2016-08-23 20:55

堤防の高さは足りているか?


自治体A(架空)の防災課が、川の堤防増設計画について会議を開いた。大雨の度に洪水を起こす川があり、流域住民からは早急な堤防強化が求められている。堤防工事は決定として、議題は堤防の改修規模、具体的には高さを考えねばならない。

堤防が高過ぎれば税金の無駄遣いだし、低すぎれば洪水を防げないから、適切な高さで設計して適切な予算を組まねばならない。会議では、以下の様な議論が交わされた。


課長 「これより堤防規模を決める会議を始めます。忌憚ない意見をどうぞ」

部下A 「まず当該河川の基本データを説明します。平時の水量はおよそ1メートル、雨で水量が増えても3メートルまでなら現在の堤防でカバー可能です」

部下B 「過去10回の洪水における水位を推計したところ、最低4メートル、最高8メートル、平均6メートルでした。したがいまして、堤防は8メートル以上にするべきかと」

課長 「そうだな、ではとりあえず8メートルで業者に見積もりを・・・」

ブカC 「お待ち下さい!」

課長 「なんだね?」

ブカC 「洪水の平均水位は6メートルだから、堤防も6メートルで足りるでしょ」

部下B 「最高水位は8メートル、6メートルでは不十分かと」

ブカC 「はぁ?、平均が6メートルだから6メートルでいいでしょ?」

部下A 「私はBさんと同じく8メートル以上が適切と考えます」

課長 「うむ、8メートルで業者に見積もりを・・・」

ブカデー 「ちょっと待つであります!」

課長 「なんだね!」

ブカデー 「堤防の強化など不要、現在の3メートルで十分であります」

部下A 「過去に何度も洪水が発生しているのに?」

ブカデー 「ここ1年は洪水が起きてないし、今も起きてないであります」

部下B 「いったい何を言ってい・・・」

ブカC 「確かに!、今は大丈夫なんだから急ぐ必要は無いでしょ!」

課長 「将来の増水に備える防災計・・・」

ブカデー 「増水したら、市民が一致団結して蛇口をひねるであります」

ブカC 「Dさん、キミは天才でしょ!!」

課長・部下A・部下B・傍聴市民 「・・・・・・・」




さて、上記は架空の自治体で行われた架空の議論。平均水位で設計したがる部下Cと、今が大丈夫だから堤防は不要と主張する部下D。どちらも現実の自治体職員にはいるわけのない(と信じたい)真性のアホだ。これに異論反論はあるまい。

実は、現実社会にも彼らと同様の意見を持つ人々がいる。かなりいる。その人々は、部下C・部下Dと全く同じ理屈を用いて、「電気は足りている、だから原発再稼働は不要」と主張している。そう、「その人々」とは「反原発派」のことだ。

すなわち、反原発派もアホである。これにも異論反論はあるまい(笑)。




東京:電力需要 猛暑の夏も乗り切れる
http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2016081802000136.html
" 猛暑、五輪、高校野球、熱中症にも気をつけて…。何かと“熱い”が電気は足りている。政府や電力大手は誰のため、何のため、住民の不安に目を背けるかのように、原発再稼働を急ぐのか。
 「猛暑でも節電要請は来ておらん。なぜそんなに、急ぐのか」
 四国電力伊方原発再稼働の三日前、松山市内の飲食店で耳にした。隣席の客のつぶやきだ。多くの市民の実感なのだろう。
 経済産業省の電力需給検証小委員会は四月、電気の使用量がピークに至る七~九月の電力需要予測を公表した。"
" それによると、東京や中部、関西など、沖縄を除く九電力の平均で、8%以上の予備率を確保できるという。
 電力の需要に対する供給予備率、つまり“余裕”は、最低限3%、8~10%のゆとりを持つのが望ましいとされている。
 3・11以降、企業や家庭に広く節電が定着し、四月の家庭用電力の小売り自由化に伴って、新電力に需要が分散したことの影響も小さくはないという。
 たとえば原発依存度の高い関西電力でも、八月の最大使用率の平均は八割強だ。差し迫って原発で供給を積み増しする必要はない。
 一方、ことし三月期の決算で、電力大手十社の税引き後損益は、震災後初めて黒字になった。しかし、火力発電に依存する現状では、原油高に転じれば、収支は一気に悪化する。だから原発が必要なのだと大手電力側は言う。"
" 福島原発の被災者への賠償額は、すでに六兆円を超えている。廃炉費用も東電が当初準備した二兆円では足りそうもなく、国による追加支援が要請されている。
 原発再稼働に向けて電力十一社が見込む安全対策費は、少なく見ても三兆円を大きく超える。
 原発依存を続ける方が、潜在的な経営リスクははるかに高いと言えないか。
 再稼働した伊方3号機はプルサーマル発電の原発だ。使用済み核燃料を再処理してプルトニウムを抽出し、燃料として再利用する。
 核兵器の主材料にもなるプルトニウムを減らしたいのは分かる。
 だとすれば、莫大(ばくだい)な費用をつぎ込んでプルトニウムを取り出す再処理事業そのものを、まず放棄すべきではないか。
 誰のために再稼働を急ぐのか。政府と原発事業者は、3・11の教訓を踏まえて節電に励む消費者に、正しく説明すべきである。"







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コメント

お久しぶりです。今回も楽しく読ませていただきました。

東京新聞のようなリベラル派は,ダムとかに対しては「洪水想定が過大だ。何百年,何千年に一回の話だろう。ダムは不要」というのに,原発になると「数万年止まっていた活断層がまた動く」「数十万年に一回の破局噴火が来る」といって騒ぎますね。どう考えても公衆の生命財産に直結するのはダムや堤防の方なのに・・・。
  1. 2016-08-23 22:43
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  3. ecchu #-
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To ecchuさん

こんばんは。

今回は、たまに書きたくなるけど書いていて恥ずかしい系のエントリでしたが、楽しんでいただけてなによりです。

反原発派の主張がダムと原発で180度変わるのは、要するに、人々の被害より自分達の反原発主義を優先した結論ありきのご都合主義だからでしょうねぇ。
  1. 2016-08-23 23:13
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  3. no-risu #-
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納税者<利得者 どこのお役所もそうなっているのでしょうかね!?
  1. 2016-08-24 13:20
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  3. 三助 #-
  4. 編集

秀逸!

no-risuさん、こんばんは。
思わずコメントせざるを得ないほどの秀逸エントリーです。

「部下」の表記を反対派が好きなカタカナ表記にして識別する工夫など、
素晴らしい気の回し様です。
感動しました。

  1. 2016-08-24 22:42
  2. URL
  3. mine-y #-
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To 三助さん

こんばんは。

三助さん、お役所批判のエントリではありませんよぉ!。
  1. 2016-08-25 20:46
  2. URL
  3. no-risu #-
  4. 編集

To mine-yさん

こんばんは。

まさか、カタカナ表記の意味を見抜いていただけるとは!。
部下Dはさすがに読みにくかったですけどね(笑)。
  1. 2016-08-25 20:50
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  3. no-risu #-
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