2016-03-09 20:43

辺野古移設問題:反対訴訟乱発を封じる偽装和解

急がば回れ、そういうことだろう。

辺野古移設に係る代執行訴訟について、国と沖縄県は高裁の和解案(暫定案)を受け容れた。以前のエントリで、「勝つと分かっている訴訟で和解する馬鹿がいるか(笑)」、と国が和解する可能性を否定したが、その予想は見事に外れてしまった。

和解の報を聞いたときは耳を疑った。「ヘタレやがって!」と憤った。しかし、公開された和解内容を精読した結果、その考えは杞憂であると分かった。早い話、あれは和解ではない。全10項目の和解文に、「和解」と言える項目は一つも無いのだ。

さらに、和解項目の中には、今まで報じられていなかった衝撃的な一文が含まれていた。それを読んだとき、国の和解受け容れに対する疑念は氷解した。明白に偽装和解である。国の狙いは、乱発が予想される反対訴訟の封殺だ。

反対派は、「国の譲歩を勝ち取った!」、「一歩前進!」、「反対活動の成果であり誇らしい!」、などと喜んでいるらしいが、アホ丸出しである。もしno-risuが反対派プロ市民ならば、こんなふざけた「和解」を飲んだ翁長らを激しく糾弾しただろう。

説明していこう。

まず、和解内容を正しく理解せねばならない。報道の要約はおしなべて不正確だ。おそらく、みなさんが報道で聞いた和解内容は概ね以下の様なものだろう。

一、国は代執行訴訟を取り下げる
二、国は埋立て作業を一時停止する
三、国と県は問題解決にむけた再協議を行う
四、協議が決裂したら再訴訟(取消訴訟)を行う


これは不正確だ。公開された和解文を基に、no-risuが要約し直すとこうなる。

和解内容(沖縄県公式web)
http://www.pref.okinawa.lg.jp/site/chijiko/henoko/documents/h280304wakaiseiritu.pdf

一、国は代執行訴訟を取り下げ、県も取消訴訟を取り下げる
二、国は埋立て作業を一時停止する
三、国は県に(代執行でなくまずは)是正指示を出す
四、県は国地方紛争処理委員会に不服審査を申し出る
五、国又は県は、委員会の判断に不服なら取消訴訟を起こす
六、取消訴訟の判決まで、国と県は解決に向けた協議を行う ←ここ重要
七、判決だけでなく判決を導いた趣旨も誠実に守り、その後も同趣旨に従うことを互いに確約する ←ここはもっと重要


すでに「和解」と評価すべき内容は欠片も無いと分かるが、そんなことはもうどうでも良い。で、上記の要約を整理すれば、和解勧告の趣旨は二点に集約される。

一、今後の作業工程は既定路線である
二、再訴訟の判決及び趣旨は、その後も遵守し続けると確約する


さあ、かなり分かり易くなってきたでしょう?。

福岡高裁だって、国と県が再協議したところで確実に決裂することは理解している。再協議で解決可能なんて思っていない。「国が是正指示→県は不服審査を申請→申請却下→県が取消訴訟」、この一連の流れは既定路線だ。

国は、直ちに和解条件を履行し是正指示を発出した。これに反対派は激怒、沖縄タイムスは「舌の根も乾かぬうちの是正指示、傍若無人、強権的」などと糾弾していたが、和解内容を理解せぬ的外れな批判で、アホとしか言い様が無い。

是正指示が出されたことにより、既定路線のレールに乗った車両は動き始めた。同時に、「再訴訟の判決まで」と期限設定された、再協議時間のカウントダウンも始まったわけだ。そして、再訴訟の結果は火を見るより明らか、国の勝訴である。

辺野古3訴訟については、翁長や沖縄メディアらも敗色濃厚を自覚していた。その対策として、連中は同種裁判の乱発を画策していた。国が負けるとは思えないが、一度たりとも負けられない裁判を乱発されれば、さすがに国もきつい。

国が絶対にミスしないとも限らず、何かの拍子に県が勝てば辺野古移設は危機に瀕する。また、神経すり減らす判決を求められる裁判所も、乱発なんぞたまったものではなかろう。そこで注目すべきが、判決後にまで効力を発揮する和解条項だ。

「再訴訟の判決及び趣旨は、その後も遵守し続けると確約する」

控えおろう、この和解勧告が目に入らぬか~!、というわけである。これで類似訴訟の乱発は和解合意違反で阻止され、結果的に辺野古移設が円滑に進められるわけだ。「急がば回れ」とはまさしくこのことよ。国も策士よのう。

ちなみに、このことは8日の県議会で社民議員に質問され、翁長ら沖縄メディアらも事の重要性に気がついたと思われる。ただ、沖縄タイムス・琉球新報の記事を読んでも、普通の人には意味不明だろう。説明すべき核心部分を曖昧にしているからだ。

まあ、都合が悪すぎて書けないか。いつまで隠す気?(笑)。

琉球:知事、敗訴でも権限行使 辺野古是正指示、係争委に訴えへ
http://ryukyushimpo.jp/news/entry-235378.html
沖縄:翁長知事「和解の範囲は2訴訟」 県議会で内容説明
https://www.okinawatimes.co.jp/article.php?id=157660

で、質問された翁長は、「今回の和解条項の内容は、今後のその他の訴訟には影響しない」、と答えたそうだ。早くも和解合意を反故にするつもりか(笑)。とことん人間性の腐ったアホ共である。翁長が何と言い逃れても、すでに手遅れだ。

認めよ。お前らは国の作戦にまんまとハマったのである。「(国は)協議する気はあるのか」だと?、あるわけねーだろ(笑)。最後に、これまで要約して紹介していた判決遵守の和解項目について、以下にその原文を紹介しておく。反対派は熟読するように。

9.原告及び利害関係人と被告は、是正の指示の取消訴訟判決確定後は、直ちに、同判決に従い、同主文及びそれを導く理由の趣旨に沿った手続きを実施するとともに、その後も同趣旨に従って互いに協力して誠実に対応することを相互に確約する。
※原告=国、利害関係人=沖縄防衛局、被告=沖縄県




沖縄:社説[国、是正指示]協議する気はあるのか
https://www.okinawatimes.co.jp/article.php?id=157501
 名護市辺野古への新基地建設をめぐり石井啓一国土交通相は7日、埋め立て承認を取り消した翁長雄志知事の処分に対し、是正を指示した。
 取り消しをめぐっては、国が県を提訴した代執行訴訟で、4日に和解が成立したばかり。安倍晋三首相は和解を受けて同日「辺野古への移設が唯一の選択肢であるという国の考え方に何ら変わりはない」と述べており、それを具体化した形だ。
 和解は(1)国は工事を中止する(2)埋め立て承認取り消しをめぐる手続きを正常化する(3)国と県は円満解決に向けて協議する-の三つの柱からなる。国の是正指示はそのうち(2)に当たる。
 一方で菅義偉官房長官は7日の会見で「沖縄県と進め方について協議していきたいというふうに思っている」と述べ、(3)にある県との話し合いについては、協議の在り方すら決まっていないことを明らかにした。
" 和解を受け入れたなら、少なくとも是正指示と並行して県と協議の場を持つべきだ。
 安倍首相は和解条項を持ち出し「円満解決に向けて話し合いを進めていきたい」と翁長知事に呼び掛けてもいた。その舌の根も乾かぬうちの是正指示だ。傍若無人な態度であり、強権的な姿勢は一向に変わらない。"
" 政府側に話し合う姿勢はまるで見えない。
 昨年夏、政府が県と集中協議するとして約1カ月の期間を設定したことを思い出す。
 工事を中断し「歩み寄り」をアピールしたが、協議とは名ばかり。「辺野古が唯一の解決策」との言葉を繰り返す政府の姿勢に、県は話し合いの端緒さえつかめなかった。"
 今回も工事は中断されている。本来なら、国側の提訴取り下げにより正常化された法的手続きを進めながら、双方による真の話し合いが行われるはずだ。その期間は、もし新たな訴訟が始まった場合でも半年以上を有するとみられている。
" 和解勧告では、その間の協議の方向性について「最善の解決策を合意して米国に協力を求めるべきである」とし、国と県に対し計画変更を前提とした協議を求めている。
 こうしたことを鑑みれば、そもそも「辺野古唯一」はあり得ないのである。
 協議の場すらつくらないままの是正指示は、和解の趣旨を全くないがしろにしたものと言わざるを得ない。"
 今回の是正指示は、和解により、結果的に修正されることになった法的手続きの一つだ。国が本来、代執行訴訟の前に取るべきだった措置である。
 安倍政権は、国と県を対等・協力の立場とする改正地方自治法上の必要な手続きを一切抜きにした提訴を閣議了解した。政権として法の精神を無視し、沖縄県の自治権を脅かした事実は法治国家において極めて重大だ。
" 瑕疵(かし)を修正し是正指示に臨むなら、何より政府がしなければならないことがある。
 それは自らの非を認め、沖縄県と県民へ謝罪することである。






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テーマ:沖縄米軍基地問題
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コメント

武士の情け

和解は翁長知事に対する国の武士の情けだと思います。

no-risuさんの仰るとおり「急がば回れ」「偽装和解」でしょう。判決が出れば負けれるのは見え見えだけれど、判決が出る前に判決が出たら従うという和解をしておけば、偽装協議で決着が付かず、実際に負け判決が出たときに、「潔く和解に従ったまでだ」と形の上で名誉ある撤退ができるというものでしょう。

国も絶望的な不毛の抵抗を避けられます。
素人に見透かされるような筋書き通りに行くかな。
  1. 2016-03-10 07:21
  2. URL
  3. かわた #qFCkdryo
  4. 編集

To かわたさん

こんばんは。

武士の情けはあるかもしれませんね。

完膚なきまでに叩きのめしたいところですが、100-0で完勝することは必ずしも上策ではありませんし。

それにしても、沖縄メディアら反対派の混乱ぶりが面白いです。「和解」が成立したばかりとは思えない空気ですね。面白くなってきました(笑)。

  1. 2016-03-10 19:20
  2. URL
  3. no-risu #-
  4. 編集

まいどお馴染み、沖縄のキチガー

翁長も、帽子の中身は、空っぽ、毎回、銃剣とブルドーザー、辺野古は埋め立て地だろうが(笑)
だいたい、那覇空港絶賛埋め立て中、那覇軍港の移転、隣の市に、施設出来てるのに。
そういえば、最近ネット工作員、増えましたね。
でも、一人何役かなぁ。
特に、偽自衛官潰しに躍起です。
だいたい、普天間移設案って、色々あったのに、ルーピーが、滅茶苦茶にしましたし。
危険な、小学校移転に、反対したのはパヨク。
パヨクって、まず工程を一つ一つこなす、事ができませんし。
反対叫べば、いいのだから、気楽ですね。
  1. 2016-03-25 17:46
  2. URL
  3. 政界ウォッチャー三十年 #luHOg6ls
  4. 編集

To 政界ウォッチャー三十年さん

こんばんは。

ネット工作員の増減はよく分かりませんが、サヨク野党側の意見は目立つようになった気がします。ネット掲示板が過疎って、声の大きいサヨクが目立つようになっただけかもしれませんが。

ただ、文章の特徴からして「一人何役」の存在は間違いないでしょうね。

  1. 2016-03-25 21:39
  2. URL
  3. no-risu #-
  4. 編集

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