2017-12-04 20:06

覚悟無き直訴は醜いパフォーマンス


傑作ドラマ「下町ロケット」。そのガウディ編には以下の名場面があった。

帝国重工の重役会議。強面の藤間社長(杉良太郎)以下、重役らがズラリ集結し、緊迫した空気の中で会議が行われているその時。会議に呼ばれていない財前部長(吉川晃司)が、火急の用件で藤間に直訴するべく重役会議に乗り込んだ。

財前の乱入に議会は騒然、居並ぶ重役から厳しい言葉が浴びせられた。「お前は呼ばれていない!」、「社長の御前だぞ!」、」「この場をなんと心得る!」、「社長の前に私を通せ!」等々。財前は静かに答えた。「覚悟をもってこの場に臨んでおります」。

それを聞いた重役が半笑いで言った。「覚悟とは穏やかじゃないねぇw、まるでクビも辞さないみたいじゃないか(嘲)」。財前は、重役の目をまっすぐ見て、背筋を伸ばし毅然と言った。「無論…その覚悟です…!」。騒然としていた場は静まりかえった。

そして藤間が口を開く。「よし、分かった、言ってみろ」。財前の直訴が通った瞬間だった。その後、財前が直訴した情報のおかげで、帝国重工は九死に一生を得ることになる。

この場面が視聴者の心を打ったのは、社長や重役の会議に乗り込み意見したからではなく、直訴に自己犠牲の覚悟が伴っていたからだ。会社のため、社会のため、世のため人のため、他人のために我が身をなげうつ覚悟が、心の琴線に触れるのである。

逆に言えば、自己犠牲の覚悟無き直訴は自己中心的で醜い。飢饉で村中が喘いでいるとき、大名行列の前に飛び出して「村を救ってください」と直訴するのは心を打つが、こっそり訪ねて「オラの家族だけお助けくだせえ」と手揉みするなら軽蔑の的だ。


先月、熊本市議会の女性市議が乳飲み子を抱いて議会に出席して話題になった。賛否両論あるが、もちろんno-risuは否定派だ。賛成・擁護派は、「母親たちの声を代弁してくれた」「必要悪」などと感心しているらしいが、何を言っているのかと。

熊本市議会は、バカ市議の「子連れで参加したい」との申請に対し、議会には会派にあてがわれている部屋があることから、そちらを利用するよう提案した。バカ市議は一人会派なので、部屋は独占的に使用できる。ベビーシッターの利用(入室)も認めた。

ところが、バカ市議は「シッター雇う金をくれ」と要求した。議会は当然拒否、「市民の託児施設を整備するのが先でしょ、税金を何だと思っているの」と一蹴した。で、バカ市議はバカなので納得せず、乳児を抱えて議場に乗り込むパフォーマンスを強行した。

働く女性のためとか、市民のためとか、社会のためとかではなくて、自分のための直訴だった。その後の会見で、「後悔や反省はしていない」、「悪いことをしたとは思っていない」、「無論…議員辞職の覚悟なんて論外…!」などとぬかしていた。クズめ。

これがもし、「無論…世の働く親のため…議員辞職の覚悟で臨んでいます!」とか言うなら、必要悪と認定し寛容な精神で拍手もしようが、本件は園遊会で山本太郎が陛下に直訴したのと何ら変わりない。自己中による醜悪なパフォーマンス、それ以外の何物でもない。




朝日:(社説)議場に乳児 問題提起に向き合おう
http://www.asahi.com/articles/DA3S13257956.html?ref=editorial_backnumber
" 熊本市の女性市議が先月、生後7カ月の長男を抱いて本会議に出席しようとして拒まれた。
 反響が広がっている。
 「幼子がいて働きたいのに働けない母親たちの声を代弁してくれた」という応援。「議員活動は子連れの片手間ではできない」という批判……。
 職場である議場に同伴するのではなく、議員として地域の託児施設の充実をめざすのが筋では、という問いかけもある。
 どの意見も一理ある。
 そう認めたうえで、この女性市議の行動を、価値ある問題提起だと考える。
 まず、女性の働きにくさをまっすぐに伝えたことだ。メッセージの分かりやすさが、職種を問わず、全国に、幅広い論議を呼び起こした。
 すべての議会に対する、良い意味での刺激にもなった。
 議会はさまざまな意見を吸い上げ、行政に反映させる場だ。本来、社会の縮図に近い議員構成が望ましいのに、現状は老若男女には程遠く、「老老男男」の議会がほとんどだ。
 子育て世代、とりわけ女性議員の少なさは深刻だ。地方議員の女性比率は13%に届かない。衆院議員も約10%で、先進国で最低レベルにある。
 乳児を連れて入れる議場にすることは、こうした現状を打開する一案になりうる。
 全国それぞれの議会が、地域の実情に応じて工夫をすればいい。それは議員のなり手不足の解消策にもつながる。
 たとえば、沖縄県北谷町(ちゃたんちょう)ではことし9月、町議が休憩時間に議員控室で授乳しながら本会議に出席した。
 議場に女性が増えれば、議会の雰囲気も変わるに違いない。
 人口減少問題を論じた衆院議員が「まず自分が子どもを産まないとダメだぞ」とヤジられる。「早く結婚した方がいいんじゃないか」と言われた東京都議や、出産したら「給料泥棒」と呼ばれた大阪市議もいる。
 女性議員に対するここ数年の暴言の数々は、議員の出産と育児が当たり前になれば消えていくだろう。
 海外との差は歴然である。
 女性議員が多いスウェーデンやデンマークでは、国会議員の育休制度も充実している。豪州では、ことし4月に現役の女性閣僚が出産した。5月には女性上院議員が連邦議会で初めて議場内で授乳した。
 議員活動をしながら出産や育児をしやすい制度を整える。
 そのことは議会に多様な視点を注入するために役立ち、社会を健全に保つことにも資する。"





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コメント

私も完全に否定派です。どちらかというと左翼界隈は、いいことをしてくれたという意見が多いようですがそうとは思いません。

まず、職場の子育て環境問題と完全に一致するとは思いません。もちろん職場という側面もあるのですが、それ以上に、市民に選ばれた議員による立法府であるという側面が大きい。であるから、市民に選ばれた議員以外は赤子であっても立ち入ることは許されないのです。じゃあ、これが進んで10年後、10歳になったらいかがでしょう。市民に選ばれないものが発言してもいいんですか?違うでしょ。なので、議会運営規則が定められているのです。欧米で子供も議会に参加できるところがあるというなら、その権利を熟成させて議会運営規則をまずかえましょう。左翼界隈の人は自分が正しいと信じることならルールは守らなくていいと思う人が多いようです。ルールはまず守るべきです。
 もちろん、ルールが間違っていてそれを遵守できないときもありますよ。でもこの件は違うでしょ。ほかに代わりの方法はいくらでもある。まず議論しよ。
 それでも、自分が正しいと信じたことならルール破りの直訴もいいでしょう。でもそれならno_risuさんの言うように首になる覚悟が必要。そうじゃないと民主主義じゃないでしょ。自分が正しいと思うことならなんでもやりたい放題。そんなの学級会です。無法地帯です。
  1. 2017-12-05 00:37
  2. URL
  3. 名無しクマー #-
  4. 編集

こんにちは。
私のわがまま聞いてくんなきゃ実力行使よ、ウキャーですか。
だから女は、ってなるんですよ。この市議や山尾、蓮舫、小池、辻本、福島等が女性の地位向上と叫びながら皮肉にも女の評価を下げている。
でこの市議、民間企業に勤めても同じことをするのでしょうか?
  1. 2017-12-05 08:14
  2. URL
  3. kazusa #-
  4. 編集

To 名無しさん

こんばんは。

無茶しても首にならない議会だからできた暴挙でしょうね。
自分の身分保障はばっちりだから、こういうことが出来ました。

あのバカが民間勤めだったらやらなかったでしょう。
我が身がかわいいですからね。

要は低俗なんですよね、ああいう人種は。
  1. 2017-12-05 19:26
  2. URL
  3. no-risu #-
  4. 編集

To kazusaさん

こんばんは。

そうですね、女性の権利を主張する著名人って、どうしてどいつもこいつも愚かで共謀で我が強いのでしょうか。
反感を買うこと、ケンカを売ることが議論だとか社会改革だとか、何か勘違いしているようにしか思えませんね。

で、この市議が民間勤めでも同じことをするか?ですが、絶対にしません。
自分が一番かわいい人種です、身分が保証された安全圏にいるからできただけですよ。
  1. 2017-12-05 19:30
  2. URL
  3. no-risu #-
  4. 編集

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