の事態が生じぬよう自制すべきだ。

違和感1.「大きな責任は、中国の側にある」

「責任は中国にある」なら違和感は無いが、「大きな責任は」とは何だろう。より強く中国を批判するため?。そうかもしれないが、no-risuは別の意図を感じる。朝日は、「大きな責任は中国にあるが、小さな責任は他の国にもある」、と考えているのではないか。

小さなことかもしれないが、これは危険な発想であり布石だ。中国以外の国の責任も認めるならば、社説は「お互いに歩み寄ろう」といった結論になる可能性が高い。被害者に責任を求める似非平等、悪しきサヨク的平和主義である。


 そもそも中国の主張には無理がある。南シナ海のほぼ全域に「管轄権がある」というが、法的根拠は乏しい。92年に定めた領海法で、軍艦が領海内を通るには中国の許可が必要としているのも受け入れがたい。

問題無い。いいぞ、もっと批判せよ。


 中国側には軟化の兆しも見える。人工島建設について「民間サービスが主」と釈明し、東南アジア諸国連合(ASEAN)に対しては、南シナ海での衝突回避のための「行動規範」づくりを働きかけている。

違和感2.「中国に軟化の兆し」

これはおかしい。中国に軟化の兆しは無い。軟化に感じる人もいるかもしれないが、不良がたまに良いことをすると過大に評価されるのと同じだろう。冷静に考えよう。釈明も行動規範づくりも、それらは中国がこれまで強行してきた現状変更を後退させない。

むしろ逆だ。中国の提案は、全て現状を認める前提の上にある。「釈明」は純然たるウソで、「行動規範」は既成事実化を狙ったものだ。原状回復にはクソの役にもたたない。こんなものを、「軟化」等と前向きに評価するべきではないだろう。


 中国が国際ルールを守る国として発展するか、それを無視して「力による現状変更」に進むのかの分岐点となる。責任ある大国として分別を示すときだ。

違和感3.「中国の分岐点」

とっくに分岐点過ぎてますから!(笑)。人工島造成、ガス田開発、防空識別権設定、領海法制定、漁船制圧。誰の目にも、中国がすでに分岐点を過ぎていることは明らかだろう。これだから、サヨクの平和主義は似非であり害悪だと言うのだ。


 国際社会も、中国にいかに向き合うのかが試される。来月の主要20カ国・地域(G20)首脳会議や、アジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議など各国首脳が顔をそろえる機会を通じて、南シナ海情勢を安定させる道筋を探りたい。

問題無し。微妙だけど、まあいいでしょ。


 安保法制が成立した日本も、最大の役割は軍事的関与ではなく、国際社会の結束を築く外交面にあることを忘れてはならない。ASEANと日本のパイプを生かし、粘り強く緊張をほぐす努力が求められている。

違和感4.「軍事的関与は日本の役割ではない」

社説の全てをぶち壊す妄言である。朝日新聞は最初からこれが言いたかった、こういう結論に持っていきたかった、そう考える他ない。何故、日本は軍事的関与と言う選択肢を没収されねばならないのか。忘れるも何も、その様な縛りは元から存在しないはずだ。

安倍自民の通した安保法案は、アセアン含めて世界各国から歓迎されている。まして、中国の問題は軍事力の問題だ。それに対抗する日本が、どうして軍事力を利用できないのか。朝日新聞よ、「寝言は寝て言え」とは、まさにこの社説に贈るべき言葉だ。

とどのつまり、朝日新聞は中国がゴロツキ国家であることを認めていない。周囲の人々・国々はとっくに知っているのに、馬鹿親のことく「本当はとっても良い子なんですぅ!」などと考えている。だから、対話で解決等と無責任な意見を吐けるのである。

南シナ海情勢を安定させる道筋を探りたい?。道筋を具体的に例示しろ。粘り強く緊張をほぐす努力が求められている?。そんなもの求められてないから。朝日新聞が求めているだけだから。粘り強く時間かけてたら、力で現状を変更されるから。


以上が、朝日新聞社説に感じた違和感と、それについての説明・考察だ。もちろん、これはno-risuの個人的な主観なので、これが必ずしも正しい読み方とは限らない。大切なことは、マスコミ情報に対して「考える」「鵜呑みにしない」ことだ。

こういうことを考えながら読むのも、新聞を読む楽しさの一つだと思う。そして、こういうことを考え楽しむには、自分の主張に近い新聞社だと難しい。だから、no-risuは産経より朝日新聞を愛読するのである(笑)。







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コメント

粘り強く時間かけてたら、力で現状を変更されるから

これが今回のエントリーの白眉だと感じました。
一般論として慎重さは必要ですが、場合によっては前に出ないといけない事が有ります。
難しい判断になりますけど。

ただ、個人的にはオバマが本当に艦隊を出すのか半信半疑です。

朝日を読むですか…
精神衛生的に厳しく、私には出来そうに有りません。
産経読んで、ネトウヨのぬるま湯に浸るばかりです。
  1. 2015-10-24 21:47
  2. URL
  3. もらもら #Fldqm66o
  4. 編集

>人工島建設について「民間サービスが主」と釈明し、

 灯台などを作り民間サービスをすると言う事は、つまり中国の領土権の確定と言う事ですから、釈明にもなっていません。

 最大の問題は人工島云々ではなく、そもそも南沙諸島は中国領ではないと言う事ですから。
  1. 2015-10-24 22:18
  2. URL
  3. よもぎねこ #-
  4. 編集

To もらもらさん

こんばんは。

オバマはいまいち信用できませんね。半信半疑もいたしかたないかと。
しかし、それでも日本よりはマシだろうと思います。

朝日新聞、そう悪くありませんよ?。産経新聞には毒が無くて面白くない。
もっとも、サヨクから見れば産経には毒しかないでしょうけど(笑)。

  1. 2015-10-24 22:40
  2. URL
  3. no-risu #-
  4. 編集

To よもぎねこさん

こんばんは。

朝日新聞の主張どうりにすれば、南沙諸島は中国領と認めることになるんですよね。

で、中国に南沙諸島を差し上げて、そこが歩み寄りのスタート地点になると。

  1. 2015-10-24 22:44
  2. URL
  3. no-risu #-
  4. 編集

旧新南群島地域

スプラトリーも違和感が、ありますので旧新南群島地域と呼んでいます。それにしても、中共の横暴目に余ります。
YouTubeで、ベトナムが、何か国語かでプロパガンダ映像を流しています。
調べた限り、少なくとも10ヶ国語で、中共非道、我等正義という内容です、ベトナムも硬軟使い分けて、プロパガンダしています。
  1. 2015-10-25 03:31
  2. URL
  3. プロ市民嫌い #a3VXqt5.
  4. 編集

To プロ市民嫌いさん

こんばんは。

ベトナムも社会主義国家ですからねぇ。ただ、中国と違って侵略国家ではないので、同列に扱わない様に注意したいと思います。

  1. 2015-10-25 20:12
  2. URL
  3. no-risu #-
  4. 編集

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